見出し画像

土曜スペシャル・トドナン君緊急特番・第51弾!「エリア51の謎と真実。」

「エリア51」という言葉を耳にしたことはないだろうか。イチローが守るセーフコ・フィールドのライトのことではない。あの「エリア51」だ。

曰く、それは「米国が提供している宇宙人の居住地」
曰く、それは「宇宙人の技術を解析している米軍の極秘基地」
曰く、それは「米国の極秘航空機開発拠点」

エリア51には、人の想像を掻き立てるなにかがある。

私も、ムーを愛読していた幼少期に「木曜スペシャル!矢追純一緊急特番」で名前を耳にして以来、その魅力と恐怖に取りつかれてきた一人である。

さて実は近年、エリア51に関する米国政府公式情報が公開されはじめている。
「事実は小説より奇なり」を地で行くその情報を、いつかまとめて発表したいと考えていたのが、この記事執筆の発端である。

本日、数年来温めてきたこの企画を、AIの力も借りてNoteの記事として公開できることは望外の喜びである。AIを活用はしているが、もちろん、ベースになっているのはここ数年に公開された情報に基づく私の考察である。

では、早速いつもの口上からはじめよう。

見た目は中年童貞、精神(こころ)は園児。迷探偵トドナン君の考察!楽しんでいってやー!!!


# 冷戦と極秘偵察機の開発

1950年代、冷戦の只中にあった世界は、かつてない緊張感に包まれていた。米ソ両国は、互いの軍事力を増強し、核戦争の脅威が現実味を帯びていた。そんな中、アメリカ政府は極秘裏に、ある計画を進めていた。それは、ソ連領内の情報を収集するための、画期的な偵察機の開発だった。

## エリア51の誕生

計画の中心となったのは、ネバダ州の砂漠に建設された極秘の軍事基地、エリア51である。正式名称を「エドワーズ空軍基地グルーム湖施設」と言い、ラスベガスから北に約150kmの場所に位置するこの基地は、1950年代初頭に建設された。CIA(中央情報局)とアメリカ空軍の共同管轄下に置かれ、その存在は厳重に秘匿された[1]。

## U-2偵察機の開発

エリア51の主要なミッションの一つは、U-2偵察機の開発だった。これは、地上から21,000mもの高高度を飛行し、ソ連領内の軍事施設を偵察することを目的とした画期的な航空機である[2]。U-2の開発は、1950年代半ばから急ピッチで進められた。

U-2を設計したのは、天才航空機設計者のケリー・ジョンソンである。彼は、ロッキード社のスカンクワークスと呼ばれる秘密部門で、数々の革新的な航空機を生み出してきた。U-2は、その集大成とも言うべき傑作であった[3]。

細長い翼を持ち、エンジンは効率重視のJ57ターボジェットを採用したU-2は、当時の技術の粋を集めた機体であった。パイロットは、与圧服を着用し、狭い操縦席で長時間のミッションに臨んだ。U-2は、1956年に初飛行を果たし、すぐにソ連領内での偵察任務に投入された[4]。

当時、航空機の飛行高度は3,000~15,000m程度であったことを考えれば、このU-2が到達した高度は想像を絶する高さだったと言える。この飛行を偶然目撃した多くの民間パイロットが「決して航空機ではない」と証言したことも想像に難くないだろう。

U-2の活躍は、アメリカ政府に大きな成果をもたらした。ソ連の軍事力に関する貴重な情報が、次々と収集されたのである。しかし、U-2の存在が明らかになるのに、長い時間はかからなかった。1960年5月1日、ソ連領空に侵入したU-2が、地対空ミサイルによって撃墜されたのである[5]。

パイロットのゲイリー・パワーズは、生還を果たしたものの、ソ連に拘束されてしまう。この事件は世界中に衝撃を与え、米ソ関係は最悪の状態に陥った。U-2撃墜は、エリア51にとっても大きな転機となった。

## SR-71の開発

U-2の後継機として開発されたのが、SR-71ブラックバードである。1964年に初飛行したこの戦略偵察機は、最高速度マッハ3.2、最高高度25,000mという、驚異的な性能を誇った[6]。

