ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 24
第四章 24 ご一行が帰ってからのお話
教授は、千佐子さんをクリスの奥さんにどうかと企てた。なぜなら、ホノルルに根拠地を確立したくなったからだ。たくさんのスピ系指導者がそれを考える。それほどにハワイは魅力がある土地なのだ。物理的に、一年中気温が安定していて、真夏でも貿易風が吹いて心地よい日が多い。気候以外に、かつてレムリア大陸があった場所だったとか、アトランティス大陸も重なっている、などと言われる。古代から引き継がれた、土地の特性によるからかもしれない。特にマウイ島とかハワイ島だとか、沈んだレムリア大陸の先っぽだったという話は、後を絶たない。
今、ハワイに住んでいる人々は、前世でこの地に関係が深いから、またこの土地に戻ってきた。東京から移り住んだりさも、その一人なのだ。もちろんクリスも。
クリスが私に言った事がある。僕が初めて小学校四年生の時に、家族でハワイに来た。シェラトン・ワイキキホテルに滞在して、ホテルのプールで浮かんでいた時に思った。帰りたくない、いつかこの土地に住みたいと。この願いが現実化した。
引き寄せると言う言葉が、スピリチュアル界隈で流行った。または、まだこれに執着している人も多いだろう。
”何かを得たいから引き寄せる”
これは、潜在意識と一致しなければ成功しない。引き寄せたい事柄が生まれた時、その心の状態が純粋でなければ、叶わないのだ。
教授の野望に話を戻そう。右腕の千佐子とクリスを結婚させて、ホノルルの教会を自由に使おうと言う魂胆だ。
千佐子はまんざらでもなかった。その時にお付き合いしている人もいなかった。ハワイに住む事は、誰でも来たことがあれば、一度は考えてみる夢である。特に千佐子は、既に宇宙と繋がった体験がある。人の病気を治すような力が備わっている。ハワイのマナ、愛と光に満ちたエネルギーを、体感できる存在なのだ。教授よりも純粋な心を持つ千佐子は、、引き寄せも早い。
クリスにとって、千佐子には息子がいることが引っかかっていた。千佐子はクリスより四歳年上だった。
教授は、姪の時子をクリスの相手には考えなかった。なぜなら、教授は時子を愛していたから。教授には妻がいた。何十年も連れ添った妻だから、空気のようだ。妻の方も、今回一緒にハワイに行きたいとも思わない。最近の教授は、姉の娘である時子を、エジプトやら、台湾やら連れ回しているが、妻は気にもならない。教授は弟子達には言っていた。俺は時子を愛しているのだ、と。
時子には彼がいた。お互いに依存しているために、別れられない。
海外に連れて行ってくれるおじさんは、時子にとって魅力的だった。さすがに手を出すことはないからだ。
それぞれの思惑が動いた。その後、時子が信頼している錬金術の先生の占いにより、時子のストーリーが、大きく変化していった。
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