【アニメ】『ぼっち・ざ・ろっく!』感想~ぼっちロキノン系東北おじさん感涙、蘇るルサンチマン
ちょっと!ちょっとちょっと!もっと早く誰か教えてよ。おじさん完全に勘違いしてたじゃないですか!
アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』最終話。
(以下、アニメの内容ネタバレが含まれます!注意!)
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ぼっちちゃん、アジカン歌ってるじゃん!
こちらのnoteでは、アジカンのゴッチこと後藤正文さんも日記を書かれており、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』を鑑賞されたこと、そしてここ最近では、私も訃報に愕然とした高橋幸宏さんの旅立ちなどについて記されております。
なので、あまり一般ピープルおじさんがアジカンアジカンと騒ぎたてるのも、ひょっとするとひょっとしちゃう可能性があるのである程度自粛いたしますけれども。
このアニメ最終回でのカバーはヤバかった。完全に歌詞が主人公のぼっちちゃんの心情じゃないですか。押し入れの中でコッソリ録音したという設定のウィスパー気味のボイスで歌われる『転がる岩、君に朝が降る』。何気ない日常の風景が流れるシーンで、新鮮な鶏肉かと思う程の鳥肌がたちました。
嗚呼…。
はい。ワタクシ東北おじさんこと長谷川誠、完全に勘違いしていました。何がって、『ぼっち・ざ・ろっく!』について。
☆『ぼっち・ざ・ろっく!』に関する、大きな個人的勘違い
女子中高生に、男子やオッサンの趣味事をやらせてニヤニヤするという、某まんがタ〇ムき〇らを中心とした流れに、ちょっと疲れていました。疲れていたというか、食傷気味というか。
落語が好きなもんだから、もっと流行ってほしかった『じょしらく』(非きらら作品)はイマイチな盛り上がり。戦車が流行れば、やれ戦艦に乗せたり、戦闘機に乗せたり…。キャンプさせたり、スーパーカブに乗せてみたりしたのは、ちょっとした流行を生み出しましたけれども。
個人的な「女子中高生が〇〇やってみた」系アニメの金字塔は、「よりもい」と略され愛されている、『宇宙よりも遠い場所』。
「南極に行ってみた」の動機、途中経過、結果全てに「嗚呼、(自分にはなかった)キラキラな青春よ!」とどハマりし、最終話に至ってはエグエグ泣きながら鑑賞した名作でした。
バンドものに関しては、完全に京アニの『けいおん!』が金字塔。それ以降はパッとしない印象がありました。どちらかと言うと、アイドル目指します系アニメで楽器を演奏することで「バンド?」が消費されていたような印象。
なので、『ぼっち・ざ・ろっく!』(以下ぼざろ)の存在は、漫画の段階から知ってはいましたが…
「あ、『けいおん!』も名作だけど、そろそろ賞味期限っぽいし、次世代版が出たのかな…。”ぼっち”という昨今の世間様に刺さりそうな属性を盛り込んだのか、なるほどなるほど」(脳内で一人高速早口喋り)
などと、オタクにありがちの早計な”知ったか”判断。アニメが異様な盛り上がりをみせても完全にスルーしていたわけで。
アニメが盛り上がってきても、盛り上がっている詳細を確認することもなく「うん。まぁ、一応流行ったみたいだし、とりあえず後でまとめて観ておこうかしら…」ぐらいの温度だったわけで。
そんなスタンスで1月アニメやらゲームやらに右往左往していると、noteで日々お世話になっているコケ博士が先に鑑賞終了したとの一報。
どハマりするほど面白かったと聞き、こりゃいかんと慌てて重い腰を上げたわけなんです。
…すると、どうでしょう。
東北おじさん(レベル46)の音楽に関する思い出やら黒歴史やらが、溢れ出るわ出るわのノスタル爺。そんな個人的な音楽に関する数々の記憶や想いをロック(揺さぶる)してくれるド名作。
ぼっちちゃんの成長に、流れる音楽に、そして何より音楽の素晴らしさに感涙するド名作だったわけなんですな。
嗚呼、哀しき勘違い。
☆『ぼっち・ざ・ろっく!』とは?
ぼざろ未経験者の方にザックリと、アニメ化された部分を人様の手を借りて説明しますと…
という、『けいおん!』流れの軽音楽部系かと思ったら、ライブハウス中心の雑誌ロッキンオン系だったでござる、という物語。
アニメ第一話で、主人公のぼっちちゃん(後藤ひとりのあだ名)がクラスメイトから声をかけてほしいあまり、妄想が暴走。ギターを背負い、手にはライブやフェス入場用のリストバンドを巻き付け、教室の席でロッキンオンJAPANと思しき雑誌を読んでいることからも、明らかなロキノン系であることが分かります。
しかも主人公ぼっちちゃんは、ガチの「ぼっち」。アニメでも表現されていましたが、所属するバンド「結束バンド」のベース山田リョウの「一人好き」とは、天と地ほどの差がある完全無欠のコミュ障「ぼっち」。
そんな「ぼっち」ギタリストがゆっくりと迷いながら成長し、音楽の素晴らしさを感じていくわけであります。
ちなみにアニメ版では、作品における音楽的な側面も、しっかりとリアルに現実とリンクさせてくれています。
その他にも、原作者のはまじあき先生がアジカンのファンであることから「結束バンド」のメンバーの苗字は全てアジカンの皆さんから拝借されていたり。
主人公後藤ひとりの苗字は、アジカンの後藤正文さんから。後藤ひとりのあだ名は「ぼっち」、後藤正文さんの愛称は「ゴッチ」。アニメ最終回でぼっちちゃんがアジカンを歌うのも当然の流れと言えば当然でしょうか。
他にも音楽ファン、というか、バンドマンやロキノン系サブカル音楽ヲタを喜ばせる要素てんこ盛りでアニメ化された物語、それが「ぼざろ」。
そりゃあ、音楽業界も大盛り上がりしますわな!
