【ピラティス】 スワン・ダイブを徹底分解①!!
こんにちは!ちーりんです🐪!
今日は「スワン・ダイブ」というエクササイズの筋肉の働きについて徹底分解してみたいと思います!
スワン・ダイブとはこんなエクササイズです↓
※私が習った団体のエクササイズを元にしています。
※今回は脊柱の伸展運動のみを分解するため、動画のような初級の動きです。
※上肢の動きや筋肉の働きについては省略させていただきます。
スワン・ダイブには、
・脊柱全体を伸展させる
・背筋群の筋力強化
などの効果があります。
このエクササイズで特に大事になるのは、
・均等に脊柱を伸展する
・伸展しすぎない
この2点です。
そのために筋肉がどのように働くのか、一緒に考えていきましょう☺︎
※今回は、スタートポジションから脊柱伸展位になるまでの分解です。
伸展位からスタートポジションに戻るまでの動作については、また改めて分解します!
1.本書での定義
まずはじめに、本書での定義を定めておきます。
図1-1で示した通り、スワンダイブのスタートポジション(頸椎、胸椎、腰椎にそれぞれ自然な前弯後弯がある状態、骨盤はニュートラル)を関節運動の0度とします。
脊柱はシンプルに頭が持ち上がってくる動作を伸展、骨盤はASISが床から持ち上がってくる動作を後方回旋とします。
上記の定義を踏まえて、本書をご覧ください!
2.均等に脊柱を伸展するためには?
みなさんご存知の通り、脊柱伸展に関与する筋肉はとてもたくさんあります。
その中でも”複数の関節をまたいで付着する筋肉”と”1つまたは2つの椎体をまたいで付着する筋肉”に分かれます。
複数の椎体をまたいで付着する筋肉(以下、大きく付着する筋肉)は、大きく脊柱を伸展させる作用を持ち、1つまたは2つの椎体をまたいで付着する筋肉(以下、小さく付着する筋肉)は脊柱の剛性を高め、安定性に関与する傾向にあります(図2-1)。
例えば、図2-1①のような大きく付着する筋肉のみが働いた場合、大きな動きを作れる一方で一部の関節に負担がかかりやすくなります。
脊柱の均等な伸展を作るためには、小さく付着する筋肉が働いた上で、大きく付着する筋肉も働く必要性があります。
では、頸椎、胸椎、腰椎それぞれでどの筋肉がそれらの役割を果たすのか、見ていきましょう!
2-1.頸椎の伸展
頸椎の伸展角度は合計で約60-85度と言われています。
スワン・ダイブの際の頸椎伸展角度を考えてみます(図2-3)。
青く囲った部分を拡大し、筋肉の働きを見てみます(図2-4)。
※今後も同じような伸展可動域や筋力のグラフが出てきますが、書籍や実際にエクササイズを行った際の反応を元に自ら考えた参考値です。
図2-4の中で、小さく付着する筋肉は後頭下筋群、頸棘間筋、頸横突間筋です。
これらの筋肉が頸椎を安定させ、大きく付着する脊柱起立筋や板状筋、僧帽筋が頭部を挙上し全体を伸展させていきます(図2-5)。
イメージを動画で見てみましょう!
2-2.胸椎の伸展
胸椎の伸展角度は合計で約20-25度と言われています。
スワン・ダイブの際の伸展可動域を考えてみます(図2-7)。
緑で塗った部分を拡大し、働く筋肉をみてみましょう(図2-8)。
Th6/7あたりまでは図2-4で出てきた頸部伸筋群による働きが主だと考えられます。
下部胸椎の伸展は、脊柱起立筋である胸棘筋、胸最長筋、胸腰腸肋筋が担いますが、椎体を安定させるために、小さく付着する筋肉である肋骨挙筋や回旋筋が働きます。
イメージを動画で見てみましょう!