SR-71の開発は、U-2撃墜を教訓として、より高度な技術を投入して進められた。チタン合金製の機体に、強力なJ58ターボジェットエンジンを2基搭載し、レーダーに捉えられにくい形状を採用した。SR-71は、まさに当時の航空技術の結晶であった[7]。

1960年代後半から70年代にかけて、SR-71はソ連領内や世界各地での偵察任務に従事した。マッハ3を超える速度で飛行するSR-71を、ソ連軍は捕捉することすらできなかった。SR-71の活躍は、冷戦下におけるアメリカの軍事的優位を支える大きな柱となったのだ[8]。

## ステルス戦闘機の開発

エリア51では、U-2やSR-71以外にも、数々の極秘プロジェクトが進められていた。1970年代には、ステルス技術を用いたF-117ナイトホークの開発が行われた。レーダーに捉えられない独特の形状を持つF-117は、1981年に初飛行し、1991年の湾岸戦争で実戦デビューを飾った[9]。

## 宇宙開発への関与

また、宇宙開発の分野でも、エリア51は重要な役割を担ったと言われている。CIA主導の極秘偵察衛星プロジェクト「コロナ」との関わりがその一例だ[10]。コロナ計画で打ち上げられた衛星は、ソ連領内の軍事施設を詳細に撮影し、冷戦の情報戦に大きく貢献した。

# ソ連のエリア51に対する警戒

## ソ連のスパイ活動

一方、ソ連政府にとって、エリア51の存在は大きな脅威であった。U-2撃墜事件以降、ソ連は常にエリア51を監視下に置いていたと言われている。ソ連のスパイ衛星は、グルーム湖施設の上空を幾度となく通過し、その全容の解明に努めた[11]。

## ソ連のスパイ潜入の噂

また、ソ連のスパイ機関KGBは、エリア51への潜入を試みたこともあったと伝えられている。施設の警備は厳重を極めたが、そんな中でもKGBのエージェントが侵入に成功したという噂もある[12]。真偽のほどは定かではないが、それほどまでにソ連政府がエリア51に注目していたのは確かだ。

# 冷戦終結とエリア51の役割の変化

## スターウォーズ計画への関与

1980年代に入ると、冷戦の終結が見え始めてきた。米ソ両国のあいだで、軍縮交渉が活発化したのである。そんな中でも、エリア51の極秘プロジェクトは続けられた。レーガン政権下で進められた「スターウォーズ計画」には、エリア51の技術が活用されたとの指摘もある[13]。

## 冷戦終結後のエリア51

しかし、1989年のベルリンの壁崩壊を機に、冷戦は終結へと向かう。ソ連崩壊後、アメリカは唯一の超大国となり、軍事的緊張は大きく緩和された。エリア51の役割も、次第に変化していったのである。

冷戦終結後のエリア51は、新たな脅威に対応すべく、その機能を拡大していった。湾岸戦争やアフガン戦争では、エリア51で開発された最新鋭の軍事技術が活躍した。無人機や精密誘導兵器など、現代戦の主役となる兵器の多くが、この基地で生み出されたのである[14]。

21世紀に入っても、エリア51の存在感は衰えていない。現在でも、この基地では極秘の軍事プロジェクトが進められていると見られている。一方で、エリア51をめぐる陰謀論も、絶えることがない。

# エリア51とUFO陰謀論

## ロズウェル事件とエリア51

1947年のロズウェル事件以来、エリア51は UFOや宇宙人との関係を噂される存在となった。ニューメキシコ州ロズウェルで起きた物体墜落事件は、軍の発表では気象観測気球とされたが、UFO愛好家たちは宇宙船の墜落だと主張した[15]。そして、回収されたUFOと宇宙人の遺体が、エリア51に運ばれたという噂が広まったのである。

## ボブ・ラザーの登場

エリア51とUFOの関係を決定づけたのが、ボブ・ラザーの証言である。1989年、ラザーはテレビ番組に出演し、衝撃的な内容を語った。彼は、1988年から89年にかけて、エリア51の一部であるS-4施設で働いていたと主張したのだ[16]。

ラザーによれば、S-4では地球外文明の技術を用いた"リバースエンジニアリング"が行われていた。彼自身も、9機のUFOのうち1機の解析に携わったという。このUFOは、重力を制御する先進的な推進システムを搭載しており、ビスマスと呼ばれる未知の元素を動力源としていた[17]。

