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精神科で処方される薬の種類と特徴を知る

精神科で処方される薬は総称して向精神薬と呼ばれている。 写真のように9種類ある。

●抗不安薬
●睡眠薬
●抗うつ薬
●抗精神病薬
●抗てんかん薬
●抗パーキンソン薬
●気分安定薬
●中枢神経刺激薬
●認知症薬
“向精神薬”と“抗精神病薬”は一文字違いなので混同している人も多いかもしれないけれど、抗精神病薬のほうは幻覚や妄想などの精神症状に作用するといわれ統合失調症や双極性障害に使われる薬だ。

薬の名前や分量や比較的軽い副作用などは、お薬手帳や薬局からもらう情報提供書に確かに書いてあるのだけれど。本当の全情報は薬の添付文書を読まないとわからない。添付文書はネット上で簡単に見られるので服薬前にチェックしておくと良いだろう。
添付文書は細かい字であらゆる副作用が掲載されているので
ちょっと怖くなるかもしれないが・・・。

精神科の薬をかなり多剤服用している方でも案外自分の薬の全体的な状況を把握していない人が多い。

これは、初診で飲み始めた時点で医師に、服薬計画や副作用をきちんと説明されていないことが一番の原因だ。そして一回服薬してしまうとある程度ぼーっとし、診察室で少し不調を訴えるごとに薬が増え、さらに判断力が落ちてしまう。

気がついた時は一包化された袋に色とりどりのなんだかわからない薬をガバッと口に運ぶことが習慣となっている人が多い。例えば下の写真は双極性障害性の方が夕食後に飲む一回分の薬!

調べてみると同じ種類の薬が複数出ていたり、気持ちをアップする薬と下げる薬が両方出ていたり。下剤が複数出ていたり。手のひらに乗らないほどの薬をお腹いっぱいになるほど飲んでいる人も珍しくはない。

日本の薬局はとっても親切で、医師の処方をきれいに一包化してくれるんだけど、これによって一つひとつの薬とその作用や飲み心地を観察し、効果を判断しようとすることは全然できなくなってしまう。ちなみに取材したイタリアでは患者さんは向精神薬を添付文書つきの箱入りで処方されているのをみた。

向精神薬を長くたくさん服薬してきたという方が、副作用の辛さなどを理由に減薬の必要性を意識した時、例えば10年服薬後に初めて、本気でこの薬は何の薬?と調べ出すことも少なくないようだ。
向精神薬について解説した本も結構たくさんあるけれどおう、私がお勧めなのはこの『同効薬比較ガイド1』効能・効果、用法用量、換算、作用の特性、禁忌、重大な副作用、薬物動体という体内での代謝など特徴が一覧表になっているので、自分の薬が他の薬と比較してどういう特徴があるのか調べやすい。


もう一冊は毎年出版されているガイドブックで、1つの薬について1人の医師が見開きでたっぷり紹介しているのでわかりやすい。

まあどちらの本も効果に着目していて、減薬や離脱症状の記載は少ないけれど。

このように本を読んで調べたり、ネットで調べれば色々な情報は得られる。
しかしネットの情報は、製薬会社が薬のメリットの方に誘導するようにしているようなので、調べる時は薬名の前後に、減薬とか離脱症状 副作用と言った文字を入れて検索した方がいいだろう。
薬名プラス添付文書でも情報が得られる。

それにしても初診の時に「脳に作用する薬ですよ。副作用もあるかもしれません。性格や行動にも影響が出ますよ。依存性もありますよ」ということを医師が患者さんに説明してくれたらこんなことにはならないのに!と思う。

苦しいとか不安とか眠れないとかを理由に受診しているわけだから、医師に「とりあえずこのお薬を飲んでみてください」とだけ言われたら患者はそうするよね。

そうそう、先日、自分の講演の時に、「医師から処方されてもその薬が納得いかず服薬したくない薬なら、薬局に行かなくたっていいし、入手した薬を飲まなくなっていい」と発言したら、製薬会社の人からそんなこと勝手にしちゃダメと批判された。

でも健康保険制度で、3割とか1割とかしか負担しないにしても、薬は自分の財布からお金を出して買う買い物には違いないのだから、医師の処方でも本当に必要かどうかは自分で判断しても買いに行かなくてもいいんじゃないだろうか?

ちなみに私は先日整形外科で骨粗鬆症の薬を処方されたけど、薬局には行かず家に戻って色々調べた。その結果、飲まないと決めた。自己責任でそう決めた。

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