保険ショップは消滅する!?
街中でよく見かけるようになった「〇〇の窓口」といった来店型保険窓口販売ショップ。もう大分、飽和感があるのではないかと思います。
そんな内容を以下にまとめていきます。
閉鎖店舗が出てきた。
とあるターミナル駅の近くの保険ショップ。
コロナになり、誰も来店しなくなりました。
ふと観たら、「保険の〇〇」はなくなり、「マツモト〇〇〇」になっていました。
イントネーションはちょっと似ていますが…
金融サービスは目に見えず、触れられないもの
家やクルマやモノなどは、実際に観て、触れて、体感してから買いたいという方が多いと思います。
これらですら、VR内覧や、テスラのようにディーラー網を持たなかったり、モノもAmazonなどでレビューで判断して買う方が増えています。
保険ショップって、観たり触ったり、体感できるものは置いていないので、オンラインで良くない?と思います。
保険は特に、無形財・未来財・他人財ですから、モノの対極にあります。
リアル店舗を人の動線上に置き、例えば、ショッピングモールに来た方々をそのまま誘導したいというのはマーケティングとしてわかります。
でも、相談予約端末+アルバイトでも良いかもしれません。ふらっときて、1時間などの相談は重いので、オンライン面談の予約ができれば良いのではと感じます。
銀行の支店も減っている。
昨今では銀行の支店も統廃合が進み、1階にあった支店が、ビルの上の階に移転したりしています。金融リテール店の来客が減少しています。
オンライン比率の高まりを感じます。
保険ショップを視察してみると。
保険ショップを覗いてみると、平日はいつもガラガラ。カウンターに数人の方が座っていて、やることがなさそうにしています。なんだか、暇そうです。これって、生産性としてどうなのだろうと、心配になります。
保険窓販の会社のデータをみてみますと、平日来店数は数人、土日に数人〜10人など、稼働率が低い印象を受けました。
待ちが多くてもったいないし、人員が店舗に固着化されるのは効率面で課題を感じます。
上場保険代理店各社のIRを観てみると
窓販来店数大幅減少、時短、休業、クローズ。
販路はコールセンター、店舗、web、訪問の4つ。保険SHOPのスクラップ&ビルド中。コロナで営業利益が低下。
BtoBプラットフォーム事業に注力。
インシュアテック100名以上体制でテクノロジーに注力。スマートコンサルティングプラザの開設。
BtoBシステム開発。集客伸び悩み、法人営業は税制改正でダウン。利益減。保険ロボアドにも取り組む。
集客は12,477人/年、52店舗。(ということは、店舗あたり来客20人/月?)
自動車ディーラー、ガソリンスタンド、携帯ショップをFC化。
営業利益33.0%ダウン。オウンドメディア構築。金融プラットフォームの構築。リーズ85.8%、クレジットカード、ライフイベント系会社からのリーズ。コンビニ展開。新卒採用・教育をし、36ヵ月で累計黒字化。
各社、プラットフォームや、システム開発、オンライン営業対応人材への注力がうかがい知れます。
オンライン店舗化
先鋭保険代理店は、オンライン店舗を強化し、オンライン対応専属プランナーを増やしています。まだほとんどの保険代理店が、オンライン専属対応人員は数人/数百人中だったりします。
多くの保険代理店は、オンライン対応が、若手の片手間対応であるのが現状です。
オンライン対応にエース人材を配置する
各社はオンライン対応の実験をしつつありますが、そのテストを行うのは若手の新人…
新人がオンライン営業をやってみたけど、結果が出なかったから見送ろうという判断をする保険代理店もあります。
中には他社のオンライン営業のヒアリングをし、結果が出なかったらしいから、やめておこうと判断する会社もあります。
どんな営業でも、エースは結果を出せて、あまり成績の良くない営業は、何をやっても結果が出なかったりします。
オンライン営業という、今後の将来性の高い領域をテストするのであれば、エース級の人材でテストをするべきでしょう。
さらに、100件商談など、大数の法則が確認できるだけの母数をやる必要があると考えます。
茹でガエル
茹でガエルと言う話はご存知でしょうか?
カエルを冷水の鍋に入れて、ゆっくり熱していくと、慢心しているカエルは、気付かないうちに茹っていき、死んでしまいます。
窓販ビジネスが、この先も変わらず続いていくと慢心していると、同じ結末になると考えます。
現実的な変革とは?
既に構築している店舗を大量閉鎖するわけにもいかず、どうしていくか。
各店舗のカウンターにいる顧客対応人員が、アポのない時間帯でオンライン営業にトライしていくことがまずは有効だと考えます。
これだけでも生産性が劇的に向上する可能性があります。
他業種コンペティターの参入
昨今では様々な他業種からの保険代理店業への参入が相次いでいます。
家電量販店や、ホームセンター、携帯ショップ、桁違いの顧客数を持ったIT企業...
そういったすでに顧客データを持った大企業が、斜め上からやってきて、マーケットシェア争いが始まっています。
そんな競合相手に、紀元前からある原始的な店舗ビジネスで対抗していくのは、無理ゲーです。
主戦場はオンラインに
従来の保険窓販ビジネスは、繁華街やショッピングモールなどの良い立地を抑え、来店数を確保するというマーケティング戦略がみられましたが、これからはオンライン上で、良いポジショニングをいかにとれるかが、キーファクターになってくると考えます。
ユーザとプランナーや保険代理店をつなぐオンラインマッチングプラットフォーム上で、どれだけ自社の優位性の訴求ができるかや、プランナー数で面をとり、クオリティーの高いプランナー&提案内容で、コンペティターとの比較競争に打ち勝っていけるかが重要になります。
20XX年
「昔、保険ショップっていうのが、街にたくさんあって流行ってたんだよ。」
「それって、訪問した時に応対した人が担当になるんだよね?担当を選べないの?」
「保険を考えるんだったら、担当者や保険代理店は自分で選びたいよね。いろんなプランナーからの提案を比較したいよね。」
全てがオンライン上で同時比較される
店舗にユーザーを招き、複数の保険会社から適した商品を提案するという、従来の保険代理店ビジネス自体が、古いものになってきています
プランナーや保険代理店、提案内容の全てが、オンライン上でほぼ同タイミングで比較されるフェーズに移行しつつあると考えます。
オンライン専業保険代理店の誕生
オンライン営業のみで、保険業界の生産性の記録を塗り替えるといった、オンライン専業の最強レベルの保険代理店が誕生してくると思います。