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鱧の子の#炊いてみた

今日もいつものスーパーに立ち寄る。

近所にあるスーパー、どちらかと言えば寂れた印象の小さな店なのだけど、
品揃えがちょいちょいおかしくて、すっかりハマってしまった。
その中でもとりわけ魚と漬物のラインナップはグレートだ。
以前紹介した鮎の塩焼きや、ニシンの昆布巻き、うなぎの肝の串焼きなどが常に揃えられており、
自家製のぬか漬けは浅漬け、中漬け、古漬けが全部買える上、
なんと奈良漬けまで自家製している。

地元には元酒屋で異常に酒類が豊富なコンビニなんかもあったし、
もしかしたらここも、元魚屋と元漬物屋が合体したスーパーなのかもしれない。

今日も珍しい食材を求めてお魚コーナーを眺めれば、
なにやら白いもわもわしたものがパックに詰まって並んでいる。
なんこれ、なになに「鱧の子」とな?
そういや鱧は夏ごろが旬じゃっけ。
いいじゃないの、みやびじゃないの。
卵は食べたことはないが、とりあえずお出汁で炊いてみれば間違いあるまい。
この夏はこいつでいっちょ、みやびにライドンタイムしてやろかしら。

てなわけで今回は、「鱧の子の#炊いてみた」のご紹介である。

帰宅してパックを開けてみれば、
さすがにかなり魚らしい臭みがある。
どこまで下処理するものかわからんが、
とりあえず一旦お湯をかけてみた。
魚類はとりあえずお湯をかけておけば、なんとかなると思っているふしがある私である。

鱧なので、卵も淡白で上品な感じであろう。
お出汁と薄口醤油で軽やかに炊いてみる。
ふふ、いいじゃないの、みやびじゃないの。
と思ってたら、なんこれ、ごっつい灰汁出るじゃないの。

ゴワゴワに出まくる黒ずんだ灰汁。
炊く系の料理には「灰汁どこまで取るか問題」があるが、
今回は上品に仕上げたいので、極力きれいに取ってしまう。

炊き上がったら一旦冷まして、味が染みたら完成。
木の椀なんかに盛っちゃって、
三つ葉なんかもあしらっちゃって。

あらこれやっぱいいじゃないの、みやびじゃないの。
澄んだお出汁に映える白。
淡い緑のアクセント。

しっかり灰汁も取ったし、
お味のほうもみやびなことこれ間違いなし!
と口に運べば、omg! 
なにこのタフなお味!

もう「精力! 精つきます私!」みたいな。
その鱧の卵にあるまじき邪悪なテイスト。
食べすぎたら身体に悪いことが直感的にわかる、まさに食べるモンスターエナジー。

かくして、私の「夏、みやびにライドンタイム計画」は瞬く間に頓挫。
なんとか完食した私の脳内では、
真っ黒に焼けたボディビルダーの集団が、
小一時間ばかりムキムキ舞い踊る次第と相成った。


また今日もいつものスーパーに立ち寄る。

近所にあるスーパー、どちらかと言えば寂れた印象の小さな店なのだけど、
品揃えがちょいちょいおかしくて、すっかりハマってしまった。
その中でもとりわけ魚と漬物のラインナップはグレートだ。

今日も珍しい食材を求めてお魚コーナーを眺める私。
まるで懲りる気配はない。お料理は冒険である。
いざ進めやキッチン。まだ見ぬ大陸を探して。
旅はこれからもまだまだ続く。

でもせめて下処理の方法ぐらいは、
今度はちゃんと調べんといかんよね。

知らない食材を買ったり、知らない美味しいものを食べたりしております。ありがとうございます。