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普通であることを認める勇気、そこから始まっていく。書籍『幸せになる勇気』


ベストセラーにもなった『嫌われる勇気』の続編。書籍『幸せになる勇気』を読みました。

たまたま、図書館に行ったときに目に付いたのが読んだきっかけでした。

わたしたちはどこからきて、どこにいるのか、そしてどこへ向かえばいいのか


本書では哲学者の岸見一郎氏がアドラー心理学を、一切の専門用語を使うことなく解きほぐして説明します。

その際、宗教も哲学も科学も発生した根底には同じものがあると冒頭で語ります。

宗教も哲学も、そして科学も、出発点は同じです。わたしたちはどこからきたのか。わたしたちはどこにいるのか。そしてわたしたちはどう生きればいいのか。これらの問いから出発したものが、宗教であり、哲学であり、科学です。

『幸せになる勇気』岸見一郎・古賀史健


生きていくうえでの根本的な疑問。その疑問は、「どうしたら幸せになれるのか」といった普遍的な問いにもつながっているように思えます。


アドラー心理学の目標としては大前提として下記のようなものがあります。

【行動面】
①自立すること
②社会と調和して暮らせること
【心理面】
①私には能力がある、という意識
②人々は私の仲間である、という意識

これらを前提として、じゃあ「自立」ってなんだ?どうやって調和を図るのか?といったことがきちんと書かれています。

『幸せになる勇気』を読んだまとめ7つ


・人間関係において接するすべての相手に『尊敬』を持つことが大切。尊敬とは『人間の姿をありのままに見て、その人が唯一無二の存在であることを知る能力』のこと

・尊敬の第一歩は「他者の関心事」に関心を寄せること

・人は誰しも客観的な世界に住んでいるのではなく、自分が意味付けした主観的な世界に住んでいる

・悩みがあるときに考えるべきことは「これからどうするか」ということ。「かわいそうな私」「ひどいあいつ」という話に終結しない事。

・「特別な存在」でなくても、優れていなくても、自分の居場所はある。自分の価値を自分で決める事、これを「自立」という。普通であることの勇気をもつ。

・あらゆる争いは「私の正義」によって始まる

・他者は分かり合えない存在だからこそ信じるしかない。「分かり合えぬ存在」としての他者を信じる。それが信頼であり、幸福を得る一つ。



書籍のなかで、「愛」というフレーズがよく出てくるのですがエーリヒフロムの言葉も何度か引用されていました。

名著「愛するということ」は何度も読んでいる本ですが、アドラー心理学とも通ずる部分があるのだなと一人納得。

特にこの本でもフロムの主張と同じように「愛するということはあくまで能動的な行為だ」と述べています。愛するに値する人を探すのではなく、自分が目の前の人を愛すると決めること。その責任。また、そこから築かれていく「私たちの幸せ」という考え方が愛においては大切なのだと。

頭でわかっていても、なかなかできないのが実際なんですけどね・・・・・(笑)

『嫌われる勇気』と同じく、対話形式で進められていくのでとても分かりやすくあっという間に読めてしまう本でした。

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