見出し画像

ズミクロン愛、SLとM型ボディの比較において

単焦点レンズはできるだけ小さくて、地味なものがいい。

日々持ち歩いても、見た目にも写りにも飽きがこないようなもの。いや、地味なものは飽きやすい。実際自分は50mmで撮ることに、同じレンズで日常をひたすら記録することに本当は飽きているのではないか。

ライトルームに「ズミクロン」というキーワードを入れてみる。

何万枚もの写真がフィルタリングされて表示される。

50mmに飽きながら、ズミクロンに飽きながら、なぜこの同じレンズを人生で3回も買っているのだろうか。

たぶんそのあたりに、ズミクロンの凄さが隠れている。単焦点はできるだけ小さくて、地味なものがいいという、一つの結論のようなもの。

ズミクロンは多くの人に語られてきたし、このような偏見的で偏愛的な語りはやや大袈裟かもしれない。

だから写真で思考を切断しながら、SLとMボディのズミクロン描写を考えてみたい。

Leica M10-D, Summicron 50mm ASPH.

過去にM10-Dとズミ50の組み合わせで撮影した写真を眺めてみると、最近使用しているSLとはセンサーのチューニングが全く異なることに気づく。

当たり前だがMレンズはMボディのためにあるが、SLのレンズバリエーションの高さ、互換性の高さに慣れてしまって、そのような基本を忘れてしまう。

結論を言えば、MレンズはM型で使用した方がいい。好みは分かれるが、大多数がストレートなレンズ組み合わせの写真のトーンが良いと答えるだろう。

同じように、SLではSLレンズでの写りが素晴らしい。トーンの方向性は異なるが、抜け方と色と解像度のバランスが最適化されているのがわかる。

Mにて

前半はM型での写真をあげていく。

M型描写の特徴としてよく「コッテリしている」「色乗りがフィルムライク」などと言われたりする。

ここから先は

1,687字 / 26画像
この記事のみ ¥ 300

いつも応援してくださる皆様に田中常丸は支えられています.本当にありがとうございます.