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今月読んだ本/2020.11

毎月、アマゾンのkindle本のカードの支払いが5万円くらいある。ちょっとでも気になったらほぼノールックで買っているからだ。当然読み切れない。積読がどんどん溜まっていく。数か月前に買って、kindle oasisの後ろの方にあるの見て「あれ、こんな本買ったか?」と思ってしまった。もちろん自分でぽちったんだろうがビビった。

積読本消化のためにも新規の購入を控える、少なくともぺースを落とすことが必要だと思うんだけれど、やめれない。やばい。単純に買い物が楽しい。正確にはお金を使いたい欲みたいなのがある。由々しき事態だ。

そして、来年夏からイギリスの大学院で勉強することが確定しているので、英語で本を読むことに慣れないといけない、英文を読むスピードを上げないといけないというので洋書もきちんと読まねばと、ますます積読消化のスピードが落ちる…。

・アジアの隼

もはや毎月の定番になりつつある、黒木亮の経済小説。著者の専業作家になる以前の経歴は、銀行や証券会社、総合商社で国際金融をやっていた人で経験も豊富でその道のプロ。本書はたしか、著者のベトナム勤務時代の経験とその時感じたアジアの勢いを作品に落とし込んだもの。

ぼくは銀行での勤務経験も金融系のキャリアの経験もないから、国際協調融資だ、プロジェクトファイナンスだなんだと言葉と定義は教科書的には多少知っている。けれど、それは将棋のルールを知っているから覚えたからといって誰しも藤井聡太や羽生善治になれないように、「知っている」と「うまく使える」にはとんでもない差がある。

実際の現場でどんなやりとりがなされているのか、どんな規範や慣例があるのかどんな落とし穴があるのかというのは教科書では学べない。

それを、ぼくは著者の小説を通して疑似体験している。こんなふうにプロジェクトを進めるんだ、交渉が進むんだ、ここが難点なんだな、と非常に勉強になる…という建前で単純に著者の作品を楽しんでもいる。

良いです。


・「普通」の人のためのSNSの教科書

noteプロデューサーの徳力さんの本。一度きちんとその道の人の指南を受けたかったので読んだ。

本書は「普通の人」のためのSNS初心者本。Twitterなんかの「インフルエンサーになるための」本ではない。インフルエンサーになるためには何か尖ったことを発信しないといけない、攻めないといけない。派手に目立たないといけない。よく言われることだ。

本書ではそんなことは一切書いてない。普通の人≒勤め人で、角が立たずに、みんなハッピーになるような、なにかしらの恩恵を期待できるような発信を心がけましょうということを書いてる。つまり、おそらく誰でも実行できる。しかもご丁寧に、どんなことを発信すればいいかも提案してくれている。

だから本書を読んだからといって、内容を実行したからといって、フォロワーがひと月で2,000人になったとか、月収〇〇万円増えた!みたいな内容ではない。堅実に、インターネットの恩恵を受けて、発信を通して横や縦の繋がりを増やして結果的に豊かになりましょうという極めて現実的な、けれども少し夢をみせてくれるようなことが書いてある。

簡潔で、いろんな「普通の人」のSNSやってよかった事例が載ってて良い。それが良い。非常に良い。再現性あるように思えるから。おれでもこれくらいはできそうと思えるから。

#SNSの教科書


・自衛隊失格 ―私が「特殊部隊」を去った理由―

読書メモはこちら。


・モチベーション革命―稼ぐために働きたくない世代の解体書―

たまに求めたくなるモチベーション維持の本。…だと思ったのだけど、本書はどちらかというと、ゆとり・さとり世代の人たちのマネジメントであったり、これからのライフスタイル的な内容だった。チームビルディングとかマネジメントに役立ちそうなtipsがたくさんあって想像してた読書体験とは違ったけれど、良い。付箋いっぱい貼った。

今の世の中で起こってることと自分が感じていることの頭の整理にもちょうど良い内容。

別の内容でさりげなく挿入したい小話が結構あったので引用は今回はしないでおく笑。

ちなみに、ぼくの中でモチベーション維持というかメンタルコーチング系でやる気みなぎる本と言えば、下記のこれ。

この赤い本、5年ほど前「ノルウェーで30人に一人が読んだ記録的ベストセラー(日本なら400万冊相当)」的な触れ込みで日本に入ってきた本。アスリートはもちろん企業のエグゼクティブも顧客にいる人の本でめちゃくちゃアツい。「ぼく、いまなら何でもできるかも!」って思える。「精神的なフィットネスは、単なるスキルだ」など、心に響く言葉が多かったけれど、たったひとつの確実な技術って要するに習慣化。

で、さらに余談だけれど、勉強法とか自分の思考回路を作り直す上で影響を多く受けたのはこれ。

元軍人で、元数学オンチの現 工学教授の著者による勉強の本。具体的だし、ぼくでも、いまからでもやり直せる!と思わせてくれる本。

生まれながらの才能に恵まれていなくとも労を惜しまず、専念し続けることで埋め合わせることができるだろう。努力は才能の代わりになり得るし、なお一層良いことに努力は才能を作り出すといえるかもしれない。
―サンティアゴ・ラモン・イ・カハル(元非行少年 / ノーベル生理学賞受賞者)―

本書の場合は、科学的に、つまりは再現可能性がありそうなことを添えて、こんな事例やあんな事例もありますと、数学脳を後天的につくる術を提供してくれる良書。

反復練習により神経回路を働かせれば、当の神経回路のニューロンの髄鞘形成を促すようだ。練習を繰り返すうちに様々な脳領域がつながり始め、脳のコントロールセンターと情報・知識を蓄える中枢を結ぶ幹線道路が出来上がる。…中略… すなわち、考え方を変えれば、脳を適度に変化させることができるのである。



・この町ではひとり   山本さほ

美大受験に失敗した主人公が人生をリセットするために神戸で一人暮らしを始めるマンガ。一言で言うと、ただただ辛い。病みそうになる。不幸過ぎて。ただただ不憫。けっこう笑えない。

アグレッシブ烈子をもっと陰湿にした感じ。

きっつい。ぎこちない愛想笑いもできないレベル。新しい土地でただ友達を作りたいだけなのに、出会う人たちがちょっとクセ強めでことごとく上手くいかない。ぼくも根暗要素強めで共感するところばかりなので鬱になりそう。ただ、主人公自体もちょっと過剰反応してるんじゃないかなと思わなくもない。美大受験失敗でネガティブモードだったろうし。フリーターの負い目的なのもあっただろうし。

ところどころで神戸っぽい描写や関東から関西に来た人あるある的なのもあって良い。懐かしい感じがした。

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