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網走3日目②:深淵をのぞく時深淵もまた……のそれ。

網走旅行の記録は本稿で最後。最後に、最終目的地の網走監獄から女満別空港への道のりを書き残しておきたい。 朝からバスを乗り逃した私はすっかり疑心暗鬼になって、無事に空港まで行けるか、心許ない気持ちでいた。 さっぽろ雪まつりへ訪れた際も、そういえば無事予定どおりに帰れるのかと不安な帰路だった。 雪まつりは2月。その週は大雪の影響で新千歳空港発から欠航した便も多く、道路が通行止めになって空港連絡バスの運行も不安定だった。しかもその日は東京も珍しく積雪して都内の交通機関が麻痺。

    • 網走3日目①: 現地で目視することが大事、なにごとも

      最終日の朝9時27分。私は網走バスターミナルの中で呆然と立ち尽くしていた。 宿のチェックアウトも済ませて持ってきたバックパックが余計に重くなるのを感じた。 荷物を預けてしまって空港に向かう前に戻ってくるかどうかは、宿を出る直前まで悩んだ。普段の旅ではそうする事が多い。 でも今回の場合、宿やバスターミナルがある市街地よりも最終日の目的地である網走監獄・北方民族博物館がある天都山エリアの方が女満別空港に近い。動線からして市街地へ戻るのはタイムロスだった。復路は19時台の便だった

      • 網走2日目②: 朝ドラ、ほぼ観ないくせに主題歌は全部好き

        能取岬を出たあとは、またしばらく通行人や自転車はおろか車も滅多と通らない道を走る。 久石譲シャッフル再生の仕切り直しだ。 久石譲といえば、数多くの映画音楽やクラシック音楽等を世に送り出してきた日本を代表する作曲家だ。そして多くの日本人にとって恐らくそうであるように、私にとっても宮崎駿監督作品のイメージが強い。 好きな宮崎駿監督作品は何かと問われると、2001年発売のベストアルバム通称「肉と骨」と出会って以来心酔し続けているロックバンドMr.Childrenの中でどの曲が好

        • 網走2日目①:オホーツク海と太平洋の向こうから赤いオウム

          宿を予約する時、何よりもまずアクセスの良さを重視する。車なし人なので主要駅前やバスターミナルから近ければ近いほど望ましい。宿を起点にすることでチェックアウト後も帰路に着くまで荷物を預かって貰う事もできる。 次に大浴場付きを選ぶ。露天があれば尚良い。旅の何がどうだからということではなく、普段の週末も隙あらばスーパー銭湯へ行きたいし、その延長として旅の宿は貴重な大浴場チャンスでもある。ただし「せっかくだから朝風呂にも入るぞ」と毎度意気込んで就寝するも、朝になって九分九厘睡眠を優

        網走3日目②:深淵をのぞく時深淵もまた……のそれ。

          網走1日目:ご当地限定ソフトクリームは絶対に食べる

          近頃仕事が忙しかったせいでよく調べて来ませんでした。というのは言い訳で、美味しそうな物だとか泊まる宿の設備だとかについては通勤電車の中で調べて無邪気にニヤついていた。 ガイドブックを買おうにも北海道は広い。とても広い。北海道はでっかいどーだとか洒落を言っている場合ではない程の広大さで、網走を含む情報を得るにはその周辺地域の知床や阿寒湖エリアを中心にして買う必要があった。実際観光資源は一冊にまとめるほど多彩ではなく「網走 観光」を画像検索してみると流氷と網走監獄の写真が交互に

          網走1日目:ご当地限定ソフトクリームは絶対に食べる

          網走0日目:当然カニには何の罪も落ち度もない

          私はカニよりエビが好きだ。 カニクリームコロッケやズワイガニトマトクリームパスタみたいな商品が売られていたら好んで注文して食べるけれども、それでもカニかエビなら総合的にエビを選ぶ。カニは食べるのが面倒くさい。具体的にどのようにして面倒くさいかは細かく説明しなくても、自らカニを剥いて食べたことのある人なら分かってくれるはずだ。念の為茹でたカニなどを自ら剥いて食べたことの無い人がこれを読んでいる場合を想定し書いておくならば、ボイルまたはグリルされただけの調理加工されていないカニを

          網走0日目:当然カニには何の罪も落ち度もない

          旅の直前にバッグが欲しくなる病

          旅に行くその直前になって毎度バッグが欲しくなるのは何故なのだろうか。皆そうだろうか。私だけなんだろうか。 毎度欲しくなるというくらいには、私はたぶん人より旅に出ることが多いと思う。ガイドブックや旅行記を読むのも好きで、観光地などとして有名な場所や、映画や漫画のモデルとなった地域(所謂「聖地」)なんかには必ず行きたいし、思い立ったら早めに予約をしてしまってあとから体力的な限界を感じ後悔するくらいに連続して行ったりする。20代半ばの頃、本当に多い時には月に一度は必ず旅に出るとい

          旅の直前にバッグが欲しくなる病