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組織の優劣は「平凡な人に非凡な成果をあげさせるか否か」にある

昨年の10月31日に、NHKの「スポーツ×ヒューマン」という番組の「逃げるな 泥にまみれても~中日ドラゴンズ監督 立浪和義~」というタイトルの放送を偶然見ました。

監督就任1年目にして最下位の苦渋を味わった立浪監督の特集でしたが、見終わったときの私の率直な感想は「?」だったことを鮮明に覚えています。
 
「?」をちゃんと言語化すると

「もしかして、立浪さんは何もわかっていないのでは?
 このままだと来年も最下位間違いないかも」

でした。
 
このことについては、番組放送直後に会った友人(彼は大学時代まで野球を熱心にやっていた)と話しをして、彼も全く同じ感想をその時言っていたので、今季、ドラゴンズがぶっちぎりの最下位でいる状況を見てから言っているわけではありません。
 
私は野球は少年時代の草野球までしかやったことがないし、スポーツチームの指導をしたこともないので、プロとして大活躍した選手や監督の姿を見てとやかく言える立場ではありませんが、チームリーダーとしてどうあるべきかという観点からはいろんなことが垣間見えてきます。
 
私はその番組で立浪さんが言っていた、次のような言葉に引っ掛かったのでした。
 
「我々の現役時代は、もっと厳しい環境でやってきましたし負けず嫌いでもありました。

今の選手は弱いですね。」
 
これを聞いての「?」だったのです。
 
リーダーが、自身の過去の成功という物差しをもって今のメンバーの指導に当たっている。
 
毎日ものすごいスピードで物事は変化していっているのに、自分の成功体験が頭から離れず、今目の前にいる選手たちと目線を合わせようとしない。

そういうリーダーは世の中にたくさんいますが、そういう方々は決まって「自分がやってきたやり方が正しい」という考えを持っています。
 
立浪さんがそういう人物かどうかは、テレビを通じた印象しか知らないので何とも言えませんが、結果がすべての世界のことなので、組織の評価について今後もいろいろ言われることでしょう。
 
ドラッカーは『経営者の条件』の中の、「人の強みを生かす」という章の中でこう言っています。
 
「組織を評価する基準は天才的な人間の有無ではない。

平凡な人間が非凡な成果をあげられるか否かである。」
 
マネジメントは人に関わることであって、人は理念と価値観によって動かされるとき、信じがたい成果をあげることができます。
 
リーダーはごく平凡な人から強みを引き出し、成果をあげる必要があります。
 
どのチームもどの組織も、基本的には平凡な人達の集まりです。

違うのはリーダーの資質だけです。
 
人の強みを生かし、人に敬意を払い、人に投資することが大切です。
 
そのためにリーダーに必要なたいせつな習慣のひとつが「コミュニケーションを行う」です。
 
コミュニケ-ションなくして人の強みはわからないし、コミュニケーションなくして人に敬意を払うことも理解し合うこともありません。
 
多分わかってくれていると思う、とか、言わなくてもわかるはずだは禁句です。
 
中日ドラゴンズの立浪監督を引き合いに出してしまい、ドラゴンズファンの皆様には申し訳なかったのですが、リーダーの責任はとてつもなく大きなものだということを学ぶことができます。
 
みなさんはチームのリーダーとして、メンバーと十分コミュニケーションをとれていますか?

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