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【前編】秘境北三陸の洋野町。ウニの町と呼ばれる理由とは!!

ひろの【岩手県洋野町】

岩手県沿岸最北の町、洋野町。
水産業、中でもウニが有名な町です。ここは、世界で唯一のウニのための環境が整っていて、世界で一番美味しいウニが採れます。
また、NHKの連続テレビドラマ「あまちゃん」の舞台となった久慈市と隣で、南部ダイバー発祥の地でもあります。

今回、洋野町を紹介してくれるのは、きっかけ食堂に洋野町の素晴らしさを伝えるべく、度々ゲストとして登場してくれる星くんです!
魅力が溢れすぎてボリューム満点になってしまったため、洋野町の記事は前編後編に分けてお届けいたします!


星空之介のありのままの東北旅

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初めまして!
今回、きっかけ食堂観光記事を描かせていていただきます、星空之介です。

私が描かせていただく地域は、北三陸 岩手県洋野町です。
みなさん「洋野町」って聞いたことありますか?
洋野町は、世界に誇る海鮮とあたたかさがある地域です。
そんな僕の大好きな洋野町と洋野町から世界を変える地域商社についてお話しさせていただきます。

僕と洋野町のつながりは、復興庁主催の復興創生インターンでした。
大学で募集があることを知った僕は、タダで東北に行けるという話を聞いて乗っかり、それまで行ったことがなかった洋野町の地域商社「北三陸ファクトリー」でインターンをしました。そこで出会った地域の人たちや街の雰囲気、美味しい海鮮に魅了されて僕は洋野町の虜になりました。
洋野町は外から来た名前も知らない僕のような大学生が、「町でイベントをするから協力して欲しいです」とお願いをするとすぐに「自分たちのできることなら!」と協力してくれて外から来た人でも受け入れてくれるあたたかさのある地域です。

また、ウニ牧場のウニや、南部ダイバーのほやなど他の地域では味わうことのできない本当に美味しい海鮮が食べれる最高の町です。
今では僕の第二の故郷として里帰りをするほどになっています。


限界集落から世界を見つめる地域商社とは!

人口1万2千人の街「洋野町」の地域商社「北三陸ファクトリー」
北三陸ブランドを確立し地域のため世界をみつめ、新たな水産業の構築する会社の実態に迫ります!

今回は、僕がインターンをさせていただいて、今でもたくさんお世話になっている北三陸ファクトリーの下苧坪之典社長(写真左下)と眞下美紀子(写真右下)さんに取材させていただきました!(写真右上はきっかけ食堂事務局長の弘田さんです)

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今回は実際に訪問できなかったので、オンラインでお二人とお話しながら洋野町が誇るウニや観光地について書こうと思います!!


北三陸ファクトリーのついて僕の気になっている質問をさせていただきます!
「北三陸ファクトリー」という社名にはどんな意味があるんですか?

社長
一言では言えないけど、簡単にいうとエリアを象徴できるブランドを作りたい。
僕自身、北三陸がどんなエリアになっていったらいいかなって思った時にこれまで過去の人たちがやってきたことではなく、新しいことをやっていこう「新しいローカル」を作っていこうと思った。

そして北三陸は外洋に面しているからそのダイナミックさ。会社として海外市場を目指しているので新しい日本。

プレミアムな小規模感、エリア発信の旗頭となるような高いシンボル性のブランドが必要かなと僕は思っていて。じゃないと勝てないと思った。
北三陸ファクトリーっていう名前に落とし込めたのは、やっぱり、ウニとかアワビとかホヤとかナマコとかわかめもそうなんですけど、非常に高品質な食材があって、その高品質な食材をちゃんと形に高く販売できている業者がなかったんですよ。


「北三陸ファクトリーの『ファクトリー』は工場ではなくて工房というイメージ」と話す、下荢坪社長。大量生産を連想させる工場ではなく、よりクオリティの高いものを生み出そうという思いから、工房という意味でファクトリーの名をつけたのだといいます。

さらに社長は北三陸ファクトリーのロゴマークについても説明してくれました。

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社長
北三陸ってどういう地域なのかなってみた時に目の前に広がる太平洋沿岸ってすごい広いじゃないですか。
世界地図から北三陸を見たときに、
「from the coast of the north west pacific ocean」
北西太平洋沿岸と言うのを英語にしたくてしたらこうなっちゃって、これも伝えたいなと思いました。また、北三陸エリアで神事に使われている黒ソイって魚をモチーフにしてここに黒ソイをぶっ刺した。そして世界のどこから見ても一瞬でわかるマークにしたいと思ったので、世界中の誰でも世界観を感じてもらえるようにこのマークにして、北三陸ファクトリーって名前にしました。

