逃したチャンスの後始末

「チャンスの神様には前髪しかない」という。
来たと思ったらすぐ捕まえないと、
通り過ぎた後ではもう掴めない。

神様の髪の毛に掴みかかんの？
って思わんでもないが、
なるほどわからんでもない。

この話、小学生の時先生が授業で話してくれて知ったのだが、
いかんせん屁理屈言いたい盛りの生徒たちである。

「そんなん服掴んだらいいやん！」

「いや…… 服着てへん！　チャンスの神様は服着てへんねん！」

「腕とか掴んだらいいやん！」

｢いや…… 油！　チャンスの神様は身体に油塗ってんねん！」

屁理屈を言いまくる生徒たち。
なんとか話を成立させようとする先生。

せめぎあいの結果、
「前髪しかない上、全裸で全身に油を塗りたくった人が歩いてくる」
という恐るべき話になってしまった。
怪人。まごうことなき怪人である。

もしその人がチャンスの神様だったとして、
決してそんな人に己の命運を預けてはならない。
皆さんもチャンスの神様に出くわしたら、
迷わずスルーされたし。

今回の写真は、通り過ぎる秋を捕まえようと、
鮭ときのこをクリームパスタにしたもの。

鮭もきのこも、私の好みでは一旦焼いて香りを出してからクリームでアレしたい。
まろやかだけどぼやけないが目標。

チャンスの神様はスルーしてよいけど、
一瞬で過ぎちゃう秋は、なんとかキャッチしたいよね。
旬の味覚を食卓に捕まえて、
あわよくばそいつできみの胃袋を捕まえて。

そしてこれからやってくる冬には、
きみのハートをおれんちに捕まえてしまいたい、なんつってね。ふふふ。

む、しまった！
くだらぬことを言っておるうちに、
もう全然誰もおらぬ上、
あたり一面油まみれになっておるではないか！

やっぱ待ってチャンスの神様。
せめてモップだけかけといて。