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【起業戦略】第9講 新規事業企画の3ステップ

前回は、予算がついていないモノを売る方法について話した。2Bビジネスについては、予算を意識するということほど重要なことはないといっても過言じゃない。

予算を意識して事業やサービスを企画するのが一番だけど、もし、予算についてなにも考えずに起業しちゃったら、なんとか自社の製品やサービスを予算に紐づけるストーリーを都度作るってことになるよね。

https://note.com/todomadogiwa/n/nf834759eba7e

さて、今回は、これまでの振り返りをしながら、新規事業企画の手順を3つのステップにまとめてみる。

ステップ1 「自社が対象とする顧客の予算を決定する」または「先行して事業化できている事業、製品、サービスを見つける」

もうね、ここからスタートする。こんなのベンチャーじゃない?
いやいや、「企業が現在必要としていないようなこと(=予算がない)」を「見たこともないアプローチで解決」するって、導入する企業の立場からしたら、考えられないよね。

コンシューマ(個人)で、かつイノベーションの象徴のようなiPhoneだって、「携帯電話/ガラケー」っていう予算があってこそ購入されるようになった。

この30年くらいで地球上で最も成功したベンチャーのひとつである、SFDC(セールスフォース)だって、CRMシステムが存在していて、そのための予算が企業側に存在していた。

目的や課題自体が斬新なものは、事業にならない。なるとしても、それを事業とするまで、つまり多くの対象企業で予算が取られるようになるまでは、啓蒙を含め非常に長い時間が必要になるでしょ。

それは、少なくともリソースが限られている事業体でやるべきことではないよね。大企業の新規事業企画で、その企画の立ち上げ自体に2~3年の期間をあてられるなら、出来るのかもしれないけど、、、

やり方は新しくても、まあ、いい。

でも、本当はやり方だって今までとそんなに変わらないけど、もうちょっと便利程度だって、その「ちょっと便利」にイノベーションがあれば、立派なベンチャーですよ。


ステップ2 「その予算が執行されるMUST要件を発見する」「先行製品においてMUSTとされている機能を発見する」

これは、ここでも話した。

その予算を取りに行っている先行製品をいくつかを並べてみて、「MUST(必須)」とされている機能を見つけるというのも有効だ。

提供するサービスには、「絶対にないとダメ」という機能と「あってもなくてもいい」という機能がある。一般的に、絶対にないとダメな機能は、全機能のうちせいぜい2割くらいだ。でも、このMUSTな機能は、何があっても押さえないといけないということも深く理解しておかないといけない。

「企業によってそれは違うんじゃない?」っていうのは、ごもっともな疑問なんだけど、それについてはこっちの記事を読んでみて欲しい。



ステップ3 「既存導入製品/先行製品についてのペイン、WANTを確認する」

先行する製品やサービスのMUSTが分ったら、次に「それを使っているなかで、どんなペインがあるのか?」を確認する。このペインは、漠然とした、お困りごとのことじゃあない。先行する製品に関する、具体的な「不便だな」というポイント、改善についてのWANTだ。

もしかしたら、そんなものはないかもしれない。

その場合は「こういうことがあったら、もっと嬉しい」というWANTを見つけに行く。改善についてのWANTに比べると弱いが、ないよりはマシだ。

これもみつからない、ということもある。

全然、問題ない。そしたら、営業力やマーケティング力、スピード、価格で勝てばいいだけだから。そこに、イノベーションを込めよう。

というわけで、新規事業企画のステップを整理してみた。

たぶん、今までやってきたアプローチと全然違うんじゃないかと思う。でも冷静に今、作っている事業企画をこの3つのステップから見直してみて欲しい。

もし、ここに書かれている観点が抜けていたとしたら、事業として立ち上げるのがむちゃくちゃ難しいということを意味している。

もちろん、むちゃくちゃ難しくったって、それは不可能ってことじゃない。それを乗り越える情熱や能力、体力、資金力があればなんとかなる可能性もある。でも、少し企画をピボット(転換)すれば、うまく予算にフィットするなら、是非、そうしたほうがいいと思う。

次回は、この3ステップを具現化した事例について話します。

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