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おうちアペロが最高!

今回のテーマ: おうち居酒屋
by  萩原久代

我が家ではあまりお酒類を飲まない。夕食と一緒にワインやビールを飲むのは週に2回ほどで、外食の際に飲むのが普通だ。そんなわけで、おうちで居酒屋風に、気のきいた食事を作ってお酒を飲む習慣がない。

ただ、家でひとりで週に2~3回のアペロをして、ワインをグラス1~2杯飲む。
アペロ(apéro)とは、フランス語の食前酒(apéritif)からの派生語で、夕食前に一杯やることを指す。私がアペロという単語を知ったのはスイスのチューリッヒに住んでいた時だったが、フランスがアペロのご本家のようだ。

上の写真は、パリに滞在した時におうちアペロを用意した時のものだ。旦那はあまりお酒を飲まない人だが、こうゆう時には一緒にアペロタイムを楽しむ。フランスはパテ、チーズ、ソーセージなどが美味しいから、おつまみの素材に事欠かない。食いしん坊の私はアペロのおつまみを食べ過ぎてしまって、夕食前に満腹にならぬよう気をつけねばならない。しかし、パリのカフェでアペロをしている人のおつまみといえば、ピーナッツやオリーブ、またはチップスだけと、かなりシンプルに楽しんでいる。

フランスは夕食が8時~9時すぎから遅く開始するから、アペロで友人らと一杯やってから夕食に流れるパターンがある。私は個人的には7時くらいから夕食がしたい。が、旦那の帰りが8時過ぎと遅くなることが週に何回かある。それでいつの間にか、私ひとりのおうちアペロが始まった。ランチを遅めに食べて夕食まで空腹を抑えようと努力もしたが、我慢できず、つなぎのアペロが必要になった。

ひとりアペロは、ナッツやチップスが主流だ。なるべく無塩ナッツやカロリー低めのチップス製品を選ぶようにしている。が、結局はジャンクフードの部類である。

ひとりアペロのお供のジャンクフード

ビネガー& 塩味のポテトチップスが私の大好物である。
お酢の味のポテトチップスを初めて食べたのは15年ほど前、フランスかイギリスだった。近年はアメリカのスーパーでも時々見るようになったが、あまりポピュラーではないようだ。元々、フィッシュ&チップスにお酢をかけて食べる習慣があるから、ポテトチップスとお酢の相性もいいのだと思う。勝手にそう思って病みつきになってしまった。

イギリスのデパート、マークス&スペンサー(M&S: Marks & Spencer)の自社ブランド食品にシェリービネガー味のポテトチップスがある。これが美味しい。香港にM&Sがあるので、香港滞在時にはこのポテトチップスをアペロのお供にしている。

なんでもありのニューヨークでさえ、アペロを聞いたことがなかった。強いて言えばアメリカのハッピーアワーに似たようなものだが、ハッピーアワーはバーやレストラン主導のマーケティング色が強く、夕食前の2~3時間だけドリンクや一部メニューを安くして客を呼び込むものだ。アペロは、食前酒を飲みながらゆっくりおしゃべりする行動を指すので性格が異なる。

フランスでもハッピーアワーを導入するカフェなどがあるが、その時間帯は比較的長く、アペロの習慣のあるフランス人は延々とおしゃべりを楽しむ。

帰りが遅くなった旦那を待つ日にはひとりアペロをしているが、ニューヨークの友達とアペロでおしゃべりという機会はない。一般的にアメリカ人と日本人の夕食開始は7時くらいと比較的早いから、居酒屋やレストランで飲みながらの夕食になってしまう。


萩原久代
ニューヨーク市で1990年から2年間大学院に通い、1995年からマンハッタンに住む。長いサラリーマン生活を経て、調査や翻訳分野の仕事を中心にのんびりと自由業を続けている。2010年からニューヨークを本拠にしながらも、冬は暖かい香港、夏は涼しい欧州で過ごす渡り鳥の生活をしている。

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