河童のチャンペイ(テルグ語)
「僕は三平」
「チャンペイ!」
「君は?」
「カッパッパ!」
岩屋の奥、天井から水滴が落ち続けている。
足元には無数の大きな両生類めいた骨。
そこで僕は鎖で縛り付けられた河童と出会ったー
◆●◆
祖父が死んだ。
その報を聞き僕は帰郷した。
祖父は僕にとても優しく、いつも河童の話をしてくれた。
後に知ったが祖父は世界的河童研究の第一人者だった…らしい。
国際河童学会、そこでは河童の分類、各地の伝承、文化人類学的研究をしている。祖父は河童の言語研究の慧眼の士だった。
玄奘三蔵の訪印、その御伴だった沙悟浄は南印度でテルグ語を学び西域より帰還。唐の河伯達にその言葉を広めそれが本邦に入ってきた…というものだ。
だが晩年祖父は異端者の烙印を押され学会を追われた。
河童の解剖。
あくまで幻想の存在として一線を引いていた他の研究者達からは狂人と判じられたのだ。僕も祖父は狂ったと思っていた。
ここで河童に出会うまではー
◆●◆
僕は引き継ぎたくなったのだ。
【続く】
本をお読みになるご両親へ―
この物語は一部テルグ語(南印度)を知っていますとよりお楽しみ頂ける仕様になっておりますが、知らなくてもお子様には何の影響も御座いません。
もしテルグ語にお子様がご興味を示される様でしたら「バーフバリー王の凱旋ー」を家族で一緒にご覧になられる事をお勧め致します。
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