特売小説 杉山

来世はナイスバディと野良猫と、どっちに生まれ変わるか悩んでいます。物語を綴ります、あた…

特売小説 杉山

来世はナイスバディと野良猫と、どっちに生まれ変わるか悩んでいます。物語を綴ります、あたかもおちんちんをいじるみたいに。

マガジン

  • イントロダクション・ストーリーズ

    既存の楽曲の前段になるような物語を頼まれてもいないのに勝手に想像する、そんな下品なコンセプト先行型の掌編集です。

  • ならハッピーエンドにしてやりますよ

    はみ出し上等の推定高校生れんじゅうと、その周辺の人々のわちゃわちゃ。鬱々と悩むものはいません。人死にも出ません。えっちなのもいけないと思います。明るく愉快な青春グラフィティを目指しますとも、ええ。

  • あのハナシの裏話

    「ダメ恋話で更ける夜」と題したYouTube番組の制作の裏側を綴っています。

  • 特売小説短編

    宇宙の全てを躍らせてやると誓った女、今晩死ぬと予告された男、廃墟の団地で出逢った男女。 いつも同じベンチに座っている老人、級友を殺して回る毎日を繰り返す高校生、朝焼けの街で殴り合うグラビアアイドル。 20年ごとに大災害に見舞われる村、15ヶ月振りに鳴る電話、彼女の内側に在る宇宙。 さまざまな味わいのつくりばなしを17篇、揃えました。

  • 3日で保育所を退所した甥がコミュ障の叔母に預けられた事の顛末

    無闇矢鱈な子供扱いを嫌って3日で保育所をドロップアウトした六歳の甥が。 目前に控えた小学校入学に備えなんとか共同生活に慣れる為に。 二十歳でコミュ障の叔母が一人暮らしをするアパートに、居候する事になったその顛末を描いた読み切り連作となっております。 時代設定につきましては、なにそれ美味しいの、という気持ちでやっております。

最近の記事

09 A.D.I.O.S/The Mirraz

 目が、醒めたら。  いやさ意識の上では瞬きをした間に、全てが終了していた。  左腕、関節の辺りに点滴を挿され、それが麻酔であるという説明を受けたかどうかの内に落ちた、給電ケーブルを引き抜かれたみたいにがくんと視界が。  そして次に光が戻った時には部屋が移っていた、寝台の上に仰向けで横たわっていた。おむつをあてられ脱いだ筈の下着を穿かされていた、GUで購めた三枚1,000円のボクサーパンツだ。トランクスタイプは都合が悪い、なにしろ途端に股ずれを引き起こし歩行を不快たらし

    • 08 とん平のヘイ・ユウ・ブルース/左とん平

       どんな娘かと訊かれ、ちんちんを踏むのが上手そうな娘だと正直に応えられなかった事実がなによりの証左、俺の魂は今の今まで死に続けていたのだ。  いやさしこたまの麻酔を都度に射っては眠らせ続けていたのでありそうやって葬っていたのだ自らの手で。  2,000万円。  即ち老後資金を貯めるべく、時給896円の最低賃金で粉骨砕身、疲労困憊の内ほうほう帰宅したならコンパニオンガールにもむくりと起きない、股しない。  最早今世の内には多摩蘭坂、宝くじは買わないってゆーかないってゆー

      • track 19 「オフ会でファンだっていう娘に」

         母親が死んで仕送りが止まった。  いつか必ず訪れる事態と理解をしていたが故、予想される経済的困窮に対する不安は小さく、むしろ父親と顔を合わせたくない一心で以て母の葬儀を出席せずに遣り過した自らに対し落胆している精神状態のあって、これに驚いた。  詰まり十年を超える自堕落の先で未だ感情の死んでいない自分と邂逅を果たした次第、ならばと希望を思った。  一念発起、サイドメニューのちゃんこ鍋が人気のファストフード店の求人に応募し、アルバイト採用された。  面接時の説明によれ

        • track 18 「偶然性に全賭けしたい民」

           母と、高校一年生になる双子の兄妹、以上が三塚家の家族構成。  住居は戸建ての賃貸、トイレは一階にのみあり、冷蔵庫の容量は380L。  双子が小学四年生だった年以降、どこかのタイミングで母の千秋が文筆業で一本立ちした。現在までに経済的困窮を実感させられるような出来事は、双子の兄、松理の記憶の上では起きていない。  それでも彼が、コンビニエンスストアで、個人の感想盛り々りのポップで変わり種ペプシ支持を主張して得た給金の半分を家に入れている理由は、偏に自発的に発見した学ぶべ