ラザーの証言は、世界中のUFO愛好家を熱狂させた。エリア51が宇宙人の技術を秘密裏に研究しているという、長年の疑惑を裏付ける決定的な証拠と受け止められたのである。

しかし、ラザーの主張には多くの疑問点が指摘されている。まず、彼の学歴に関する記録が見当たらないことだ。ラザーは、カリフォルニア工科大学とマサチューセッツ工科大学で学位を取得したと述べているが、両大学にはその記録が存在しない[18]。

また、ラザーが提唱したビスマスについても、科学的に疑問視する声が上がっている。元素115は2003年にロシアの研究チームによって合成されたが、わずか100ミリ秒しか存在しない超重元素であり、ラザーの主張とは異なる性質を持っている[19]。

一方で、ラザーの証言を支持する立場もある。ジョージ・ナップ記者は、ラザーの信頼性を裏付ける証拠を複数発見したと主張している[20]。また、ラザーが提供した情報の一部は、後に機密解除された政府文書と一致していたとの指摘もある[21]。

# エリア51をめぐる陰謀論の拡大

## UFO陰謀論の過熱化

エリア51をめぐる陰謀論は、ラザーの証言以降、ますます過熱していった。UFOが格納された地下施設の存在や、宇宙人との秘密協定など、あらゆる憶測が飛び交ったのである。こうした風潮に拍車をかけたのが、SF映画やテレビ番組だった。「インデペンデンス・デイ」や「Xファイル」など、エリア51を舞台にした作品が次々と製作され、人々の想像力をかき立てた[22]。

## 陰謀論者たちの主張

陰謀論者たちは、エリア51で宇宙人の研究が行われている証拠として、様々な"事実"を指摘する。基地の周辺で目撃される正体不明の光や、奇妙な形状の航空機の目撃情報などがその例だ。彼らは、政府がエイリアンの存在を隠蔽しているのだと主張するのである[23]。

しかし、こうした陰謀論の多くは、客観的な証拠に乏しい。目撃情報の信憑性は低く、物的証拠も提示されていない。むしろ、真相は軍事機密に隠されているというストーリーに、人々が惹きつけられているようにも見える。

実際、エリア51をめぐる陰謀論の多くは、冷静に検証すれば破綻をきたす。例えば、ロズウェル事件で回収されたとされる"宇宙人の遺体"は、1990年代に行われた再調査で、落下傘実験用のダミー人形だったことが明らかになっている[24]。

また、エリア51で目撃されるという"UFO"の正体は、実は最新鋭の軍用機である可能性が高い。U-2やSR-71、F-117などの革新的な航空機は、一般市民の目には"未確認飛行物体"に見えたことだろう[25]。

## 陰謀論を利用する政府

米国政府は、こうした誤解を意図的に利用してきた節がある。極秘プロジェクトを隠蔽するために、あえてUFO説を流布させたのではないかというのだ。真相から目を逸らすための、情報戦の一種と言えるかもしれない[26]。

# エリア51をめぐる現状

## CIAによるエリア51の公式認知

2013年、CIAはエリア51の存在を公式に認めた[27]。しかし、それによって陰謀論が終息したわけではない。むしろ、基地の全容は依然としてベールに包まれており、真相解明を求める声は絶えない。

## エリア51急襲計画

2019年9月、「エリア51急襲」と銘打ったイベントがSNS上で話題となった。「エリア51の真実を暴こう」という呼びかけに、200万人以上が賛同したのである[28]。結局、実際に基地に向かった人は少数にとどまったが、それでもエリア51に対する人々の興味は、衰えるどころか増す一方だ。

# エリア51の未来

エリア51が物語るのは、冷戦という時代の凄まじさと、人類の無限の可能性である。米ソの軍事的緊張が世界を覆っていた時代にあって、この基地は人知を結集し、革新的な技術を生み出し続けた。

一方で、エリア51をめぐる陰謀論の数々は、人間の想像力の豊かさを物語っているのかもしれない。未知なるものへの畏怖と憧憬、隠された真実への飽くなき探求心。陰謀論は、そうした人間の本質的な欲求の表れとも言えるだろう。

