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こいつはセントビンセントがほんとに好きなんだよ!

セントビンセント国内で初の感染者がでてから3日目。

ちょうど金曜日発売の新聞にも「ついにビンセントにもコロナがやってきた!」的な一面記事がでたこともあって、町中でマスクをしてる人をちらほら見るようになったり、レストランや雑貨屋の店員さんさんも薄手のゴム手袋をするようになったりと警戒感が伝わってくる。

セントビンセント初の感染者はイギリスからの帰国者で30代女性。余談かもしれないけれど、ここ数日でイギリスからのカリブ各国への帰国者は初の感染者としてニュースになっている。アンティグア・バブーダやセントルシア、たしかガイアナも。

感染者がでても、同じ飛行機に乗ってた人を追跡してるわけでもなく、ニュースでは隔離中といっていたけど、保健省の中の人によると、自宅待機中らしい。要するに、ひとつ屋根の下、たぶん個室にいるのだろうけど、出入り自由だし、少なくとも家族とは接触してることになる。

感染者数が増えるのも時間の問題かもしれない。
(ぼくは感染症の完全な素人だけど、フィリピンやインドネシアなど東南アジアで感染者数が少ないのは、コロナが高温多湿に弱いのでは?と思ってたりして、だから、カリブでも感染が拡大しないよねって希望的観測をしてたりする。)

そして、あらゆるリテラシーが低いはずなのに、これまでコロナコロナ言われてないから「あれ?ひょっとしてセントビンセントって良い国なのでは?」って思い始めた矢先、ついにここでもコロナと呼ばれてしまった。

始まった。この国にコロナを運んできたのはセントビンセント人だし、イギリスからなんだけど。

一気に現実に引き戻される。錯覚だった。普段がしんどいから、ちょっと良いことやポジティブな要素があると際立って見えてしまう。ベースがマイナスで期待値低いだけ。

たぶん死者がでたら、パニックになるだろうしアジア人であるぼくらは殺されるだろうなあと思う。冗談ではなくてわりと真剣に思ってる。警戒レベル上げてる。そういうことが起こりかねない国だから。なんてったって人口10万人あたりの殺人事件数世界のトップ10入りしてるから。

もちろん良い人だっている。ぼくはこれまで嫌なことがありつつなんだかんだで楽しく過ごせているのはそういった人たちの存在が大きい。

町中で会うと「調子はどうだい?困ったことはないかい?」とよく気にかけてくれ、「週末は○○に行ったんだよ」「この前ローカルフードの○○を食べたよ」みたいな話をすると、とても喜んでいるし安心している。

スマホの待受けが自撮りだったりするから自己肯定感の強い人なんだなぁと思っているんだけど、自分たちの文化や国についてはちょっと自信ないのかもしれない。

ぼくが楽しんでいる話や酔いつぶれた話をしているとき、彼らの友人が訪ねてきたり、町中で会ったりすると、決まって「こいつはセントビンセントがほんとに好きなんだよ!なんだって食べるんだぜ」みたいなことを満面の笑みで紹介される。ちょっと恥ずかしいくらいに。

楽しんでるのは事実だし、たぶん欧米人は食べないようなローカルフードも果敢に食べてるから良く思ってくれているんだろうけど、そういうピュアところは好きだし良いなあと思う。

ぼくも嬉しくなってくるから。

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