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犬はワンちゃんだからね
僕の住んでいるところはある程度都会で田舎から出てきた時は高いビル群をよく見上げてたものだ。
こんなに細高い建物に蟻の数ほどの人がせっせと移動してるのかと考えると人も蟻も考えることは一緒だなと意味のわからない思考へとダイブする。
最近はビルを見上げることが少なくなり、たまに我に帰り「お前故郷忘れてねぇか?根は田舎者のくせに都会人気取ってねーか?」ともう一人の自分が囁いてくるので作業的に見上げたりしたりもする。
そんな場所で生活していると何で稼いでいるのか不詳のぴちぴちのズボンを履いて目深にブランド物の帽子を被った女性が犬を散歩してるのをよくみる。
その犬はというと若干ではあるが顎が自慢げに上を向いており、スンとした表情をしている。
僕の地元にいる犬たちとは歩き方や表情に至るまで全く違っている。
地元の犬はどこか目にストリート味を感じ、犬であることを忘れてはいないだろう。
しかしどうだ、都会の犬と言ったら自分が犬であることを完全に忘れているようである。
そういった犬と出会うたびに目の前でアニメに出てくるような肉をぶら下げて野生を思い出させてやりたいと思う。
そんなことを思う毎日で気づいたことがある。
都会の犬たちは服を着ているのだ。しかもいいやつ。
すれ違うたびに服を見ると、シャ⚪︎ル、プ⚪︎ダのようなブランドものなのだ。
対照的に僕はというと、Tadashi Yanaiだ。
Tadashi Yanaiとは端的にいうとユニクロの会長の名である。こういうと勝手に高級服だと思ってくれるから友達に聞かれるとたまに使っている。
そんな僕を横目に今日も犬たちはスンとした表情で颯爽と歩いていく。
いつかは稼いで一度は高級服を纏ってみたいものである。
そうすればいつかの犬のようにスンとした表情で街を闊歩できるのだろうかと横断歩道が赤の間考えていた。
またもう一人の自分がつぶやく
「上を見ろよ」
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