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御種印帳(短編小説)

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2023年12月の記事一覧

児童文学:カラスと風の子

児童文学:カラスと風の子

冴えた空気に包まれて、山は眠る。
木々は葉をおとし、小枝に雪をのせて、ただひっそりとたたずむ。
地面にはつもりつもった雪が幾重にもなる、冬のある日。

雪の上をカラスが歩いていました。
カラスはふっくらもこもこと、まるっこい姿をしています。
「ああ、さむい、さむい」
さむさから身を守るように、カラスはまた羽毛を逆立てます。
あたまの羽毛まで逆立って、ツンツンしてきました。
「新鮮な食べ物もない、た

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気まま飯の歳時記

気まま飯の歳時記

冷蔵の中にあった残り物を適当に突っ込んで煮詰めたおじやをかきこむ。
棟梁からシェアハウスの管理と運営を引き継いだものの、他の入居者はいないから6LDKのリフォーム古民家は寒々しいばかりだ。
新年早々ではあるが、餅も七草粥も、独りで過ごす分にはどうでもよかった。目の前で白い湯気をくゆらせているソレは、必要な栄養素が取れれば良しといわんばかりの手の抜きようである。
なんていっても、飯の作り甲斐がねぇ。

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