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地域×マーケティング@東北ターンLab.【きっかけ食堂個別プログラム①】

今年5月から地元である宮城県気仙沼市にUターンした ”ちさってぃ” こと、畠山千怜(はたけやまちさと)です!
今はフリーランスとして複数の会社で色々な人たちと関わりながら過ごしています。

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Uターン前は東京に3年間住んでいました。(これはUターン直前に筑波山に登った時の写真です笑)


大学生活も含めると約7年間地元を離れていたのですが、ついに地元に戻るぞ〜!と決意したタイミングで、高校生の時からずっとお世話になっている底上げの矢部さんから東北ターンLab.への参加をお声がけいただきました。

「気仙沼のために何かできるようになってから帰ってくる。」

そんな気持ちを胸に地元を離れたはずなのに、
地元に帰りたい、けど、なんとなく、今じゃない。
そんな思考を巡らせながらあっという間に25歳になっていました。

・同じく地元に帰ろうとしている友達が積極的に情報収集してくれていたこと
・地元にも友達がいて地元のことを情報共有してくれたこと
・ただ帰っておいでと言ってくれる人たちがいるという安心感
・私自身が「気仙沼に帰ってからでもできることを少しずつしていけばいい」という前向きな気持ちになれたこと

こんなことが重なって、Uターンするという決断ができました。

きっと少し前の自分と同じように、地元に戻りたくても戻れていない人たちはたくさんいると感じています。

東北ターンLab.の活動をnoteで発信しながら、ほんの少しでもそんな人たちの後押しになれたらと思っています!


きっかけ食堂 個別プログラム第1回講義スタート!

さて!今回からはいよいよ個別プログラムが進行していきます。
トップバッターは「NPO法人きっかけ食堂」のプログラム!

NPO法人きっかけ食堂
毎月11日に全国各地で東北のごはんやさんを開催し、ボランティア・生産者・事業者・官公庁の皆様と東北に関わるきっかけを届けている。
オンラインショップも複数運営中!

このプログラムでは、山形でデジタルマーケティング事業を生業としている伊藤 大貴(いとう ひろたか)さんをゲストにお招きし、課題を進めながら実践的にマーケティングを学んでいきます。

第1回目の講義では、大貴さん自身のことについてや、実践しているマーケティングについてお話をしていただきました。

私は今回のプログラムメンバーではないのですが、第1回講義に特別にお邪魔させてもらいnoteを書いています!(以降はNPO法人底上げ、NPO法人TEDICと続いていきますのでそちらもお楽しみに〜🌟)


テーマは 「マーケティング」 なぜ?

きっかけ食堂個別プログラムテーマ
” マーケティングの概論を理解し
 地域企業の販促をサポートできる力を身につける ”

「日本一、東北に楽しく関わるきっかけになる」という素敵なミッションのもと、たくさんの人たちにハードル低く東北の魅力を楽しんでもらおうと活動をしてきたきっかけ食堂さん。

当初は「震災を忘れないために」「私たちにできることから」という意識が強かったそうですが、事業やスタッフの成長とともに、今まで見えなかった課題も見えてきたそうです。

いま現地から一番求められていることは「伝える力」

最近は毎月のきっかけ食堂(ごはんやさんイベント)以外にも、自治体や地域企業からの依頼も増えてきているとのこと。

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地域の魅力を伝えることで、その地域・活動に関わる人を増やしたり、商品の売り上げを伸ばしたりと、地域の課題を解決する後押しになれることを活動を通して実感してきたからこそ、色々な場面での「伝える力」の重要性を感じこのテーマを設定してくださいました。

ちなみにコロナ禍でオフラインイベントが出来なくなってからも、きっかけ食堂ではこんな取り組みが始まっています!

コロナ禍でのきっかけ食堂の取り組み
自治体と組んで関係人口を増やす取り組み
ECサイトを複数OPEN
オンラインきっかけ食堂を開催


プログラムに一緒に取り組むメンバーたち

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恒例のチェックインでは、自己紹介・最近ハマっていること・きっかけ食堂のプログラムを選んだ理由などを共有してスタート!