2-3.腰椎の伸展
腰椎の合計伸展角度は約15-30度と言われています。
スワン・ダイブ時の腰椎の伸展について考えてみます(図2-11)。
腰椎の伸展は下部胸椎の伸展が始まったあたりから少しずつ動きが出始めると考えています。
黄色い部分を拡大し、筋肉の働きを考えてみます(図2-12)。
Th6からL1までは、胸椎の伸展に伴って、腰椎の前弯がやや増強します。
その後、腰棘間筋や腰横突間筋、多裂筋が腰椎の安定性を高める働きをしています(図2-13)。
イメージを動画で見てみましょう!
まとめると頸椎、胸椎、腰椎その全てで小さく付着する筋肉により椎骨の安定性を高め、大きく付着する筋肉で動きを作り出していることがわかります。
そんなの当たり前!と言われればその通りですが、ピラティスでよく言われる”脊柱一つずつ動かす”ということを意識してエクササイズを行うことで、脊柱の安定性を高めながら脊柱を動かすことができます。
<補足>
2点ほど補足があります。
①多裂筋について
多裂筋は腰椎だけでなく、頸椎や胸椎にも付着しています。
多裂筋は腰椎部で最も発達していると言われているため、今回は腰椎のみに記載しましたが、実際は頸椎や胸椎の安定性にも関与していると考えられます。
②半棘筋について
半棘筋は複数の関節をまたいで付着していますが、関節運動よりも関節の安定性に関与すると記載されている書籍もあります。
3.伸展しすぎないためには?
スワンダイブのエクササイズでもう一つ、大事なことがあります!
それは”伸展しすぎない”ということです。
頸椎と腰椎で重要となってきます。
3-1.頸椎の伸展
頸椎の特徴を振り返ってみます(図3-1)。
頸椎はもともと前弯位であり、複合的な伸展可動域も60-85度と大きいです。
また、筋肉の特徴を考えてみても、後面には板状筋群や僧帽筋などの大きい筋肉が付着するのに対して、前面は椎前筋群や斜角筋、舌骨上・下筋群など比較的小さい筋肉が付着しています。
よって頸椎は、より伸展方向に動かしやすくなりますが、過度な伸展は脊柱管の狭窄を招き、様々な障害を引き起こす可能性があります。
そこで、伸展しすぎないためにブレーキをかける必要があります。
その役割を担うのが”屈筋群”です(図3-2)。
このグラフは図2-4と同じものですが、そこにブレーキとなる屈筋群を付け加えたものです。(見やすくするため、伸筋群は薄く表示しています。)
頸椎を伸展させる際に屈筋群も意識して働かせることで、過度な伸展を防ぎ頸椎を保護しながら伸筋群を働かせることができます(図3-3)。
イメージを動画で見てみましょう!
3-2.腰椎の伸展
次に腰椎についても考えてみます(図3-4)。
腰椎も、もともと前弯していますが、頸椎ほど伸展可動域は大きくありません(合計で15-30度)。
しかし、腰椎の完全伸展時にも椎間孔や脊柱管の減少が報告されており、脊柱管狭窄症等は腰椎で多い疾患です。
頸椎と同様に腰椎も、過度な伸展は避けた方が良い部分です。
そのため、腰椎でもブレーキ役が必要となります(図3-5)。
こちらも使用しているグラフは図2-12と同じものです。
腰椎伸展時にブレーキ役となるのは腹筋群(腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋)です。
腹筋群を意識的に働かせることで、腰椎の過度な伸展を防ぎながら腰部の伸筋群を使用することができます。
イメージを動画で見てみます!
腹筋群は下部腰椎が床から離れるあたりから働き出すと考えられます。
4.まとめ
いかがでしたか?
最後にエクササイズ全体を通して筋肉の働きをイメージしてみましょう!
脊柱の伸展を促すスワン・ダイブのエクササイズの際には 、
という部分がとっても大事です!
次回は脊柱伸展位からスタートポジションに戻る動作について分解したいと思います。
今回とはまた違った認識が必要となります!
お楽しみに☺︎
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