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あまのじゃくなので無理だと言われたら燃えてくる

新しくやってきた調整員さんが任地にやってきた。目的は顔合わせと、最近JICA関係者の犯罪被害が続いているのでその対策というか、住居のセキュリティのチェックと、ぼくらの後任をどうするかのヒアリング。

現在、セントビンセントに派遣されている日本人はぼくを含めて3人。在住日本人もその3人だけ。

要請は自動車整備と、栄養士、そしてぼくのマーケティング。

自動車整備はリクエストから5年以上経ってようやく今の隊員Kが派遣されたとあって、受け入れ側はまた5年以上待たないといけないのではとの疑念があり(そしてその読みは正しい)、だったら今の隊員の任期延長して少しでも長くいて欲しいというMinistry と現場の意向があるらしい。その話は既にKにも伝わっていて、彼の気持ちも徐々に任期延長に傾いている。(JICA本部の承認も必要なので任期延長は現場の意向のみで決まるわけではなく、ハードルが高い)

栄養士も後任のリクエストが出ている。隊員であるAさんの話を聞く限り、現場の人手不足をカバーさせられているだけで、実質現地就職でほかにもいろいろ理由はあるのだけど後任は必要ないのではと思っている。

そして、我が視覚障害者協会。これまで調整員さんとJICAスタッフの2人がぼくの職場を見たけれど、彼らの評価は最高レベルのハードシップ。協力隊を受け入れる段階にないのではないかと考えている。活動開始6カ月で提出する2号報告書でも、突破口が見えなくてしんどい旨をぼくは綴っている。

事前にあった後任の必要性の簡易な意見も、視覚障害者協会というよりは、障害者協会というもう1つ上の枠組みで包括的にいろいろ見れるポジションの方が良いのではという意見をだした。

そんなこともあり、新たにやってきた調整員さんはそういうバイアスがかかっていたわけで、他の障害者団体からもリクエストがあったのもあり、一通り様子を見てきた上で、ぼくの職場に来た時「…これは、なかなかの環境ですね」というお言葉をいただいた。

聞いていた通りだったのだろう。

ぼくはずっと協力隊ってこういうものなんだろうなと思っていたのもあって、初めての協力隊で他の比較もできないから、このキツい環境が普通。もちろんしんどいし週に何度も心折れそうになってる。

「やっぱり厳しそうなんで視覚障害者協会の後任は見送った方が良いんですかね?障害者協会として募集するというかたちにして」

ぼくはあまのじゃくなので無理だと言われたら燃えてくる。ここ1~2週間でちょっと風向きが変わりつつあるのもあって、ぼくの中でスイッチが入った。

現状だと、後任(それがたとえ障害者協会として障害者全体をみるポジションでも)に求められる条件はマーケティング(又はPR)の専門職で、最低年収600万円くらいの人で、そういうレベルの若い人って転職市場で引っ張りだこだろうから、こんな僻地でスズメの涙みたいな生活費で仕事も予算なしで2年間専属契約のなぞ環境はまず選ばない。

だから、ぼくが後任に引き継げるような積み上げていけるようなことを残そうと思った。

具体的には、以前述べたペーパーバスケットをマスターしてもらってバナナの幹の繊維で鞄を作るというのをちゃんとプログラムに組み込もうと思う。

バナナはこの国の特産品だから、うまくやればお土産物として、国産ブランドとして売れる。なんだったら細かなデザイン(カリブの柄の布と組み合わせる)などは他の人に任せるのでもよい。かばんの部分を作って、それを素材としてカリブを売りにしてるブランドに売るのもできると思っている。やりようはいろいろある。

ぼくが得意なことって、飛び込み営業でも数字を転がすことでもなくて、ストーリーを組み立てて夢を見せることだと思っているので、できる限りのことはやって、次の人に引き継ぎたい。

後任には路頭に迷って欲しくないし、なにより、ここでぼくがギブアップしてしまうと、じゃあ次誰が、どこが彼ら障害者コミュニティに手を差し伸べるんだという話になってくるので、そんな簡単にあきらめたくない。

障害者が作ったから多少安くなってますとか、お情けで良いからぜひこのクッキー買ってくださいみたいな、そんなアホな現状はそろそろ終わりにしてあげたい。

マーケティング予算が1億円あったところで、どれくらいの事業規模でその1億円を使えば最も成果でるかってめちゃくちゃ難しいので、予算がないならないなりにうまいことやるのがマーケティングなので、考えることはやめず知恵を絞りたい。

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