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【日本酒記 その一〇】鳳凰美田

 鳳凰の華麗な舞が目を惹く黄金ラベル。酒屋で一目見たときから、近いうちに手に入れたい!と熱望した銘柄、それが「鳳凰美田」だ。今回は待望の一品を開栓したので、記事を更新したい。

 まずは簡単ではあるが、蔵元の紹介をさせていただく。栃木県小山市に位置する小林酒造株式会社は、一八七二年(明治五年)に創業。豊かな自然環境に育まれた日光山系の伏流水を用いて、数多の名酒を醸している。かつて美田村(みたむら)と呼ばれた良質な米の産地から、その名がつけられた。
 鳳凰美田シリーズのなかでも、今回ご紹介する「Black Phoenix 純米吟醸 無濾過本生」はとにかく、ラベルを見たときの第一印象は「かっこいい!」であった。他の種類は達筆な書体で「鳳凰美田」の文字が踊るが、当該の品はアートのようなラベルが存在感を放っている。早速、スペックを紹介しよう。

ラベル表面
ラベル裏面

Black Phoenix 純米吟醸酒 無濾過本生

原材料名 米(国産) 米麹(国産米)
原料米 兵庫県産愛山100%使用※
精米歩合 55%
アルコール度数 16〜17度※
日本酒度 ±0※
酸度 1.6※
火入れ なし

(情報掲載サイト複数参考による)

 まずは冷酒で呑んでみる。開栓して瓶の口に鼻を近付けると、わずかにフルーティーな香りが漂うのがわかる。しっかり冷えた状態だ。グラスに注いでみる。

綺麗な透明感あり

 見た目は無色透明。一口、呑んでみよう。ふむ・・・。香りで感じたとおりのフルーティーさと、心地良い甘みがある。辛さはほとんどないように感じたが、少しだけ後味に酸味がある。切れ味は薄めだ。奥深い甘みがあり呑み応えがある。
 時間をおいて、常温でいただくとどうなるのか、様子をみた。
 フルーティーさと甘さは継続している。そこに喉が焼けるような辛さがわずかに出てきた。口内へ広がる酸味は強くなる。これもうまい。さて、燗酒が楽しみだ。
 沸騰した鍋から徳利を引き上げ、盃に注ぐ。上燗ほどでいただいてみた。如何に・・・。うむ。甘さが消えるかと思えばそうでもない。フルーティーさもしっかりと生きている。つまり、芯がどっしりとしているわけで、流石の一言。燗にすることで酒らしい酒になったようだ。

お猪口に注ぐ

 結果的には、どの温度帯でも満足感を得ることができた。冷酒の生酒はもちろん旨いわけだが、常温良し、燗酒良しのオールラウンダーな酒として私の記憶に定着した。
 鳳凰美田シリーズのなかでは異色なラベルで目を惹く一品だが、通年商品やスタンダードなものをいただいて呑み比べをしたくなる、次に期待が膨らむそんな晩酌であった。
 皆様も是非、手に取ってみては如何だろうか。下記に蔵元のホームページを掲載しておくので、ご参考になれば幸いである。

鳳凰美田醸造元 小林酒造株式会社
蔵情報|鳳凰美田|公式ウェブサイト (hououbiden.jp)

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