ちなみにHMV仙台E BeanS店では『ぼっち・ざ・ろっく!』好きな方におススメ!として、様々なロックバンドがおススメされていました。最近のバンドから、嗚呼懐かしのナンバーガールまで(笑)
☆そしてロキノン東北おじさんの感想
アニメ1期、全12話。アマプラで一気に鑑賞しての感想は、もうこの一言に尽きるでしょう。
音 楽 っ て 素 晴 ら し い !
個人的な見解ですが、ロックとは「人の情念・情動のこと」を指していると思っています。ポジティブなものから、ルサンチマンといったネガティブなものまで、その人のココロの中でゴロゴロとローリングしているストーンのようなもの。
なので、アイドルだろうが、作家だろうが、漫画家だろうが、会社員だろうが、主婦(夫)だろうが、おじいちゃんおばあちゃんだろうが、無職ニートだろうが、ロックが感じられれば、それはもう「ロックだよね」と思います。
そして、ぼっち・ざ・「ロック」。
これは、ギター、バンドという「音楽」を通して表現された、ぼっちちゃんの「ロック」。アニメに感動し、改めて、自身のロックを表現することに、「音楽」という手段が、如何に有効で強力なのかを再認識させられました。
嗚呼、だからこそ、音楽って、本当に素晴らしい。
そんな音楽の素晴らしさを感じるアニメを観ていると、「音楽」に助けられてきた、東北おじさん自身の様々な陰陽ごった煮の思い出がフラッシュバック☆ディスコしてきてしまう程…。まぁ、さすがにそれを書いていると収拾がつかなくなるので自粛しますが(笑)
音楽の素晴らしさを改めて感じるアニメと言えば…
岡村ちゃん(岡村靖幸)の無駄遣いに大爆笑しながらも感動した、こちらのアニメ映画『音楽』もありました。
しかし、この作品はちょっとサブカルに寄り過ぎだったかもしれません。音楽好きなサブカル界隈の人しか盛り上がってなかった印象です。
しかし、我らがアニメぼざろ(我らが?)
アニヲタ・ロキノン系音楽好き・バンドマン・サブカル好き、全てを怒涛の勢いで巻き込みながら、美少女アニメという土俵の中心から狂ったように音楽の素晴らしさを鳴らしてくれた作品だったのではないかと思いました。
これ、音楽業界も巻き込んで、こんだけ盛り上がったわけですし、絶対、2023年のロックフェスで何か動きがありそうな気が…。とか邪推してしまいたくなるほどのロックなアニメでした。
☆蛇足あるいは重箱の隅的な考察等の箇条書き
※後藤ひとり(ぼっちちゃん)の父について。
決して顔が描かれないぼっち父。これは女子グループがキャッキャウフフ系アニメの伝統芸「男性ファンが嫉妬しないようにするため」の手法かと思いましたが、モブの男性キャラは顔が描かれていたことに気がつき邪推。
ぼっちちゃんに貸したギブソンのギター(本物のレスポールカスタムならウン十万円レベルの代物)の所有者。犬につけた名前がジミヘン。そして苗字が後藤。
ひょっとしたら、ぼざろとは、原作者のはまじあき先生のアジカン熱が産み出した「もしもアジカンの後藤正文さんにぼっちの娘さんがいたら…」という物語なのではないか…
※アニメの表現手法について
時折入る実写やクレイアニメーションが良かった。まんがタ〇ムき〇らっぽくなくて良かった。それがなくて、きららっぽさ(言っちゃった)全開の喜多ちゃんの「キタ~ン☆」だけだったら、ここまで刺さらなかったかもしれない。
ダメ人間に深くぶっ刺さるリアリティある表現(ストゼロ中毒のニート、心太の飛び込み訪問販売営業など)には大爆笑。
パロディ的な表現にも大爆笑。トンビにソフトクリーム奪われて、襲われてヤムチャの死亡状態って(笑)
※その他、周辺キャラについて
きくり姉さんのバンド「SICK HACK(シックハック)」がサイケデリックロックバンドっていうの最高。しかもライブシーンでは、なかなかにサイケな曲が流れて感動。リョウが早口で説明する「サイケロック」がしっかりとその起源を説明しており、それにも感動。
※無駄に長くなってしまった…
嗚呼、ついついドが付くほどの名作アニメなもんだから、また熱が入り過ぎてしまった…。ホント、これで自分の音楽遍歴とルサンチマンなんかについて書いていたら終わらなくなるところで御座いました(笑)
※ということで、ご清聴、誠にありがとうございました。
以上。
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