弘田
めちゃめちゃ背景ありましたね!!
なんか北三陸の工場っていうイメージがありましたけど、全然違かった笑
これめっちゃ熱いです!!ソイなのがまたいいですね!!
社長
鮭って岩手県の県魚なんですね。なのでみんな取り扱ってきたし、新しくないなと思ってだったらあまり光が当てられないようなものにも光を当てようという意味合いでソイにしました。

ソイはその名があまり知られていないことから、地元でも口にしたことのある人は少ないそうです。そのため市場にでても本当は高級魚なのに安く買い叩かれてしまうそうです。

下荢坪社長は、ソイのようなものにも光を当てていきたいと話していました。

続いて、今商品のお話をさせていただいたので、北三陸ファクトリーの商品の中でお二人のイチオシ商品を聞いてみました。

眞下
個人的に、気持ち的に強いのはタコの燻製!!
2015年に東北オープンアカデミーに参加して、社長から北三陸ファクトリー当時ひろの屋で当時色々商品開発しています!っていう時期で、その時唯一売ってるってあったのがタコの燻製でした。それを秋葉原駅の構内でフィールドワーク参加者と一緒に売ってたっていうのがすごく印象的で私の中で大好きな商品です。

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【タコの燻製写真】


洋野町と言えば八木港のタコも有名ですもんね!
僕も大好きです!!美味しいですよね!!
社長
その時はウニも取扱なかったし、アワビも取り扱えなくてわかめしか武器がなかった。
それで八木の入札権を手に入れてスタートしたんですけど、僕もすごく想い入れがあって。
最初、手で塩揉みして滑りをとったり洗濯機で試してみたりしたんですけど、これから新工場ができて新たなタコ製品もどんどんできていきます。だからタコでもいいと思うんだけど、やっぱりウニじゃないの(笑)

やっぱりウニですよね笑
眞下
それはやっぱりそうです笑
社長
加工品だったらウニバターかな

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岩手バターのなめらかな感じと、ウニの濃い味がして何にでも合うバターですよね!ウニバターは最高です!

ウニバターは満点青空レストランやヒルナンデスでも紹介され、パンだけでなく、お肉に乗せても美味しく食べれるのでぜひみんなに食べていただきたいです!


次に建設中の新工場についてお聞きしました。
これまでとは違ったこれからの水産業を牽引していく北三陸ファクトリーの作るファクトリーとはどんな場所なのでしょうか??

社長
工場建てる背景は6年ぐらい前にウニを取り扱いたくて工場設計を設計会社に頼んでやってもらったのですが、資金面でダメになり、知り合いの助けがあって給食センターをリノベーションをしてウニの加工工場を作ってなんとか洋野町のウニのブランドを作っていこうとやってきました。今ちょうど6年間目ウニを扱ってきて思ったのは、これから先、国内のマーケットはどんどん小さくなっていくし、海外で北三陸のブランドを広げていくには衛生基準の高いところでじゃないと流通できないことがわかった。それでうちのメンバーと、新たに新工場建設をして新しいお客様、特に遠い海外のお客様に食べていただきたいので新工場を作りました。
これまではBtoBでやってきたけど、ファン作りBtoCということで直売所、その直売所の横にデッキがあってそこでなまうに丼が食べれるようにしてます。北三陸というより日本のローカルを元気にできるように展開をして行けるような工場が間も無く完成します。

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間もなく完成する新工場

最近では北三陸ファクトリーのSNSでもその建設の様子が公開されています。
生うに丼が食べれる海の見えるデッキや、太平洋に向けたファクトリーのロゴがとてもかっこいいファクトリーです。
洋野町の新たなシンボルとなり、観光地となるスポット。
海と生産者を近くに感じることができ、ウニやウニ牧場、洋野町の漁業を実際に体感しつつおいしいウニを食べれる新工場。ぜひたくさんの方にきていただきたいです!
完成は2月中で竣工式は3月6日にライブ配信されるそうです!


おお!!それは楽しみです!
これからどんな展開をされていくんですか??
眞下
新工場だけではなくて、星くんがインターンの時に走りを作ってくれた北三陸うみの学校(地域の漁業関係者と地域の学生の学び合いフィールドワークのこと)が実は動いています。
もちろんエリアをつなげたり、ウニの栽培センターだけではなくてエリアのブランディング、地域のブランディングのために繋げていきたいと思ってます。
私は学びの場を作りたいな。と思っていて、ウニ牧場を知ってもらって、北三陸、洋野町、ウニ牧場って感じで憧れの場所であって欲しい。それは子供も大人も外国の方でもみんなの憧れの場所であって欲しくて、そのために教育のコンテンツでつなぎたいです!!!
もっともっとウニ牧場を知ってもらえる、北三陸の地域を知ってもらえる、魅力と食材と食材が作られる背景がしっかりと食材が作られる背景や思いがしっかりと伝えられる場所を作りたいです。


2年前にやったことが継続して動いてることが嬉しいです!!
洋野町のおいしいウニを食べて、この地域を知ってくれて、洋野町で漁業を学んで将来は漁師になる!!って言ってくれる人がいたら、頑張った甲斐があるなと思います!

