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同性カップルを数えることで全ての人が幸せな社会への前進を目指す「レインボー国勢調査プロジェクト」

 すでに、インターネットでも回答受付が始まっている、5年に一度実施される国勢調査。今年は、開催から100年目の節目を迎えます。

 国勢調査は、すべての人と世帯が対象となりますが、国勢調査に正しくカウント集計されない方たちがいます。

 一般社団法人「Marriage For All Japan —結婚の自由をすべての人に」(以下、MFAJ)と共同発起団体9団体は、10月1日から本格始動となる国勢調査に先駆けて、オンラインイベント「国立市長、葉山町長といっしょに考える みんなのためのレインボー国勢調査オンライン懇談会」を9月30日(水)18時からオンラインにて開催いたしました。

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10月1日「国勢調査」本格スタート「国立市長、葉山町長といっしょに考える みんなのためのレインボー国勢調査オンライン懇談会」開催、レポート報告(PR TIMES)


2020年の国勢調査における同性カップルの集計を巡る動向

 国勢調査データは、人口、世帯、住宅、就労状況等、人々の暮らしぶりの基礎となる情報で、政策決定の基礎情報として使用されるのはもちろん、民間企業のマーケティング調査の基礎情報や学術研究、選挙区別国会議員定数算定にも使用されます。このような重要な情報において、1920年以来、法律上の夫婦ではない内縁・事実婚の男女カップルは婚姻として回答し合算されている一方で、同性カップルの情報は未公開にされている状況は、国勢調査が大切にしている「データによる正確な状況の把握」という姿勢にも反しており、それは当事者が不利益を被るに留まらず、日本全体としての問題だと私たちは考えております。その状況を改善するため、今年100周年を迎える国勢調査を前に、8月20日に超党派議連「LGBTに関する課題を考える議員連盟」馳浩会長に、8月25日に総務大臣高市早苗氏、総務大臣政務官斎藤洋明氏宛に、国勢調査において同性カップルの集計・発表を求める内容を記した要望書を提出するなど活動を続けてきました。



【抜粋コメント】

▼奈良女子大学副学長 三成 美保さんのコメント

「同性カップルやトランスジェンダーの方々の公的調査は日本では存在しません。政策に反映させると考えた時には国勢調査は公的調査が不可欠で国勢調査が最も重要な役割を果たします。データがなければ国や地方自治体の政策に反映させること、国民や市民を納得、説得させることが難しいため、政策が後回しになってしまいます。国勢調査は人権保障の要です。基礎データとして国勢調査が大切で同性カップルを集計することが大切です」


▼葉山町長 山梨 崇仁さんのコメント

「行政として、公的統計があることで合理的な意思決定を行えるので国勢調査は大切だと思います。一方、『住みやすさ』を自治体に求めたとき、それは(統計上の)数字でかえられることではなく、ダイバーシティの観点から誰もが住みやすい町と考えた時に、パートナーシップ証明を発行するのは、当然の自治体の仕事だと考えています。パートナーシップ証明があることで、病院に行く際や不動産を借りる際、残念ながらお亡くなりになられた際などに一緒に居合わせることができる、それを自治体として後押しすることで、安心して暮らしていけるかと思います。現在、近隣3市1町と相互利用可能なパートナーシップ宣誓制度を導入していますが、皆さんと一緒にパートナーシップ制度を認める地域を作っていきたいと思います」


▼国立市長 永見 理夫さんのコメント

「国立市は、LGBT施策に様々なことを積極的に取り組んできました。女性と男性、多様な性の平等参画を推進する条例も作りました。この中で性的指向、性自認は個人の権利なので、アウティングは禁止するとしましたが、これは市内で痛ましい事故がアウティングによって起きたことを背景に、市民の声から条例を作りました。また、最近では9月15日に国勢調査における意見書(「国勢調査における同居同性カップル数集計公表に関する意見書」)が全会一致で議決をされ、国へ提出しました。12月の定例会では、事実婚を含めたパートナーシップ条例を加える予定です。今回のプロジェクトに賛同したのは、国勢調査の在り方を問う場に参加させていただきたかったという想いがありました」
9月30日実施オンラインイベント「国立市長、葉山町長といっしょに考える みんなのためのレインボー国勢調査オンライン懇談会」概要・登壇者


【概要】
▼プロジェクト概要説明
 -池田宏 共同発起団体 同性パートナーシップ・ネット共同代表

学術界から見た「レインボー国勢調査」
 -三成 美保 奈良女子大学副学長、 日本学術会議 社会と教育におけるLGBTIの権利保障分科会委員長

パートナーシップ制度導入自治体から見た「レインボー国勢調査」
 -永見理夫 国立市長
 -山梨崇仁 葉山町長

・司会進行:Marriage For All Japan 時枝穂


【映像アーカイブURLはこちら】
https://youtu.be/Hw-ocm1riNQ


LGBTに関する活動を中心に行なっています。ぜひ一人でも多くの方に関心を持っていただけたら幸いです。サポートはすべて活動資金に使わせていただきます。