私もみんなの参加理由を聞いて気持ちが高まりました👏

プログラムへの参加理由
・ひろたかさんに会いたかった!
・共通プログラムで納得のいくものができなかったので再チャレンジ
・マーケティングを自分の活動に生かしたい


地域マーケティングの実践者 伊藤大貴さん

伊藤 大貴(いとう ひろたか)さん
1993年 山形県鶴岡市旧朝日村生まれ
2016年 山形大学工学部を卒業 株式会社Speee(東京)に入社
2018年 山形にUターン
2019年 友人と共に合同会社danoと一般社団法人mokke を設立
職域:デジタルマーケター・コンサルタント
趣味:日本酒を一緒に飲む・地元案内


Uターンして入社した会社を3ヶ月で辞め、
会社に属することの違和感が浮き彫りに

学生時代から山形をフィールドに活動していたりと地元に愛着があった大貴さんは、大学卒業後に一旦上京するも3年目の春にはUターンをしました。

しかし、様々な事情があり、転職先の企業を3ヶ月で辞めることに


会社に入ることで得られた仲間や、経験はかけがえのないものであった一方で、組織のなかで働くことで、自分の中で大切にしたいこととのバランスを取るのが難しいという瞬間もあったそうです。

そんなこともあり、「自分の大切なものは自分で守る」ため、起業しようと思い立ったそうです。

「会社に入る=人に伝え難いバランスで成立している」と大貴さんは仰っていましたが、私もまさに同じような感覚で退職した経験もありとても心に沁みました・・・。


10年後、100年後も故郷を残すための「仲間づくり」

地元は過疎化が進み消滅可能性都市に。どんどん人が減って活気がなくなっていく姿を見ていて寂しくなると共に、それが仕方ないような雰囲気を受け入れたくないと思っていました。

一方で、時代を超えて今に残る歴史も多くあるこのまちで、同じように100年後、さらにその先の未来に続くものを作っていきたいという想いから、そのタネを蒔いていく為、まずは仲間を集めることを第一に取り組みたいという考えに辿り着きます。

そうした背景があった上で今はこちらの2社を設立しました。

一般社団法人mokke テーマ:居場所づくり、探求と内省
ファシリテーター、コーディネーターとして「故郷を味わう」お手伝い

合同会社dano テーマ:マーケティング、情報発信
マーケター、コンサルタントとして「故郷から伝える」お手伝い


マーケティング=仲間づくり

マーケティングと聞くと、「商品を売って利益を上げる」など一般的には色々な定義がありますが、大貴さんは「顧客と対価をやりとりする関係になるための仕組みづくり」=仲間づくり と考えています。

これって私は、同じ釜の飯を食う仲?みたいな感覚なのかなと思いました。
一緒に食べるお米を一緒に作って、このおかずが合うよ!とか、この器で食べると気分が上がるよ!とかアドバイスをして、最高の一杯を一緒に創って食べると最高に美味しいし仲がより深まりますよね。(こんな解釈で合っているかな・・・?)

では、大貴さんは具体的にどんな仕事をやっているか?というと、

地域外貨を獲得し、地域内の情報流通を加速させる

少し初見では理解するのが難しいですよね><
ひとつひとつの言葉を解釈していくと、こんな感じです。

地域外外貨の獲得 →地域に関わる仲間を増やす
地域内の情報流通 →できた仲間を減らさない

例えば、地域外外貨の獲得は、最近よく聞く関係人口を増やす取り組みに当てはまるのかなと思います。その地域に関わる人・外貨を地域の外側から引っ張ってくる、そしてそれを元に、地域に本来ある価値を再発掘して地域内の人々に発信していくことが地域内情報の流通、と理解しました・・・!