        09 A.D.I.O.S/The Mirraz

        マガジン

        • イントロダクション・ストーリーズ
          9本
        • ならハッピーエンドにしてやりますよ
          19本
        • あのハナシの裏話
          8本
        • 特売小説短編
          17本
        • 3日で保育所を退所した甥がコミュ障の叔母に預けられた事の顛末
          8本

        記事

          track 17 「変な会合とかに参加」

          「昨日でしたよね、エリアマネージャーと呑み。どうでした」 「最悪。店員さんにタメ口利くタイプだった」 「やっぱし。だから言ったじゃないすか、絶対人間性ゲボですよって。うちらダシにして店長にアピる感じとか、そんなん誰が言ってた必勝テクだよって」 「ね。その忠告ちゃんと聞いとけばって後悔してる」  どす恋バーガー宝町駅前店、午後四時二十五分。  バックヤードで制服に着替えながら店長と軽く雑談をした後、調理場を通って注文カウンターへ、自身の担当者コードをレジに打ち込んだな

          track 17 「変な会合とかに参加」

          track 16 「出来ると思ってやるっきゃ騎士」

           赤ん坊や猫が、じっと虚空を見詰めていたならそこになにかが確かに在るのだ、とする俗説に照らせば彼もまた何某かの存在に勘付いていたのではないか。 「此羽さんが」 「うん。前に、閉鎖されたビルの中に円将がいてそれを知らずに俺が後から行って、て事があったじゃん。そん時の円将みたいな顔してた」  小此木木野羽、通称此羽、市立宝町高校の二年生。  携帯の電波はおろか外来語も届かない山奥の孤児院出身者の一人だが、彼らが溜まり場としている校舎の三階、南端の音楽室に於ける目撃事例は春

          track 16 「出来ると思ってやるっきゃ騎士」

          track 15 「とか言う積もりだったでしょ」

           おそらくはなんらかの執筆仕事の為、母の千秋は二日前から作業部屋にお籠り中、となると三塚家に於いてその代役は、双子の兄の松理の務め。  バイト先のハンバーガー屋で購めた皮付きフライドポテトばかりを食べたがる妹のるるに、同じく、自身のバイト先のコンビニでもらった消費期限切れの廃棄弁当を食べさせるべくに世話を焼く。 「プリン。プリン。松理さんプリン」 「プリンは後。弁当を食べ終わった後。芋ばかり食わない」 「お芋はちゃんとお野菜なのよ。だからとっても素敵なのよ」 「特製

          track 15 「とか言う積もりだったでしょ」

          track 14 「るねっさーんす」

           実店舗を構えて以ての物理的看板の掲出が然程有意でなく、むしろ都合が悪い。更に言えば実務以外は特段にすべき事も少なく、それもほぼ、指先を僅かに動かしたら終わる。  だから仕事の依頼のなければ喧嘩代行を副業とする高校生などというものは、第三者に判断を委ねれば、だいたいそれの平均層に分類される。  詰まり死屍毒郎、通称死郎の放課後が退屈極まるのは彼にそれを楽しくする才覚の備わっていないが所為ではなく、高校一年生という制約を設けられた立場が故、或いはそれを満額で楽しんでいるか或

          track 14 「るねっさーんす」

          track 13 「俺の保健室へようこそ」

           小虫が。  市立宝町高校の直線型校舎一階、昇降口直ぐの保健室を訪ねたなら詰まり、そういう事だ。  引き戸を開け放つ前に既に、目蓋から裂き始まり頬まで届く裂創を、嵌まるもののない眼窩を、恥を叩き売るみたいに曝していた。  肩掛けの詰襟も仮初め、右肩留めにした襤褸布に包ませたなら躯は、生きた心地を取り戻す。  半歩引いた右足に体重を預け、財政難に喘ぐ地方都市の町興しイベントに出席中のゆるキャラみたいな気怠げな立ち姿勢、或いはその脱力状態こそが臨戦態勢、しなりうねり鐘の鳴

          track 13 「俺の保健室へようこそ」

          track 12 「嘘を吐かなくても許される」

           オープンワールドを往く際、街のデータが保存されたHDDの一部領域に破損のあったなら、足下の道の描画されず天地の境のなくなる不安や、奇抜な色の縞々模様の商業ビルに解体途中のまぐろの突き刺さる混沌や、半身を壁にめり込ませながら歩く自身の分身の存在の異質さを、存分に感じさせてくれる。  そこに流城歌呼、自称流歌は底なしの恐怖と、同時に得も言われぬ興奮を覚える。  世界の裏側に触れた気になって脳髄が痺れる。  だけどその痺れは首より下には巡っていかない、ノパソのモニターでは拡

