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将棋AIから学ぶ作家AIのあり方

藤井聡太先生がA級に昇級されたニュースが話題ですね。

事実は小説より奇なりって言いますが、フィクションの世界でもお目にかかれないような大偉業で驚くしかありませんね。

その強さの要因をいろいろな記事が様々な角度で検証していますが、個人的には「将棋AI」を上手く活用しているってところに興味を持ちました。

たとえばこの記事。

とくに面白いなと思ったのはこの箇所。

藤井 はい。人間とAIの対決というところから、また新たな段階に入ったというか、AIを活用して逆に人間がどう強くなるかに移っていると思います。棋士自体が強くなるとともに、評価値というかたちでファンの方に、よりわかりやすく将棋を楽しんでいただける。将棋は見ているだけではどちらが優勢なのかプロでもわからない対局が多いので。人間とAIが共存するかたちになってくると思います。  

藤井聡太が見る未来「AIを利用すれば人間はどんどん強くなれる」 
現代ビジネス 20211208

「AIのほうが強くなったから、もう人間がやる意味がない」という人もたまにいますけど、僕自身はあまりそうは思わなくて、「AIが強くなったなら、自分の実力を向上させるための道具としてフル活用すればいい」っていうこの発想はめちゃくちゃ好きです。

将棋が強くなるためには、自分より強い実力を持った人と何度も対局したり、ひとつの局面に対していろんな手を出し合って、深く研究を重ねていく必要があると思いますが、トップ中のトップの棋士ともなるとそんな相手もいなくなってしまいますよね。

なので数十年前の棋士は、自分の実力を研鑽する機会にかなり飢えていたんじゃないかなと思います。

でも今の時代は、実力の高いAIが24時間、気の済むまで自分の研究に付き合ってくれる環境になったわけで、そういう意味では「AIが進化した時代」って「人間の能力が飛躍的に進化できる時代」ともいえるんじゃないかと勝手にワクワクしています。

そこで本題の「作家AI」に入ります。

シナリオライターの僕としては、自身の能力を成長させてくれる「作家AI」が喉から手が出るほど欲しいわけです。

ときどき、文章を書くAIができた!などと話題に上がることもありますが・・・

勝ち負けがはっきりしている将棋AIと違って、シナリオは何が良いとか悪いとかがかなり判定しにくいため、まだまだ大きな潮流にはなってないみたいですね。

将棋AIの仕組みをめちゃくちゃ単純化するとたぶん下記のようなものだと思いますが・・・

①学習する

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②判断する

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作家AIの場合、学習データを「過去に人気が出た作品」として、ほぼ同じ展開のシナリオを出してしまうと、「2番煎じ」や「パクリ」という評価を受けるような、全く面白くないものができてしまうんですよね。

つまり、「これまでにない新しさ」という要素が「面白さ」を出すために必要不可欠なのです。

したがって、「昔見たようなシナリオ」をAIが作ることはすぐにできそうだとは思うのですが、「斬新な面白いシナリオ」を作るのはかなり技術的に難しそうだなあと思いました。

とくに「作家性」や「作風」、「文体」などと呼ばれる「個性」の部分って、かなり「書く人の人生経験」に左右される部分なので、「学習データ」を収集するのがめちゃくちゃ困難なような気がします。

↓ 面白いシナリオを作る作家AIに必要そうな学習データ

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ただ、僕が作家AIを欲しいと思った理由は、AIが作った作品を読みたいからではなく(読んでみたいけど)、自分が面白い作品を作れるようになりたいからです。

AIの力を借りて、もっと面白い作品を生み出したいのです。

つまりはこういうAIが欲しいのです。

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そう、僕が本当に欲しかったものは「編集者AI」でした。

24時間嫌な顔ひとつせず、良い作品を作るために僕にとってぴったりなアドバイスをくれる編集者AI。

めっちゃ欲しいです。

正直こんな最高なAIがいきなりできるとは思ってなくて、現時点では様々なツールなどを組み合わせて、この環境をいかに再現するかが課題となるでしょう。

一旦すぐできそうなものとして、「テキスト解析」をすることで、自分が無意識に使ってしまいがちな表現に気づかせてくれるプログラムなんかを作ってみてブログにまとめたりもしました。

こんな感じで少しずつ、自分にとっての理想の編集者AIがいるっぽい環境が作れればなあと夢想する日々です。

AIの力で、「人間の書く物語が飛躍的に面白くなる時代」が来てくれれば嬉しいですね。






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