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優れたマネージャーはルール破りの達人

少し前に、ギャラップ社の新刊『まず、ルールを破れ』(日本経済新聞出版)から「会社を辞めるのではく、直属の上司から離れたいから辞める」という話題をお届けしました。

会社を辞めるのではく、直属の上司から離れたいから辞める|鵫巣和徳/ビジネスコーチ|note
 
この本は、マネージャーの方にも、そのもとで働く社員の皆様にもとても有益な情報満載ですので、ここで再度お勧めします。
まず、ルールを破れ 新版 すぐれたマネジャーはここが違う | ギャラップ, 大岸良恵, ジム・ハーター |本 | 通販 | Amazon
 
今日はこの本の中から、優れたマネージャーが共通してやっている事柄のひとつをシェアします。
 
それは「最高の部下に最も多くの時間をかける」です。
 
多くの企業では人事部門が社員に求めるコンピテンシーリストをつくり、その評価をマネージャーと共有し、出来ている部分はスルーして、スコアの悪い項目は「伸びしろのある分野」として取り上げられ、次年度の個別開発計画の重要事項となります。
 
そして部下の「低いスコア項目を改善すること」はマネージャーの大切な仕事として位置付けられ、その成否はマネージャー自身の評価にも影響を与えるケースがあります。

部下の育成にどれだけ注力したかと。
 
そこで多くのマネージャーは多くの部下の中で「最も生産性の低い部下」の育成に多くの時間を費やしてしまいます。
 
実際にギャラップの調査過程でも「できない部下に時間をかけて投資するのは当然だ」というマネージャーが多いと言います。
 
でも、優秀なマネージャーはそんなことは決してせずに「最高の部下に最も多くの時間をかけている」と答えています。
 
これが、ギャラップが言う「まず、ルールを破れ」のひとつの事例です。
 
もちろん、このことは「できない部下は無視しろ」とか「放置しろ」ということではありません。
 
優れたマネージャーは、自分が部下と過ごす時間は「部下たちの弱点を矯正する」ためではなく、「部下たちの才能を解き放つにはどうしたらよいかを懸命に考える」ためにあるということを、知っているということです。
 
優れたマネージャーは会社のルールなんか気にしません。
彼らが共通して持っていた考え方は次のようなものでした。
 
「人はそれほど変わらない。
足りないものを植え付けようとして、時間を無駄にするな。
その人の中にあるものを引き出そう。
それだけでも大変なのだから。」
 
最も優秀な部下と一緒に過ごす時間を大切にし、自社内のベストプラクティスを研究し、理解し再生しようとする。
 
すなわち「最高の部下に投資することが、最も公平」なことだと認識しているということです。
 
私は拙著「ストレスフリーな52歳からの働き方」のなかで、「会社の常識を疑い自分の価値観と向き合う訓練をする という小見出しを設けました。
ストレスフリーな52歳からの働き方 | 鵫巣和徳 | メンタリング・コーチング | Kindleストア | Amazon
 
会社の中の規則や常識は、その会社独自の「世界観」に基づいて作られたものが多く、それらがすべて正しいと思って後生大事に握りしめていると、その会社を卒業して次のステージで働こうとしたときのとても大きな障害となります。

「自分が正しいと思って運用してきたルールは、社会一般では通用しない!」ということを、退職後に気づくのでは遅すぎます。
 
優れたマネージャーたちは、ときには会社の常識やルールを破って、自分が正しいと思う価値観に沿って生きている

まず、常識を疑うことから始めましょう。


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