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サーフィンが好きだ。

サーフィンが好きだ。
どれぐらい好きかというと、毎日海に入るほどではないけど、
昼夜問ず世界中のサーフスポットに思いを巡らせているぐらいは、好きだ。
つまり、そこそこ好きだ。

バッドコンディションでの初サーフィン

わたしがサーフィンと出会ったのは、もうかれこれ5年前のことになる。
2017年10月、もうすぐで27歳になる頃だった。
大阪での仕事が3年目になり、まわりのすべてのことに慣れてきた頃。
思い返せば、お金もエネルギーも時間もある程度所持していて、
なんか新しいことやりたいな〜と思っている時期だった気がする。
そんなとき、大学院時代に講師としてお世話になっていたイケオジが
和歌山は磯ノ浦へ連れていってくれた。
西日本在住のサーファーなら誰しもが知っている、
関西人御用達の激混みスポットである。

秋から冬にかけて日に日に気温が落ちていく中、
台風が通過する前か、通過後か。
正真正銘の初心者がサーフィンを始めるには、
割とハードなコンディションだったと思う。
実際、雨もかなり降っていたし、体感的にはめちゃくちゃ寒かった。

そんな悪天候の中、出会ってしまったのだ。
サーフィンに。一生ものの、運命の出会いだった。
と、今になれば思う。
そのときのわたしといえば、なんとか必死に板に乗り、
もちろんテイクオフ(板の上に立つこと)なんて程遠く、
ただ、1日夢中になって遊んだので、
「疲れたけど楽しかった」という小学生のような感想だけを抱いていた。

シーズン的にはオフシーズンに入る時期だったこともあって、
2017年のわたしのサーフィンはここで終わる。
そこから次にサーフィンをするまで半年以上ブランクがあったのだが、
「疲れたけど楽しかった」という漠然とした思いが
ろうそくの火のように、ゆらゆらとわたしの中で灯っていた。

超メジャースポット 湘南でのサーフィンスタート

翌年2018年、東京に転勤となり、
大阪時代とは打って変わって、激務の日々になった。
特にオンシーズンのGW明けから9月頃まで残業休日出勤のオンパレード。
職場の人間関係もなんだか殺伐としていて、
関東には友人も少なく、時間があっても飲みに行く相手もおらず、
休みの日ぐらい、いつもの生活を忘れたいと思っていた。
なので、労働環境最悪のその頃のわたしが、
サーフィンに逃げたのは必然だったように思える。

ふと思い立って、「湘南 サーフィン スクール 女子」と検索した。
最後に「女子」と付け足したのは、
その頃はまだ、体のラインが見えすぎるほど見えるウェットスーツに抵抗があったからだ。
(ダイビングのライセンスを持っていたのに、何を今更、とも思ったが
 海中で着るのと、陸上で着るのはまた違う話だと思う。)
さすが湘南、いくらでもサーフスクールはあるし、
女性専用のスクールなんてのも存在した。

その中で、なんか雰囲気良さそうなところに予約を入れた。
自慢じゃないが、こういうのを感知する能力は割と高い方で、
あまり外れたことがない。
このときも同様、なんかいい雰囲気のインストラクターと
なんかいい雰囲気の受講者とレッスンができた。
あと、やっぱり湘南も、なんかいい雰囲気だった。
いや、なんかいいどころではなく、めちゃくちゃよかった。
すぐに、湘南でのサーフィンにハマった。

出勤しなくていい週末があれば、スクールの予約をとった。
その頃墨田区に住んでいたわたしは、ほぼ始発の電車に乗って
朝8時スタートのレッスンに通っていた。
前日遅くまで仕事をした日は、早起きが苦痛ではあったけど
水着の上に服を着て、ノーメイクで日焼け止めだけ塗って
まだ涼しい時間帯に電車に乗る、という休日のスタートは
自己肯定感が爆上がりした。
午前中、何もかも忘れて波に乗った。
というより、波に乗ること以外考えられなかった。
少し気を抜けば、海中に沈んでいってしまいそうなスリルもあったし
とにかく、次の波はいける!という思いで
わたしの小さな頭はキャパオーバーだった。

レッスンが終わったあと、濡れた髪をまとめて
湘南のタイ料理屋さんに入ったことがある。
暑いし、疲れてるし、我慢できず昼間から女ひとりでビールを飲んだ。
最高だった。
それ以来、終わった後の疲労感やアルコールも含めて
わたしの中のサーフィンになった。

すぐにやってくるブランクと、拍車をかけるコロナ禍

ただ、わたしのサーフィンライフは一度ここで途切れる。
東京で、ワークの比重が大きくなりすぎたのがきっかけで
働くってなんやろう?と思い始めたわたしは、
かねてよりmy want listのトップに君臨していたことを実行すること決めた。
「海外に住んで働くこと」
情報も多く、大学時代に短期留学していたこともあって、
迷わず行き先はカナダのトロントだった。
数年経ったいま思えば、サーフィン好きでワーホリ行くなら
ニュージーランドかオーストラリアちゃう?と思うが、
そのときのわたしは、なんとなくカナダ、だった。
フィリピンでの語学留学を経てカナダに渡り、
軌道に乗ってきた頃にコロナを世界が襲った。
(泣く泣く帰国することとなるが、それはまた別の記事にする。)
とりあえず無職で実家(愛媛県)に戻り、
世界情勢が落ち着いたらまた海外に行こうと地元で働いた。
県を跨いでの移動も憚られる中、
カナダ渡航した2019年〜2020年は一度も海に入ることはなかった。

久しぶりに海に戻ったのは2021年の3月。
少しずつ、コロナの陽性者数が落ち着いた期間は
近県の行き来が緩和されてきた頃だった。
高知県は土佐清水市。
大岐の浜という人の少ない、めちゃくちゃ綺麗なビーチを知った。
そこでレッスンをしている、めちゃくちゃ穏やかなコーチにも出会った。
ブランク明けからの、サーフィンライフ第2章のスタートである。
コロナの情勢を見極めながら、
行けるときは毎週末のようにそのビーチへ通った。
始めてマイボードを購入し、オーダーでセミドライスーツもつくった。
少しずつ、サーフィンが自分の「趣味」として定着することが楽しかった。

そして、これからー

そんな生活が約1年半続き、2022年11月。
わたしの人生に、また新しいページが加わることになった。
マレーシアへの転職である。

サーフスポットが点在する東南アジア。
インドネシアのバリ島、フィリピンのシャルガオ島、
少し足を伸ばせばスリランカもある。
わたしのサーフィンライフが世界へ繋がっていくのか。
わたし自身もまだわからないけれど、
常夏の国々、気持ちが昂らずにはいられない。

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