見出し画像

GDPより第三次産業活動指数に注目を

 本日、2020年1~3月期の四半期別GDP速報が公表され、前期比0.9%減(前期比年率3.4%減)という落ち込みとなった。民間予測より落ち込みが小さかったことも注目されたが、多くのエコノミストが指摘しているように、コロナ禍の影響は1~3月期のGDPには十分に反映できていない。そのことをわかりやすく見せてくれているのが、本日午後に公表された、サービス業などの活動状況を表す第三次産業活動指数である。

 下の図をみると、ここ半年間ほどの第三次産業活動指数には、以下の2つの動きが合成されていることがわかる。第1は、消費税率引き上げ直前の2019年9月の急上昇(駆け込み)と、10月の急落(反動)、そして2020年1月にかけての緩やかな持ち直しである。第2は、コロナ禍の影響は、2020年3月から本格的に表れ始めていることである。

 駆け込みの前月(2019年8月)から2020年3月までは6.3%低下。これは、リーマン・ショックの前月(2008年8月)から2009年3月までの3.5%低下の2倍弱の落ち込みだ。2019年8月から2020年3月にかけての鉱工業生産の4%低下に比べても大きい。第三次産業活動指数は、鉱工業生産指数に比べて変動が小さい傾向があり、異例なことが起きていることがわかる。

画像1

 緊急事態宣言が発令され、自粛要請が強化されたのが4月に入ってからである。4月の第三次産業活動指数は一段と落ち込むことが予想される。4~6月期のGDPはかなりの落ち込みを覚悟する必要があるだろう。

#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?