FDAのOrange Book(オレンジブック)に不適切に収載された100件以上の特許、製薬企業10社にFTCが警告
2023年11月7日、米国連邦取引委員会(FTC)は、喘息用吸入薬、エピネフリン自動注射器、およびその他の医薬品について製薬企業が保有する100件以上の特許が、米国食品医薬品局(FDA)が発行する「Orange Book」に不適切または不正確に収載されているとして、製薬企業10社に対して異議を唱える通知をしたことを発表しました。
Orange Bookへの特許の収載について、適用されるFDAの規制と矛盾しないかどうかが争われた場合、FDAは新薬承認申請(NDA)ホルダー(先発医薬品企業)にその旨を通知し、NDAホルダーは、30日以内に、このような収載を撤回もしくは修正するか、または偽証罪に問われることを覚悟の上で、収載が適用される法定・規制要件に準拠していることを証明しなければなりません。
FTCは、FDAに対し、これらの特許に関する収載情報の正確性や関連性に異議があることを既に通知しているとのことで、通知を受けた製薬企業は、対応を迫られています。
Orange Bookに収載された特許情報の精査は今に始まったことではありませんが、FTCが独自にOrange Bookに収載された特許情報に異議を唱えたことは過去になく、今回のFTCの動きは、Orange Bookに収載された不適切または不正確な特許情報に対する批判を再燃させたといえます。
このFTCの大胆とも思える一手は、FTC、FDA、そして米国特許商標庁(USPTO)の連携を強化するとともに、医薬品の競争を促進する点において新たな意義を持つことになるでしょう。
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