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転勤妻の就活レポート③|面接行ってきた

自分の記憶ほど信じられないものはないので、いつか思い出そうと思ってもすっかり忘れている自信があるので書き残しています。

「転勤妻の就活レポート①正社員か派遣か、経験か挑戦か」はこちら


前回の話「転勤妻の就活レポート②|履歴書送信と服装選びとロングブレス」はこちら

大手ホテルが母体にあるカジュアルなホテルのフロントで正社員という求人を見つけて応募したら面接に来てくださいとのことで行ってきた。

最初に言うと、面接してくれた方はホテルのおじさん2人と事業所か何かの女性1人。とても感じの良い方々だけど、やっぱりホテルのフロントの平均年齢が若すぎて衝撃だったのとともに「場違いだったか」という感情が湧いてきた。

それと夜勤があることはわかっていたけど、月のほとんどが夜勤という勤務だったのが正直ホテルを選んだことを後悔した。


面接の当日、指定の時間は16:30に現地ホテルとのこと。この歳になるとあまり緊張もなく朝からいつも通りゆっくりしていた。ホテルまで30分くらいで着くはずなので、余裕を持って1時間前には家を出ようと決めていた。

なのになぜか突然緊張してきた。急に思い立ってホテルの母体である会社の詳細や決算報告などについて勉強しておいた方がいいかななんて考えだしてしまったからだ。正社員の募集だし。社長とか、国内海外の支店とか、企業理念とか。

圧倒的今さら感、私の詰め甘い。かと言って今さらむずかしいことは覚えられないから、とりあえずこの後の面接に備えて聞かれるであろう内容について次の3つの大体の大筋を考えた。

・なぜ御社を希望したのか
・私のスキルがどう活かせると思うのか
・御社に入社したらどんな貢献ができるのか

それくらいのことは事前に考えておくべきだよね

ヤベヤベってことで会社概要を見直し始めたら焦ってきたし、なんか顔が急に暑くなってきた。

なんでこんなに暑いんだろう。更年期かな、ホットフラッシュ?いやいやいや、それはまだでしょう。

そこからバタバタと支度してお化粧して100年ぶりくらいにストッキング履いて、1時間前には家を出た。何かあったらいけない。久しぶりのパンプスでふくらはぎが痙攣起こすかもしれないし、とがったパンプスで足の指先が詰まって爪が剥がれるかもしれないし。大袈裟。

ホテルには約束の時間より30分も早く着いてしまったから無駄に周辺を歩く。御社を選んだ志望動機、自分の強みは?私はどんなことでこのホテルの役に立てる?とにかくイメトレ。

セリフを丸暗記するのは得意じゃない。しかも一字一句覚えたところで棒読みになりそうだから、志望動機と自分の強みと弱みさえしっかり持っていればあとはどんな質問が来ても話を繋げられると思った。

でもね正直いうと私の中の一番の理由はお金かな。あとネームバリュー、大手ホテルグループだから。大手だから普通に学ぶことは多いと思うけどね。

だってこの前まで生活費ギリギリのお給料で思うようなやりがいもなく、いつか絶対便利な機械やAIが出てきたら取って変わられそうなパート仕事をしてきたから。


ホテルには5分前に到着してフロントに声をかけた。時間までロビーで待ちながらインテリアをしげしげ眺めてたけど何が飾ってあったかほとんど覚えてない。やっぱりどこか緊張しているのかもしれない。

時間になって出てきた担当者のおじさん2人は40〜50代くらい(たぶん)。笑顔でお待たせしましたとのことでとても愛想がいい。事業所からの女性も加わって3対1の面接。バイトじゃないからこんな感じか。

さあそれでは面接スタート。

聞かれたことで覚えているのはこんなところ。

女性からは事務的な質問をいくつかされた。

・なぜこのホテルを選んだのか
・夜勤の勤務がありますけど大丈夫ですか
・ご家族の構成は(たぶん夜勤やシフトで不規則になることを考えてだろう)
・英語は話せますか

志望動機を聞かれたのは当然だろう。イメトレした通りに答えた。噛み噛みで。

英語については仕事上で使うパターン化した言葉くらいなら話せるけど、ネイティブほどの語学力は正直無い。海外旅行に一人で行っていたけど、だいたいのニュアンスで会話していたし半分はわからないまま話していることもあった。

だけど「話せない」とは言えないから、「留学経験もなく少し自信がないところはありますが、海外のお客様に接すること自体は全く問題なくできます」というようなことを伝えた。

おじさんからは質問というかホテルの現状と、なぜかおじさんの思いを聞く形になった。

・このホテルのフロントの平均年齢は24歳
・みんな言うこと聞かなくて困ってる
・あなたの履歴書を見てもわかるけど経験は充分おありでしょう
・こういった経験者が来てまとめてくれる人が今このホテルには必要な時期かもしれない
・ホテルはできて3年くらい
・だから、変化や今までとは違う風を取り込む必要がある時期なのかも
・もし一緒に働くことになったら当然長く勤めてもらいたい

フロントの平均年齢24歳は衝撃だったけど、まあそりゃそうでしょうとも思う。そのホテルの顔だし、逆に私くらいの年齢になったらスタッフたちの指導者やマネジメントをしないといけないくらいの立場だ。

年齢に対しての立場は分かっていても、転勤のたびに知らない土地で、毎回違う場所で一から仕事を探していたらキャリアもリセットされてしまうのよ、これ実際。

転勤妻だって、長く働ける機会がないから仕事を転々としているだけで、やる気や能力がある人たくさんいるんだから。

だから「経験者が入ってまとめあげる立場の人が必要」だと言ってくれたのは嬉しかった。

もし採用されることがあったら若いスタッフ達よりこのおじさんと話が合いそうだ。仕事の帰りに居酒屋で「最近の若い子たちの会話にはついていけませんな〜」とかやってるかも知れない。

「質問はありますか、ざっくばらんに何でもどうぞ」と仰ってくれたので、夜勤が月にどの程度あるのか聞いた。夜勤自体はホテルという職場柄しょうがないことだし月に数回なら問題ないと思っていた。

しかし聞いてみれば月のほとんどが夜勤っぽいことがわかった。夜勤1回で2日分とするらしいが、普通の日勤は月に4日程度らしい。おっとこれは想像より多いな。ホテルに応募したことをちょっと後悔し始めた。


こんな感じで30分ほどで面接は終了。

ちなみに、最後まで転勤族であることを言えなかった

転勤族だということは、言った方がいいのか言わなくてもいいのか最後まで迷った。どこかに転勤の文字があったとすれば履歴書の志望動機の欄に『前職は夫の転勤に伴い退社』と記載しただけ。

・言わないと騙したことになるのか
・言ったら採用されないのか
・言わずに採用されても、数年で辞めてしまう社員も一般的にいるのではないか

そんな思いが頭の中を回っていたけど、結局伝えなかった。


今後の流れとしては、他にも応募者がいるらしくその方々を面接してから結果をお知らせしますとのこと。もし面接が通ったら、正社員の採用なので今日の面接は1次面接ということで次は2次面接で支配人との面接になるようだ。

正社員の仕事がしたいと思って応募してみたけど、年齢層が明らかに違うことと夜勤が思ったより多いことを知って、なんだか気持ちが萎えてきてしまった。

なんなら不採用になって、どこか派遣で週5勤務の仕事でもいいかななんて思えてきた。

ホテルの正社員にしても、サポートに徹する派遣社員にしてもやりがいや働きやすさは実際に入ってみないとわからないし、とりあえず結果の連絡を待つことにしよう。



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