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さくらんぼのジャム

 6月中旬から下旬にかけて、さくらんぼの収穫時期を迎える。

 お店に並ぶのは、傷のないまだ少し硬い状態のものだが、私が欲しいのはそれではない。

 農家さんに出向いて、加工用やジャム用の実を購入してくる。傷があっても少し柔らかくなっていても、加工には問題がない。

 常温で置いたら3日目にはカビが出るくらい足の速い果物だ。可能な限り、収穫した当日のうちにタネを抜いて加熱までを済ませてしまう。

 砂糖とレモンで、一般的なジャムの作り方で大丈夫。果汁が紅茶色に煮詰まってツヤツヤになったジャムは、生の果実とは別の美味しさがある。

 市販のものを試したこともあるが、サラッとした状態でペクチンで固めたような作りのものが多い。アッサリとしていて、ヨーグルトなどに合いそうだと思う。

 自家製のものは、砂糖の照りが感じられるくらいまで煮詰める。濃いシロップに粒が残るように煮たジャムは、バタートーストにこんもりと乗せて食べるのが美味しい。

 バターで油分と軽い塩気を加えて、シンプルなバゲットや食パンで、シロップが滴らないように気をつけながらジャムを主役に食べる。手間をかけてでも作りたい季節の味だ。

#イチオシのおいしい一品

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