見出し画像

カナダ、なんちゃってワーホリ~2022年を年末から振り返る~Vol.1

人生、何が起こるかわからないものである。

先日、うちの父がコロナ陽性と判明した。
年末年始の仕事に加え、趣味の予定でいっぱいだった彼の頭のなかのスケジュール帳が一瞬にしておじゃんとなった。
隔離された空間でひとり布団にくるまる背中が寂しくみえた。
煙草のせいか、痰がのどに絡みつく回数がコロナに罹っていっそう増えたようだ。辛そうだが、まあこれは自業自得としか言いようがない。
ほんと、煙草の吸いすぎはダメだなぁ。

「まったく、これを機として煙草をサッパリやめてくれると御の字なんやけどねぇ。」「なんといっても健康第一やしね。」夜、そんな話をしながら、某有名店で買うてきたアツアツの豚まんを母らとハフハフ食べる。その間もきっと父は私たちの話に聞き耳を立てているに違いない。
だからと言って、すぐに改心するような父ではないことはわかりきっている。ただただ喫煙数が減ることを祈るばかりだ。
 
かく言うわたし、今年一度コロナに罹ったことがある。カナダ、バンクーバーでのことだった。
高熱と気だるさ、繰り返す咳に苦しむなか感じた健康のありがたみ。そしてまた健常者への妬みも感じざるを得なかった。
自分はどこにも出かけられないし、禁じられているという現実を受け入れるほかなく、時間の流れの遅さに退屈を覚える日々が続いた。