見出し画像

「あやしい絵」展と、「おしえて北斎!」の上村松園のこと

先日、東京国立近代美術館で開催中の「あやしい絵」展に行ってきました。
展示されているのは、不敵な笑みを浮かべた女性や、どこか不穏なモチーフ、はたまた未完成のものまで、展示のタイトル通りあやしい作品ばかり…。
独特な空気に吸い込まれるように見入ってしまった一方、解説では、作家個人の思いや、当時の世相、モチーフとなった詩歌や文学も知ることが出来て興味深かったです。

もちろん関心があったから行ったわけですが、いそいそと行ってきた大きな理由が、上村松園の「焔」。そうです!(?)「おしえて北斎!」に登場したあの作品です。

松園展示

会場を見てまわって「焔」が現れた時「リアルにこのシーンじゃん!」と思ってだいぶ高まっちゃいました…。

「おしえて北斎!」の上村松園

松園デザ

↑こちらにもある通り、このキャラデザは、上村松園の代表作「焔」と「序の舞」(わからない方はググって見てください…!そのまんまなので…)を合わせたものになっています。
頭の藤と扇子の模様に「焔」のモチーフが入っているのです。
見てよ、この扇子…。蜘蛛の巣なんですよ…。

松園扇子

そして、OPにはこの二つの作品に扮したてんこりん&カノンが登場しています。

焔op

「何も出来へん時こそ、描くんどす」

全10話のうち、松園が登場した7話は、個人的に特に感情移入して作っていて、作りながら結構泣いておりました。
…というのも、私は美大を目指して美術科の高校に進学したものの、いろいろあって学校を辞めていて。なので、辞めたあとの時間と7話のカノンの心情が非常に似ているのです。
以前、このnoteに「作品を作りながら、自分が救われている」という話を書きましたが、この7話は特に、高校当時の自分や、今同じ様に塞ぎ込んでいる人を助けにいきたい…というような思いが強かったです。
カノン、幸せに羽ばたいてくれよな…。

かのんはぐ

いろんなものを見よう

というわけで、「北斎!」をきっかけに日本美術がいくらかわかるようになって、(いまさらながら!)ちょっと楽しい今日この頃…。
美術の見方についてよく「知識とかじゃなくて感覚で見れば良いんだよ」と言ってしまうんですが、やっぱり知識がいくらかあると、新しい分野でも入っていきやすくなりますね…。
これまで、基本的に西洋の絵画と、現代の日本の作家しか見てこなかったので「北斎!をやる前だったら、そこまで関心を持てていなかったかも…。
知らないことがたくさんあるっていいね。開けていない宝箱をたくさん持ってるみたいでワクワクする。

ちなみに「おしえて北斎!」の公式noteでは、本作の日本美術監修をしてくださった、東京国立博物館の松嶋雅人さんといわきり監督の対談が掲載されています。
各話の絵師について知りたい方はぜひ!

配信情報とおまけ

というわけで「おしえて北斎!」各種配信サイトにて、10分×全10話配信中です!ABEMAでは、一話のみ無料で見られますよ!

画像6

余談ですがこれはうちのクマですよ!
いつか、雷神の人形とコラボする日がきますか?え?来ないですか?そ、そうですか…。

画像7



全力でフリーペーパー発行などの活動費にさせていただきます!よろしければ、ぜひサポートをお願いします。