エリア51をめぐる議論は、今後も続いていくに違いない。UFOの目撃情報が絶えない限り、陰謀論も消えることはないだろう。しかし同時に、この基地が国家安全保障に果たす役割も、決して小さくはないはずだ。
エリア51の存在は、人類の可能性と想像力の象徴として、これからも多くの人々を魅了し続けるに違いない。時代とともに移り変わるエリア51の姿を、我々は見守り続けていくことになるだろう。

<参考文献>


[1] Pedlow, G. W., & Welzenbach, D. E. (1992). The Central Intelligence Agency and Overhead Reconnaissance: The U-2 and OXCART Programs, 1954-1974. History Staff, Central Intelligence Agency.
[2] Pocock, C. (2005). 50 Years of the U-2: The Complete Illustrated History of the "Dragon Lady". Schiffer Military History.
[3] Rich, B., & Janos, L. (1996). Skunk Works: A Personal Memoir of My Years at Lockheed. Back Bay Books.
[4] Jacobsen, A. (2011). Area 51: An Uncensored History of America's Top Secret Military Base. Little, Brown and Company.
[5] Beschloss, M. R. (1986). Mayday: Eisenhower, Khrushchev, and the U-2 Affair. Harper & Row.
[6] Graham, R. H. (2002). SR-71 Revealed: The Inside Story. Zenith Press.
[7] Crickmore, P. F. (2000). Lockheed SR-71 Blackbird. Osprey Publishing.
[8] Shul, B., & O'Grady, S. (1994). Sled Driver: Flying the World's Fastest Jet. Mach 1.
[9] Crickmore, P. F. (2003). Lockheed F-117 Nighthawk Stealth Fighter. Osprey Publishing.
[10] Day, D. A., Logsdon, J. M., & Latell, B. (1998). Eye in the Sky: The Story of the Corona Spy Satellites. Smithsonian Institution Press.
[11] Hoffman, D. E. (2015). The Billion Dollar Spy: A True Story of Cold War Espionage and Betrayal. Doubleday.
[12] Wise, D. (2002). Spy: The Inside Story of How the FBI's Robert Hanssen Betrayed America. Random House.
[13] Fitzgerald, F. (2001). Way Out There in the Blue: Reagan, Star Wars and the End of the Cold War. Simon & Schuster.
[14] Yenne, B. (2004). Attack of the Drones: A History of Unmanned Aerial Combat. Zenith Press.
[15] Patton, P. (1998). Dreamland: Travels Inside the Secret World of Roswell and Area 51. Villard Books.
[16] Lazar, B. (1991). Bob Lazar: The Lazar Tape. [Video]. Tri-Dot Productions.
[17] Lazar, B. (2019). Dreamland: An Autobiography. Interstellar.
[18] Jacobsen, A. (2011). Area 51: An Uncensored History of America's Top Secret Military Base. Little, Brown and Company.
[19] Oganessian, Y. T., Utyonkov, V. K., Lobanov, Y. V., Abdullin, F. S., Polyakov, A. N., Shirokovsky, I. V., ... & Gulbekian, G. G. (2004). Experiments on the synthesis of element 115 in the reaction 243Am (48Ca, xn) 291−x115. Physical Review C, 69(2), 021601.
[20] Knapp, G. (1994). The government knows more than it's letting on. Los Angeles Times.
[21] Corbell, J. (2018). Bob Lazar: Area 51 & Flying Saucers. [Video]. The Orchard.
[22] Reeves-Stevens, J., Reeves-Stevens, G., & Anderson, K. J. (1994). The X-Files: Ground Zero. HarperCollins.
[23] Darlington, D. (1997). Area 51: The Dreamland Chronicles. Henry Holt and Company.
[24] Thomas, D. (1995). The Roswell Incident: Case Closed. [Video]. Vidmark/Trimark.
[25] Stussy, M., & Greer, S. M. (2001). Unidentified Flying Objects: The Untold Truth. [Video]. Greer Productions.
[26] Jacobsen, A. (2011). Area 51: An Uncensored History of America's Top Secret Military Base. Little, Brown and Company.
[27] Harding, T. (2013, August 16). CIA acknowledges Area 51 in declassified documents. The Telegraph.
[28] Nevett, J. (2019, July 16). Area 51: US Air Force warns over Facebook event. BBC News.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?