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【自分史⑤】社会人

社会人になった。

【自分史④大学生】で就職活動をした旨書いたが、その後いろいろあり、内定を蹴って就職するのを引き延ばしたため、同級生から1年遅れて社会人になった。

少し大人になったからといって中身が急に成長するわけもなく、むしろ社会人になって数年は、精神的に一番弱った時期だったように思う


社畜になる

当時入社したばかりだった会社(参照:入社6年目のOLがオペレーション企画を任されるまで)は、創業5年ほどのいわゆるベンチャー企業で、労務面も整備されておらず残業はいくらでもし放題だった。そんな中、ついつい人に頼られてしまうと張り切ってしまう私は(相変わらずの正義感を発揮して)毎日3~5時間の残業を3か月以上こなしていた。社内の人間関係は特に問題がなかったし、しんどいという自覚がそんなになかった。そんなある日、突然朝起きられなくなった。会社に行こうとしても体が固まったかのように動かない。何とか会社に連絡をして休ませてもらったが、そこから1週間ほどはトイレに行く以外は動くことができなかった。ご飯を食べる気にもならず、お風呂にも入れない。とにかく何もしたくない。友人にその旨連絡をするとさすがにおかしいと思ったのか、メンタルクリニックへの受診を勧められた。結果、ほぼ鬱状態だった。これ以上自覚が遅れていたら、もっと深刻な事態になっていたかもしれないといわれた。過労のせいだということは明らかだったので、会社に事情を説明し、たまっていた有休を消化しつつ約2か月間休職した。これをきっかけに会社では正式に労務担当を置き社内整備をしてくれるようになったし、自分自身「無理はしない」という言葉が人生の合言葉になった。世の中的には「頑張ることが正しい」風潮がいまだにあるが、これをきっかけに、無理して頑張らなくても意外と生きていけるし本人が幸せであればそれでいい、と思うようになった。

人に期待しないようになる

会社である程度の実績を残せるようになった時に、部下ができた。その部下たちが(反感を覚悟でいうと)いわゆるポンコツだった。プラスアルファなんてもってのほか、言われたことですらできないし期日も守れない。何度言っても改善しない。最初のころは「何でできないの?!」と怒りをあらわにしたこともあって、そのたびに疲れていたし、部下も委縮していたように思う。そろそろしんどくなって当時の上司にそのことを正直に相談したら、「あの子たちは、現世で初めて人間になったからきっと何もわからないんだよ。初めて人間になったんなら出来なくて当たり前。できないのが当たり前だと思って接したら、すごく楽になるよ。」とアドバイスをもらった。目からうろこだった。(現世と前世とかは信じていなかったけれど)それからは”できないことが当たり前”だと思って部下と接するようになった。すると嘘のようにイライラしなくなったし、「うわぁ、こんなこともできるんだね!ありがとう!」という感謝の気持ちさえ湧くようになった。初めのうちは、相手に期待しないというのは虚しくて悲しいことだと思ったけれど、今は自分自身のアンガーマネジメントの1つだと思って積極的に取り入れるようにしている。

結婚観が変わる

クズ彼との壮絶な別れ、そして鬱期間を経て「自分自身を大切にする」「無理をしない」がモットーになった私は、新しい恋にも手を出せず、「自分の時間が削られる」ことへの不安がよぎり好きな人を諦めるようになった。もちろん今まで付き合った彼の中には結婚を意識した人もいたし、相手方の実家に挨拶しに行ったケースもある。当時は結婚・出産をして家庭を築くことに何の違和感も持っていなかったが、いろいろな経験を経て、「自分自身の面倒も見れないのに他の人と一緒に生きていくなんて今の自分には無理だ」とどうしても思ってしまうようになった。そう思ってからは、周りの友人が結婚しても羨ましいと感じなくなったし、結婚を急かすような発言をされても軽く聞き流せるようになった。もちろん機会があれば結婚はしてみたいと思うし、家族だって出来たらいいだろうなとは思う。それでも、今はまだ、自分だけを大切にするために時間を使いたい。

推し活に復帰

小学生低学年のある日、テレビをつけていて何となく見ていた画面にある一人のアイドルの卵が映った。彼の太陽のような笑顔にくぎ付けになった私は、それから今までずっと彼のファンである。中高時代は周りに同じような仲間がおらずひっそりと応援していたが、大学生になり、初めて自分で稼いだお金でライブに行った。グッズも買った。しかし当時付き合っていた彼から「彼女にはアイドルファンをしてほしくない」と言われたことをきっかけに、一切の推し活をやめた。付き合っていた彼のことを当時は大好きだったので、言われるがままに”担降り”した。その彼と付き合っている間は、ライブにもいかずグッズも購入せず、”推し”の出ているドラマや映画も一切見なかった。その彼とも別れてHPを養い、推し活ができるまでに精神的に回復した私は、約6年の時を経て復帰した。ライブにも行くことができたし、SNSを通じて仲間(”同担”という)にも出会うことができた。自分が好きな人や物を好きなだけ推すことができるのがこんなにも幸せなことだとは思わなかった。アイドルである彼を推す以外にも、旅行や料理、他のアーティストのライブなどの様々な趣味に、自分で稼いだお金と時間を惜しみなく注げるようになり、「あぁ、大人になったな~」と実感できるようになった。


20代後半をさらに前半と後半に分けるとするならば、前半は「闇」、後半は「光」だったなと思う。20代前半で無理をしたり我慢をした結果が25,6歳で現れ、そこから復活して28,9歳でやっと「落ち着いた」と実感できるようになった。

2020年3月からのコロナ渦では、人と接する機会が減った代わりに自分と向き合うことが増え、より自分の考え方や価値観を意識するようになった。とにかく今は、「無理をしない」「自分がやりたいことをやる」といった一見すると”わがまま”だけど、1回きりの人生だから楽しく過ごしたい、という思いが強い。「人それぞれ」という言葉がもっと世の中に浸透してくれたらいいのにな…と毎日思っている。


ここまで書いてきた自分史だが、特に誰のためになるわけでもないのでとことん自分本位に書いてみた結果、意外と今の自分に影響を及ぼしている経験があったりしてかなり有意義だった。

今の自分を作っているのは過去の自分だ、とはよく言うが、過去の自分と今の自分は切っても切れないものだ。過去に下した様々な決断が今の自分を作っていることは間違いない。それを振り返ることで、この先、より自分にとって最適な選択をすることができるかもしれない。今回振り返ってみてそう思った。

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