アンサンブルグラントの活用事例

災害科学国際研究所(IRIDeS)WG委員の佐々木大輔と申します。「アンサンブルグラントの活用事例」と題して寄稿させて頂ければと存じます。

既に他のWG委員からも紹介されている通り、「東北⼤学附置研究所若⼿アンサンブルグラント」は、学内の若⼿研究者による連携を促進する目的で、全研究領域を対象に、個⼈の⾃由な発想に基づく部局間連携によって⽣み出される萌芽的な学術研究課題に対して助成を⾏うものです。私も2018年度から4ヵ年度連続でグラントを獲得させて頂き、学内の複数の研究者と学際的・分野融合的な研究に従事いたしました。

例えば、2019年度の採択課題である「火山災害における経済被害額の算定手法の精緻化に向けて:インドネシア・クラカタウ火山を事例に」では、理学研究科の地引泰人准教授とともに、インドネシアのクラカタウ火山を事例として、現在インドネシアで主に採用されている経済被害額の算定過程及び手法について整理を行いました。2019年11月25–26日には、現地(インドネシア)のチレゴン市防災当局(BPBD in Kota Cilegon)・バンテン州防災当局(BPBD in Province Banten)・国連開発計画(UNDP)インドネシア事務所等において、関係者へのヒアリング等を実施しています。

図_現地調査

図 現地調査(ヒアリングの実施)
[チレゴン市防災局(左)、バンテン州政府防災局(中央)、UNDPインドネシア事務所(右)]

2020年度からは、グラント採択課題を発展させた研究課題である「経済被害額の算定過程を事例としたインドネシアにおける防災行政の組織間関係の再検討」が科学研究費助成事業(基盤研究(C))(研究課題/領域番号: 20K12340、研究代表者:地引泰人)に採択されており、現在も研究を進めているところです。

このように、他部局の研究者と学際的・分野融合的な研究に取り組み、外部資金の獲得につなげることができたのは、まさにアンサンブルグラントのお陰であると感じています。皆様にも是非、部局間連携による学際的・分野融合的な研究を進めるべく、アンサンブルグラントをご活用頂ければ幸いです。皆様からの積極的なご応募をお待ちしております。

(災害科学国際研究所(IRIDeS)・佐々木大輔)

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