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できない、がうれしいとき

 先週末、歌の発表会がありました。
7歳の娘、チビコと同じ音楽教室で習っているので、発表会はふたり、同じ日。
しおりには、母娘の名前が並びます。
もう一度、子供体験をさせてもらっているようで、得したような、照れくさいような、面白いような。

 今回は「夢をかなえてドラえもん」を歌いました。
よくお風呂で気持ちよく歌っているので、これならみんなに楽しく聴いてもらえるかしら、と思って。
「タケコプター!どこでもドアー!」というコーラスのところは、チビコに入ってもらうことにしました。

 すると練習中、自然に、サビのところはチビコも一緒に歌うようになり。
私の声は彼女のように芯がないので、本番、チビコの歌声が会場に響き、私は口パク状態になってしまったのです(笑)。

 夫にも「とっこだけ何メートルも後から歌ってるみたいやった」と言われ、がーん、となりました。
チビコが歌を習い始めたのは数ヶ月前、私はこれでも、1年以上やっているんです。
芯のある声って、訓練しなくても持って生まれた人がいるんだ、と知り。

 チビコすごーい、可愛い、すてき、と思う親心も少しありつつ、
つまんねーの、ふん、私もうやーめた、と、その夜は、ふてくされました。

 でも次の日の朝、早起きしてお散歩していると、何だか「こどもとっこ」みたいなツルンとしたきもちが生まれていて。

こうなりたい、という目標と、努力できる環境と、伸びしろしかない、わたし。きらーん。✨
月に2回、レッスンがあって、年に2回、発表会があって。きらーん✨

今、やーめた、とふてくされたら、このお話はこれでおしまい、だけど
もし10年続けたら、今よりはうまくなるに、決まってる。
20年続けたら、30年続けたら、声に芯のあるおばあさん、になるのかもしれない。
わくわく。どきどき。✨

 できない、ってことは、努力できる、ってこと。
これから良くなる、未来があるってこと。
なんか、うれしい。

 正しく計算すること、決まった通りに動くこと、物の管理……私にはできないことが山ほどあるけど、できなくて悔しい、情けない、申し訳ないことばかり。

だから、できなくてうれしい、なんて、そんな時もあるんだなぁと不思議に思った、日曜の朝でした。

 画像は、初めて作ってみた、お花のリースです。
紫の花が、母に似て見えたので、母の日にプレゼントしたもの。

母のイメージで他にもいくつか花を選び、バランス良く挿していけば、きっと簡単にできるわ、と思っていたら、思い通りにはいかなくて。
何時間もかけた結果、何とか挿したものの、ホロホロと崩れてくる、全体的に尖った感じのリースになりました。まぁるい可愛い形に、仕上げる予定だったのに。

 そう言えばこの時も「あ~! できない!」とイライラすることはなく、「あれぇ~できない……」と、じわじわ喜びが湧いてきたように思います。

 あの時もきっと、じゃあ練習で自分用にも作ってみよう、こどもたちと一緒にやろうかな、なんて、練習できる未来に対して、喜びを感じたから。

何だろう、これは……年を重ねて、喜びの種類が、増えてきたのかしら。
層が、厚くなってきたのかしら。
良いことに気付いたな、と思ったので、書き残しておきます。






2020年6月16日、初めてサポートを頂きました!ふるふると感動しています! サポートを頂いたら、大切に貯めて、いつか一冊の本にしたい、と思っておりましたが、 ①10%を、地球と子供のために寄付する ②10%を、note内の他の方の記事購入に充てる 残りを貯めていく、とします!