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73年目のとうこう・あい

はじめに

 初めまして。1948年に出版広告代理店として創業した、株式会社とうこう・あいです。2021年4月10日に創業73年目を迎えます。

 周知のとおり、1996年をピークに出版販売額は減少しています。2020年は巣ごもり需要などのおかげで前年比増でしたが、それでもピーク時の6割です。(※紙と電子を合わせた出版市場規模:1996年2兆6,563億円→2020年1兆6,168億円)


 出版関連業の当社としても厳しいこの状況を、何とか打破しようと2000年頃から新しい取り組みを行っています。その試みを広く知っていただくため、noteを始めてみることにしました。
 まず初回は広報のトクナガから、会社紹介をさせてください!今後はプロジェクトの裏側など現場社員の声も発信していければと思っています。

伝統と革新

 東京商工リサーチによると、2020年に倒産した企業の平均寿命は23.3年(*1)です。それに比べると70年超の当社は、比較的長寿命の「老舗」と言ってもよいでしょう。


 ただし、創業時の事業をそのまま続けていることは少ないようです。2015年の帝国データバンクの調査では、47.7%の企業が創業以来「本業」が変化したと回答しています。今後10年で「本業」が変わる可能性があると答えた企業は47.8%でした(*2)。


 とうこう・あい設立当時からの事業【新聞に掲載する出版物の広告】は、今でも会社の収益の柱として健在ですが、デジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれる昨今においては特に、さらに守備範囲を広げていきたい/広げていくべきだと思うのです。


 代表の鐘ケ江弘章は、ITコンサルタント経験を経て、2006年には出版ITベンチャー・フライングライン(FL)を設立、2018年にFLをデジタル部門として吸収する形でとうこう・あいの社長に就任しました。老舗の強みとベンチャーの強みをハイブリッドで持ち合わせ、「伝統と革新」を両輪に事業を推進していきたいと考えています。

広告×出版×技術

 2000年代からIT部門を強化し、創業70年目からは事業領域を「広告×出版×技術」に広げてきました。アンゾフのマトリクスをもとに、当社事業を整理してみました。各事業とも広告/出版/技術を組み合わせながら展開しています。

note事業マトリクス

 広告も出版も、ともに「情報」を扱う産業です。双方にIT(情報技術)の革新が押し寄せることで、産業構造をも大きく変革する可能性があるのです。


出版の多様性・豊かさ

 70年以上のお取引の中で、様々な出版物・コンテンツを扱ってきました。(とうこう・あいが手掛けた新聞広告については、『老舗の流儀―戦後六十年あの本の新聞広告』でご覧いただけます。全文無料)


 学術的な専門書から、ミステリー小説やコミックといったエンターテイメントの本まで、出版の世界は多種多様。私自身、世の中はこんなに豊かな知識や娯楽で溢れているのか!という驚きと喜びが日々尽きません。


 編集方針を貫き、良質なコンテンツを生み出し続けることに共感を覚えるコアなファン・愛読者は全国に多くいます。さらに電子コンテンツと自動翻訳技術が組み合わされば、国境を越えてシェアされる可能性もあります。

業界改革の必要性

 しかし多品種少量の出版活動をビジネスとして維持するのは、楽なことではありません。リソース不足でデジタル化が難しい中小出版社も多いのです。業界全体としても、アナログな仕組みが根強く残っています。


 例えば書店が出版社に注文するときは、電話かFAXが大半です。取引条件は出版社ごとに異なるので、都度確認が必要です。大手出版社や大手取次は自前のシステムを持っていますが、中小出版社・個人書店が手軽に使える仕組みは遅れています。

 とうこう・あいは2020年から、出版社と書店のオンライン注文システム「BookCellar」を提供しています(ワインセラーにちなむ。ワイン=出番を待つ書籍、ソムリエ=書店員のイメージ)。


 2021年4月13日(火)14時から、誰でも無料で視聴できるオンライントークイベントを行います。「出版営業のDX:進化するオンライン発注システムーBookCellarに見る書店での活用事例ー
お申込みはこちらから。

73年目の抱負

 老舗とうこう・あいとしては、出版広告を「新聞やWebなど多様な手段を組み合わせることで、出版社の本の情報を、広くかつ的確に書店と読者・消費者に伝えること」と再定義し、業界改革をリードする存在でありたいと自負しています。

 また、各専門出版社との繋がりや「編集力」を強みとした、プロモーションの新たな切り口・新たな文脈創造の企画・提案も強化していきます。


これからもご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

#会社紹介 #社員紹介 #出版 #広告

*1 https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210203_01.html
*2 https://www.tdb-di.com/2019/12/sp20150714.pdf

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