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Z世代の初詣ーSNSとお正月

Z世代について


Z世代といえば明確な定義はないものの、幼少期からSNSやスマートフォンに慣れ親しんでいる世代。
スマートフォンもSNSも生活の中に当たり前に存在しているZ世代と、日本の長い伝統文化であるお正月とその過ごし方はどのようなものなのでしょうか。
今回は、Z世代のお正月・初詣について考えていってみます。

映えるモノ


映えるという言葉も最近では死語扱いされつつありますが、SNS映えするモノが求められている風潮は変わらず続いていますね。
Instagramのような写真・画像を中心としたSNSユーザーでは特に、美しいモノや景色、可愛いモノ、目を惹くモノが求められ続けています。

例えば、山や海といった自然の風景、猫や犬などの動物、目を惹くイラストやデザイン画、イルミネーションや神社といった季節のイベントに合わせて盛り上がる場所……。
様々なモノが、映えの対象として見られ、画像として残されています。

それでは、特にお正月にSNSで映えるモノは一体どのようなモノなのでしょうか?

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映えるお正月?


映えるモノの中でもお正月にまつわるモノを具体的にピックアップしてみましょう。
お正月のお出かけイベントとして初詣。
年明けの挨拶の文化である年賀状。
そして食の文化であるおせち。
この3つをそれぞれSNSに絡めて見ていきましょう。

初詣


まずはお正月のお出かけといえば初詣。
初詣は、その年の初めての参拝のことを指し、前年の感謝を神様に伝えるためのお出かけです。
有名で大きな神社やお寺に行く人もいれば、犬や猫などを連れて行ける場所を選ぶ人、近所の氏神様を祀った神社や祠に行く人など、行く場所は様々。

それでは、初詣とSNSを絡めて見てみるとどうでしょうか。
特に「いいね」を集めている初詣の投稿としては
・綺麗な女性が写っている

推しのインスタグラマーです


・犬や猫を連れて参拝した様子

・お正月の装いの神社


が多く見られました。

女性の写真については、特に背景に神社、人物はお着物を着ているというのがお正月感や日本文化を感じさせるため人気なようです。
犬や猫と一緒の参拝や、お正月の装いの神社の写真はそれぞれのファンが一定数いるようですね。

Z世代の映える投稿に注目するのであれば、やはり着物+神社のセットでしょうか。


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年賀状


年賀状はお正月の朝の楽しみでもある日本の長い文化です。
平安時代から形を変えつつ近代まで受け継がれる年賀状文化ですが、特に最近ではSNSを用いた新年の挨拶が主流になっています。

映えるものという観点で見れば、特に写真やイラストを添えた投稿があげられるでしょう。

例えば、美しい日の出の写真や神社の写真、雪の写真を添えて「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」といった投稿であったり、お正月用に描き下ろしたイラストを投稿したり、その方法は色々ありますね。

また、初詣の様子や、その時に撮った写真を添えた投稿も季節のイベントに関する投稿として映えるモノでしょう。


おせち


おせちは日本のお正月の最大の食文化ですね。
おせちの料理にはそれぞれに意味がこめられ、新年を祝うには相応しいごはんです。

そんなおせちですが、やはり映えるモノとしても注目されています。
普段からお料理を中心に活動している人などにとっては気合の入る一大イベントですしね。
Instagramなどでは美しく飾られた芸術品のようなおせち料理がズラリ。
もちろん、おせちを作って投稿することに資格などいりませんから、高校生や中学生でも素敵なおせちの写真をSNSに投稿できます。

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Z世代の初詣


さて、映えるお正月という見出しで3つのモノのSNS映えについて書いてみましたが、それらを踏まえてここからは特に「Z世代の初詣」を掘り下げていきます。

そもそも初詣とは?
初詣とは、先に書いたように、年が明けて初めて神社やお寺に参拝することを指します。
神社やお寺の規模は特に関係なく、行きたい所へ行きお参りをします。
その際、お守りや破魔矢、熊手などを受けることも風習としてあり、絵馬にその年の目標を書いて飾るといったことも初詣に行うことが多いですね。
また、前年のお守り・破魔矢・熊手は初詣の時に御礼を込めて納め、焼いてもらいます。


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年始のお参りというのも歴史があり、江戸時代までは、元日の恵方詣り、正月の月末にかけて信仰対象の縁日に参詣することが盛んでした。
その後、明治時代中期に恵方や縁日に関わらず参拝する「初詣」が成立します。
初詣の成立には、鉄道会社の発展により遠方への参拝も容易になっていったことや、それを狙った各鉄道会社の開業が背景にあり、近代まで時間をかけつつ初詣という形が定着していきました。

そして近代では、すっかり初詣が主流として定着し、人々は各々の好きな場所を選んで参拝するようになりました。

SNSと初詣


思いのほか自由度の高い文化の初詣。
そんなに堅苦しいものではないんですよね。
普段行かない神社やお寺に行く機会であると共に、新年の浮かれた気持ちを行動力にするのにもってこいの初詣。
スマートフォンやSNSが当たり前に生活に溶け込んでいるZ世代の皆さんは、ウキウキでカメラを構えたり、初詣に行ったことを投稿したりします。

感覚としては、クリスマスのマーケットやイルミネーションなどと近いのだと思います。
お正月の雰囲気、神社やお寺といった普段行かない場所、また、それに合わせてお着物などを纏えば丸っと日本文化に包まれます。

神様への前年の報告と御礼、加えて今年の抱負を確認する機会としては真面目な行事ですが、楽しく過ごすこと、文化に積極的に触れることも一つの大切な時間ですよね。

Z世代の人々は、良い意味で文化や風習を重く捉えない面があるように思います。
例えば年賀状はSNSに形を変えても新年の挨拶として続いていること。
おせちも、料理好きにはたまらない腕の見せ所ですし、SNSに投稿して共有することも楽しめます。

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そして、初詣に関しても同じく、「面倒くさい、堅苦しい真面目な行事」と思わず、「友人と集まれる機会」「夜更かしする機会」「SNSに投稿するネタができる」といった軽い心持ちで臨んでいます。
これは決して悪いことではなく、時代にあった良い面です。

真面目に考えたり受け止めたりしすぎて、皆が初詣に行かなくなるような方に進んでいくより、初詣をひとつの楽しいイベントとして前向きに続けていけることは良いことですよね。

まとめ


今回はZ世代・SNS・お正月を絡めて書いてみましたが、いかがでしたか?
Z世代のSNS文化と長く続く日本文化や風習の共存は難しいかと思いきや、少しずつ形や意識が変わりながらも受け継がれているようです。

年賀状の記事や今回の初詣の記事でもそうですが、長く続く文化や風習は時代に合わせて形を変えています。
しかしその根っこにあるモノだけは変わらない。
年賀状で言えば新年の挨拶であるという点、初詣でいえば神様へのお参りを行うという点です。

なんでもSNSに絡める若い世代を見て、自分たちの頃は……といった否定的な言葉を見かけることもありますが、多少形が変われど、大切な根っこが守られ、受け継がれ、続いていくのなら、それこそ大切なことだと思います。

Z世代の次の世代は、一体どのように文化や風習を受け継いでいくのでしょうか。楽しみになってきませんか?



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