地方の課題は「知らない」こと

では、その「地域内情報の流通」の重要性とは一体何でしょうか?
大貴さんの地元の例を挙げると、なんとなくで他地域で就職したり進学してそのまま地元に戻ってこない人たちがほとんど、という現状があります。

その背景を辿ると、地元にいる人達(主に高校生までの学生)が、地元のことや地元企業などについて知る機会が圧倒的に足りていないという課題があるといいます。

その「なんとなく」での行動がなくなるだけで、1人でも多くの人が地元に関心を寄せ続けること(=仲間づくり)ができると考えて、地元高校生がふるさとを発信するCM制作プロジェクトを現在進行中だそうです!

私の地元でも同じことが当てはまるし、自分はまさに出ていく前に地元の魅力を知ることができたからこそ、こうして戻ってこれているのもまた事実なので、地域内情報の流通はとても大事なことだと実感しています。

仲間をつくるために善く稼ぎ、遣い、廻す

最後に大貴さんが気持ちの良い言葉でまとめてくださいました!

善く稼ぎ 外貨を獲得し共に成長
善く遣い 地域内にめぐる情報の量と質を高め
善く廻す 楽しい仲間と愉しみを連鎖させる

ふるさとの為に仲間をつくるという目的が根底にあり、その上で外貨を稼ぎ、仲間を増やす・減らさないためによく遣い、楽しい場所には人が寄ってくるという習性で、楽しみを連鎖させていくこと。

東京などの大都市圏では、地方に比べて価値を存分に発揮するためのマーケティングの手法を実践している人たちがごまんといて、構造もしっかりと整備されている。一方でその先の目的が欠如しているため、あくまで「稼ぐ」ことが最終目的になりがち。しかし、本来は自分も含めた周りにいる地域に住む人たちの幸せ、まち自体のためにそうした会社はあるべきなのかなと思います・・・!


みんなからの反応・質問

Q.マーケティングを学んできた過程や、参考になったものはありますか?

A.おすすめの本はコンサル一年目が学ぶこと
東京では当たり前に価値を理解されていたマーケティングが、地元では同じ評価をされない状況で、必要性を伝えることが非常に難しかった。コミュニケーションツールとしての心得をインプットするという気持ちでいることと、主体的になることが大事。

Q.活動で関わっている地域でも、情報が回ってないと実感しています!回していくべき情報を見つける際には、どこに着目したり、どんなことを大事にしていけば良いでしょうか?

A.想像力・観察力を膨らませる。具体的には、伝えたい人が情報を得ているタイミングを意識する。現実的には、仮説検証を繰り返し、伝わっているか逐一確認して軌道修正していく。

Q.新しいことを始めるとき、地域の人へのアプローチで気をつけている意識しているところはありますか?

A.どんなことでも一定数の人には拒絶をされるという前提で、基本的に新しいことを受け入れてくれる人たちがいると思っていた方が良い。段階に分けて地域の人へアプローチをしていくことが大事。

Q.Uターンをしてきて起業するまでの間に考えていたこと、地域の人との関わり方について教えて欲しいです!

A.色々なことに関わっていく中で、自分の得意不得意や、時間を割きたいと思える対象が分かってきた。最初は思考しているだけから言語化できるようになるまではとても長かったけど、ある時にふと相手に伝えられるようになる瞬間がくる。


最後に

実は私は大貴さんには大学時代とてもとて〜もお世話になっていました。
就職してからはあまり話す機会もなかったので、久しぶりにどんなことを考えているかを知ることができて純粋に嬉しかったです!

そして漠然とですが、私も大貴さんと同じように地元で起業をしたいと考えていたりします・・・!
元々は会社に属していた身で感じていた違和感も当然あったし、Uターンしてきた後のトライアンドエラーも、今まさに真っ最中!というところなので、大貴さんの言葉が自分ごとのようにスイスイと頭に入ってきました。

そしてマーケティングについても、私も今仕事で関わっている分野なのでとても頷きたくなる箇所がたくさんありました。特にその中でも、マーケティングはあくまでコミュニケーションの手段であることを見失わないようにしなければなと。

その先の「目的」や「想い」をしっかりと持ちつつ、気持ちの良いサイクルを地道に回し続けて、自分も含めた周りが幸せになるようなことをしていきたいなと改めて思える時間になりました!



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