次にこれまで意外と語られてこなかったことに突っ込もうと思います。
ウニ牧場の名前の由来を聞いてみました!!

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ウニ牧場

社長
ウニ牧場はなんとなくだよ、直感で!
直感になった背景は、いいミルクを飲みたいから。いい牛乳ってどんな環境だと思う??
例えば機械に入れられて、吸引機で作られるミルクがいいのか。伸び伸びと美味しい草を食べて成長したミルクがいいのか。それをみていてどう考えても放牧の方がいいじゃないですか。ウニにとって今、ほとんどのエリアって餌が食べれないような状況なんですね。でも洋野町のうにはウニ増殖溝というものを活用して、いい昆布とか海藻を食べれる場所を先人が作ってきた。これって牧場に似ているなと思って牧場感を出したかった。
うちのまちは放牧しつつ、いい草を食べれる環境を50年以上前から整えていて、しかもウニって牛乳瓶に入っているじゃないですか。これはもう牧場だと思って。天然物だけど限りなく天然に近い養殖みたいな感じをお客様に膨らませていただければいいなと思ってます。

本当にたくさんの想いが詰まってできた言葉なんですね!
僕もしっかりと聞いたことなかったので新たな発見です。
ウニ牧場って可愛いからつけられた言葉ではありませんでした。岩手の文化を取り入れた素敵な言葉でした。これはウニ牧場への印象がかなり変わりますね!!

身の詰まりも想いの詰まりも世界一!!北三陸に咲く花 ウニの魅力とは!?

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次にお二人にウニの魅力を聞いてみました。

眞下
ウニ自体、私はだいすきで、ウニを食べてもらうとみんな幸せそうな顔をしてくれて「あ〜!ウニだぁ!」っていう反応をもらえる。
ウニって聞いただけで幸せそうで、食べてまた幸せそうにやっぱ美味しい。
程よい磯感がなんか海を連想させたりだとかそんな表情をいただいて、ウニは人を幸せにするなと感じる。ウニは幸せの象徴と考えています。
社長
同じかな。一口で人を幸せにしたり、人を惹きつける食材がウニなんですけど、世界中のウニの中でも徹底的に管理して出荷まで4〜5年かかっていると言われているんですけど、その中で一番生産者の思いが詰まっているのが洋野町のウニだと思っているので、ただウニだというのではなくて、うちの漁師たちの結晶。すごく特別なものだと思っているので、特別なものであれば、特別な人、特別な時、特別な瞬間に食べてもらいたいなという感じです。
眞下
ウニ牧場のウニっていうのは、小子内浜が地元の浜で、潮干狩り行ったりだとかしてたところで、印象的な場所なんだけど、そこで作られるウニがまた美味しい!!
科学的根拠はないけど、漁協さんの努力なのか、潮の関係なのか、森からの養分なのかわからないけど、洋野町の他の地域よりも美味しい。
弟が東京に住んでいるんだけど、ウニ送ると小子内浜のを指定してくるくらい美味しい。それじゃないと食べないとかあったりして、地元の中の地元のウニは特別な存在。
なんか食べた瞬間に風景が思い出して、美味しいだけじゃ言い表せないものがあります。


ウニは人を幸せにするというのは、以前社長から聞いて感銘を受けた言葉で大好きな言葉です。

眞下
また、漁業者さんと話していると、彼らははウニを宝だっていうんです。磯焼けを起こすウニは害獣でって聞くと漁業者さんみんな怒る。磯焼けがあったとしても宝だって。その中には言葉にできない大事な存在だ、ウニは地域のものだ。っていう漁業者さんもいて、その言葉に漁業者さんの想いって詰まっているなと思って、他の地域にはない想いなんだろうなって漁業者さんと話していて思います。


洋野町のウニは身もすごく詰まっているけれども、それ以上に想いが詰まっているウニというのがよくわかりました。!
その想いを食べていただく方にしっかり伝えていくことで、漁師さん達の想いが磯の香りに乗ってお客様に届いていく。という世界で唯一のうにが洋野町のウニです。

前編では洋野町のウニの魅力満点でお送りしました!後編では地元のお二人から聞く町の魅力について書いて行こうと思います!

北三陸ファクトリーのウニはこちらからご購入できますよー!

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