          track 12 「嘘を吐かなくても許される」

          track 11 「あそこですあそこを締めてください」

           もういいぜ。  もうええんかい、もうええんやったらもうええわ。  また聞いて。  いい加減にしろバカ。  一旦やめさせてもらいます。  はいぶぱぱぶぱぱぶぱぱ。  などなど。  即ち紛糾する議論を締めるべくに投下すればたちまち効果を発揮する文句、それらは膨大な数が考案されてきた筈なのに、しかし、今、眼前で、現在進行形で、行われている話し合いを吹き飛ばすに相応しいそれに思い当たらず、然りとてその場から離脱する訳にもいかず、山我轢、通称我轢は、ただスマホの画面に向

          track 11 「あそこですあそこを締めてください」

          track 10 「じゃあ今晩。夢で逢いましょう」

           電車が、然程の誤差もなく決まった時間にホームに滑り込んだなら既にそこで待機している乗るものたちの迷惑にならぬよう、降りるものは降りねばならぬが道理、その流れを止めず従う事が即ち社会活動。  秋には月見バーガーを食し、正月には神社に詣でる、特段に祈願したい事もないから賽銭がどこに飛んだかは問題にしない。  花見の際、SNSで繋がった大学生に酒の代理購入を頼んだなら見返りに手仕事を授ける、夏休みの間だけ頭髪をピンク色に染める。  即ち世間が求める平均的女学生像、それに疑問

          track 10 「じゃあ今晩。夢で逢いましょう」

          008ch このはてしなく遠い男坂

          表向きの理由は概ね体調不良。 先ずは編集担当のロイさんから、暫く定例の集まりには顔を出せなくなるとの連絡があって。 次に、編集助手のルイからプロジェクトからの一時離脱を決めた旨の連絡があって。 そして、22.10.13に予定していた定例の集まりに、アニメに関して喋らせろと希望して企画に参加してくれた新人さんから行かれないとの連絡があって、このままフェードアウトなのかそうではないのか分からん現状。 新人さんが来てくれていたらこの日は、「習慣アマプラでこれ観たよ(仮)」と

          008ch このはてしなく遠い男坂

          007ch 5-2+1-1+1という混沌

          22.7.26 ジモティー経由で出演希望の旨、ご連絡くださった方と面談。 二日後に定例会があって以て現状本企画に参加しているメンバーが皆揃う、なのでそこで活動実態を見てもらった方がマンツーの面談よりハナシが早いと思いますがどうすか、という提案を事前にしたもののいきなり都合はつけらんないとの事でこの日に。 果たして。 チャンネルのメインにと考えている動画番組「ダメ恋話で更ける夜」のMCに加え、読書好きでブックレビューラジオもやれそうとの事で早速、グループLINEにご招待。

          007ch 5-2+1-1+1という混沌

          006ch なにをか言わんや

          仲間外れにするものとされるものと、人間が必ずそのどちらかに分類されるとしたらあたしゃ断然、後者に属するようになっておりまして。 対人距離がバグってるとか空気を読まないとかデリカシーがないとか一緒にいる現場を他人に見られたくないとか、思い当たる節はそれくらいで本当の理由は分かんねんだよ何故なら、社会人ばっかの集まりに於いてもそれをやられるから。 腹芸も身に付いてない学生時代なら緘口が徹底されず本当の理由が耳に入ってしまう事故にも遭うだろうさ、悲しい気持ちに苛まれながら世を恨

          006ch なにをか言わんや

          005ch 問題児と書いてドドンパと読む

          私事なんですけど勤め先の事業所が22年6月末で閉鎖、晴れて無職になりましてね。 となるといの一番にするべき事は格安チケットで地元の千葉に飛びTAKO PIZZA AND BURGERSの多古ピザを食べる事じゃないですか。 ええ食べましたとも美味かったぁ。 で、その際。 千葉に滞在している間に遊んでもらった架空の友人に。 ものづくりや表現活動をやってる人やってた人やろうとしている人にそのハナシを聞かせてもらうラジオ番組を、YouTubeで始めようとしているのだがその第

          005ch 問題児と書いてドドンパと読む