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未払利息は辛かった(涙)~変動金利型住宅ローンの思い出

 日本銀行がマイナス金利政策を解除したことで、変動金利型住宅ローンの金利がいつから上がるのかに注目が集まっています。日経電子版の下記の記事でも、変動金利型住宅ローンの金利の金利の決定方法などを詳しく解説しています。その中で気になるのが以下の記述です。

もうひとつ付け加えておくと、金利上昇と毎月の返済額増加は同じではない。元金と利息を合わせた毎月の返済額を同じにする元利均等方式では、返済額の見直しを5年ごとにするルールを採用する金融機関も多いからだ。もっとも、金利が上がれば返済額に占める利払い部分の比率が増え、元金が減るペースが落ちかねないなど注意点もある。

利息が毎月の返済額を上回ると、未払利息が発生する

 上記の記述では、「金利が上がれば返済額に占める利払い部分の比率が増え、元金が減るペースが落ちかねない」とあります。元金が減るペースが落ちるだけならまだしも、元金が減らずに、未払いの利息が毎月増えていくこともあり得ます。毎月の返済額を利息が上回るためです。これが、未払利息です。
nomu.comホームページのコラムを参考に、EXCELを用いたローン返済表を作成し、シミュレーションを行ってみました。1000万円の変動金利型住宅ローンを返済期間35年で元利均等返済で借り、借入金利が以下のように推移すると仮定しています。

返済1回目~6回目 0.5%
返済7回目~12回目 1.0%
返済13回目~18回目 1.5%
返済19回目~24回目 2.0%
返済25回目~30回目 2.5%
返済31回目~36回目 3.0%
返済37回目~    3.5%

 上記の記事にあるように変動金利型の住宅ローンでは、適用金利が半年ごとに見直されます。その時期は4月と10月にする金融機関が多いようですが、ここではわかりやすいように、返済開始から半年ごとに0.5ポイントずつ借入金利が上がると想定しています。
 通常、返済金額の見直しは5年ごとなので、上記の返済期間では返済金額は最初に決まった額で一定となります。一方、適用される借入金利が上がっていくので、返済額に占める利息の割合が上がり、ローン残高の減り方が遅くなります。下図に示したように返済37回目(約3年後)には返済額より利息が上回り、未払利息として蓄積していきます。
全国銀行協会のホームページにあるように、未払利息にさらに利息がかかることはないようですが、未払利息が発生している間はローン残高は減らず、未払利息も蓄積されます。このシミュレーションでは60回(5年間)の総返済額、ローン残高、未払利息は以下のようになります。せっせと150万円以上返済しても5年間でローンは40万円弱しか減らないのです。

60回までの総返済額:155万7448円
60回時点のローン残高:957万2763円
未払利息残高:4万7088円

30年以上前ですが、私も未払利息の恐怖を味わいました…

 日本銀行は当面は緩和的な金融政策を続けると言っていますので、上記のようなテンポでの変動金利の上昇は無いかもしれません。ただ、未払利息は、30年以上前に、ほんとにあった怖い話です(汗)。
 私自身も、1989年7月に初めて住宅ローンを借り入れ、未払利息の恐怖を味わいました。長男が生まれ、ファミリー向けの賃貸住宅が少なかった中、千葉市内で3DK(50平米)の中古マンションを購入しました。頭金が少なかったため、全期間固定の住宅金融公庫のローンは使えず、不動産仲介会社の提携ローン(変動金利型)を使わざるを得ませんでした。
 当時の返済予定表は見つからないのですが、住宅ローンの契約書は残っていました。それによると、当初の契約は以下の通りでした。

借入先:安田生命保険相互会社(現在の明治安田生命)
契約締結日:1989年7月17日
借入金額:2390万円
利率:年利5.7%
返済期間: 35年

当時の変動金利は「長期貸出最優遇金利」(長期プライムレート)に連動する仕組みで、適用される金利は毎年10月1日に見直され、翌年1月の返済から適用されることになっていました。
 当時は日本銀行が当時の政策金利であった公定歩合を引き上げ始めたタイミングでした(当時は全く気にしてませんでした(笑))ので、それに連動する形で長期プライムレートが上昇しつつありました。
 日本銀行の資料によると長期プライムレートは1989年7月には6%に上がっているので、私の住宅ローン金利も借りた直後に6%に上がったはずます。長期プライムレートは1年後の1990年10月には8.9%まで上昇しています。1年間で3ポイント弱の上昇です。このあたりで未払利息が発生し始めていたのではないかと思います(おぼろげな記憶ですが…)
 その後、金利は低下局面に入り、1991年5月13日には、適用金利を年2回(4月1日と10月1日)見直す契約に変更しました。手数料(5150円)を払ったようです。その契約書には1991年6月28日から適用金利を年利7.692%とすると書いてました。当時の長期プライムレートと一致しています。

結局、2度の家の買い替えをし、5月から再び変動金利を経験💦

 結局、1992年3月に次男が生まれ、家が手狭になりました。立地的にも、また1階だったこともあり、湿気などの影響からか、私のアトピー性皮膚炎もひどくなったため、1993年11月に同じ千葉県内の外房線沿線の新築一戸建に住み替えました。
 買い替えの際の資金計画書が家に残っていたので見てみると、最初に買ったマンションの住宅ローンは、ほぼ減ってなかったようです😭。購入直後は1.5倍近くまで上昇した価格も、買い替えて売却した際は購入価格を割り込んでました😅。
 その後、長男の中学受験をきっかけに2000年末に、現在の都内のマンションに買い替えて現在に至ります。前職の退職を気に住宅ローンの一部繰上げ返済をし、2014年4月には10年固定型の住宅ローンへ借り換えました。
 そして、日本銀行の金融政策変更という絶妙のタイミングで、今年5月から借りている住宅ローンが変動金利に移行します😅。今後、新しい動きがあり次第、このnoteで報告していきたいと思います!

#日経COMEMO #NIKKEI


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