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私は1度見れば十分だけど

今回のテーマ:パレード

by らうす・こんぶ

ニューヨークはイベントフルな街。ほとんど毎週末、マンハッタンではパレードやストリートフェアが繰り広げられている。よく知られたパレードと言えば、七色のフラッグがシンボルのプライドのパレードやハロウィーン、セント・パトリックス・デーのパレード。さまざまな民族衣装をまとった移民のパレードも多い。

ニューヨークに来て1年目は何でもかんでも珍しかったから、よくパレードを見に行った。プライドもハロウィーンもセント・パトリック・デーも、雑誌記事のために取材して写真を撮ったりした。でも、2度目はなかった。1度見たら飽きてしまった。

ほかにどんなパレードがあるかなと考えて、ふと、いつもの癖で、「そもそもパレードって何?起源は?」と気になった。調べてみたところ、世界大百科事典 第2版「パレード」の解説に次のように載っていた。

「軍隊を集合,行進させて司令官などが閲兵するのが原義で,社会主義諸国で行っているリーダーが壇上に並ぶ〈赤の広場〉や〈天安門〉などにおけるメーデーのパレードがその直系である。転じて,娯楽的形式をとった主として野外で行われる,成員のアイデンティティ,共同感情(国,都市,集団)を促進,高揚させるため行われる催し,ねり歩きをともなう祭り,スペクタクル一般を指す。ヨーロッパでの歴史上の古典となるパレードは,ローマの凱旋パレードであろう。」

パレードとか行進はやっぱり軍隊や全体主義とつながっているんだな。

ニューヨークで行われるパレードは、「成員のアイデンティティ,共同感情(国,都市,集団)を促進,高揚させるため行われる」ものが多そうだ。プライドやセント・パトリック・デー、移民のパレードもこれに当たるだろう。

また、ウィキペディアにはこんな説明があった。

「同性愛者などによるプライド・パレードなど、なんらかの主張を掲げての行進であることもあるが、主張を叫ぶことが主な目的ではない。主張の伝達が主たる目的の時には、パレードではなくデモ行進と呼ばれる。」

なるほど。だから、パレードは無邪気に見ることができるけど、デモ行進となるとちょっと身構えてしまうのかも知れない。

ところで、私もパレードに参加したことがあるのを思い出した。小学校の運動会のフィナーレで披露された鼓笛隊のパレードと、高校の文化祭のときの仮装行列。どちらもただ楽しいだけだった。主義主張なんて何もなくてよかったなあ。

ちなみに私は鼓笛隊ではバトンガールで、赤い服着て赤い帽子かぶってバトンくるくるしてました。くるくる〜。



らうす・こんぶ/仕事は日本語を教えたり、日本語で書いたりすること。21年間のニューヨーク生活に終止符を打ち、東京在住。やっぱり日本語で話したり、書いたり、読んだり、考えたりするのがいちばん気持ちいいので、これからはもっと日本語と深く関わっていきたい。

らうす・こんぶのnote: 

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