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月下美人【散文詩】



君は何も言わなかった。


君の人生の苦しみを、一つ一つより合わせて糸にして、悲しみと一緒に編んだ縄を首に巻いたら救われる気がした。

君は常日頃からあんなことを言うから、どうやら君の願望だと君の脳は認識してしまっているらしい。

僕の持ってるコップには穴でも空いているんだろうか?水のような感情で満たされたことはなかったから。

例え君が首を括っても誰も救われはしないが、きっと僕ならば、それが成せるんじゃないかなんて思ったりもするんだ。

まるで春のような思考だろう?でもそれでいいんだ。今この世に存在していない君の影を、青く塗りつぶすことが僕の意義だと、見出してからは。


空気の先端に行きたいって言ってた君は、もう今では星空なんて見なくて、地中に希望があるかのようにうなだれてばかりいた。

実際にそう思ってたとして否定はしないし、別に面白くないなんて言うつもりも毛頭ないんだけれど、今の君は水溜まりを作っている気がしたからそれなら止めないとと思うんだ、僕は晴れの方が好きだし。



結局救われるのも君次第、だから何も望まないことを望むなら僕はその通り何もしないけど、だけど、出来れば、救わせて欲しいな。

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