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詩|いにしえの讃歌

1
昔から自然を褒め、唄う
感謝で心を鎮め、温め
そうして自然な帰結として
視力を得る

自然の印から
全ての言葉と思慮の
良質な示唆を
まだ形のない胚珠を
己のうちに実らせるため

天地に賛歌を贈り
天地に耳を澄ませ
己の身体で聴いて
体に共鳴させるように写しとる
そういう聡さがあったらしい

インドの古学を見ていて
そんなことを思う。

2
心の姿勢は一つの門
天来か機縁のために
核心に染まるひとの欠片
欠片を真似る人も核心に近づく

 けれどもそれは、人から強制されたものよりも
 もっと自然であれば、ずっといい。

自然に対する純粋な畏敬
温かなありがとうを抱くなら
一つの瞼が開いて
印の意味が流れ込む、
あるべき形を刻まれる

 真理・究極の言葉・人柄の魅力
 言葉を変えた同じもの

栄養のありかと
栄養の咀嚼の仕方と
その双方の描かれた古の言葉

祖先の時代に
明瞭な言葉で表せなかった答えは
科学が進み、言葉も増えて
少し捉えやすくなった現代でも
全貌の正しさを、少しも違わない

けれども心で守らなければ
視線を結ぶものの、浄い贈り物を忘れ
簡単に遠くへ失くしてしまう
選べるゆえの、現代の宿命

世代とともに体が新しくなるように
心もまた世代のたびに新しくなる
そのたび自然の優しい秩序は
真新しい心の巧拙を刻んでゆく

人と自然の性が混ざり合い
一人がやっと最良に立つ

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