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164直木賞候補作読んでみた

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第164回直木賞候補どれ読む?

第164回直木賞候補どれ読む?

羽田椿です。

直木賞の候補作が発表になりました。
前回は受賞作が発表されてから全作を読んで、発表前の体で受賞予測をしました。
なので、今回はちゃんと発表前に読んで、自分ランキングをつけて、受賞予測したいです。

では、どれから読もうかな?というひとりごとを書いていきます。

まずは、候補一覧。

芦沢央さん『汚れた手をそこで拭かない』文藝春秋
伊与原新さん『八月の銀の雪』新潮社
坂上泉水さん『イ

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伊与原新『八月の銀の雪』感想文

伊与原新『八月の銀の雪』感想文

羽田椿です。

伊与原新さんの独立短編小説です。

中身は以下の通り。

八月の銀の雪
海へ還る日
アルノーと檸檬
玻璃を拾う
十万年の西風

まず、購入した本に帯がついていたので紹介しますね。

科学の揺るぎない真実が、人知れず傷ついた心に希望の灯りをともす全5編
耳を澄ませていよう、地球の奥底で大切な何かが静かに降り積もる音に-。

なるほど。うまくまとめたなという感じです。

けど、「科学の

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芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』感想文

芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』感想文

羽田椿です。

芦沢央さんの独立短編集。

中身は以下の五編。

ただ、運が悪かっただけ
埋め合わせ
忘却
お蔵入り
ミモザ

表題作はありません。

『汚れた手をそこで拭かない』は五作品全体を表すタイトルということですね。

確かに、どの短編の登場人物も、故意でないにせよ、みんな手を汚してるんです。で、変な拭き方をしてしまったがために追い詰められていく。

ミステリというくくりになっていますが、

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西條奈加『心淋し川』感想文

西條奈加『心淋し川』感想文

羽田椿です。

西條奈加さんの連作短編集です。

中身は以下の通り。

心淋し川
閨仏
はじめましょ
冬虫夏草
明けぬ里
灰の男

時代物で、ひとつの長屋の住人たちが一話ごとに主人公になっていきます。

人情物というのでしょうか。

あまり普段読まないジャンルです。

こういうお話が心にあまり響かない体質なので、正直よくわからないです。

多分、いいお話なんだろうと思います。

この長屋が、どうい

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