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初めてメイン通りに座ったときの話

人通りが5倍 = 5倍稼げる、だと思っていた時期が私にもありました…なお話。

●メイン通りに行く日

裏通りのお店で、女の子たちも優しいし特に不満もなく過ごしていました。

しかし思うのは
😡人通りが少ない!メイン通りならもっと稼げるのでは?
😞でもマスターに言われないってことは、そのレベルじゃないのかな…。
マスターに言い出せず日々を過ごしていました。

そんなある日、出勤するといきなり言われました。「今日はメイン座るか?」

えっ急だな!?
でも飛田新地ではいつも急なのでこういうことにも慣れてきました。
ゴムやおしりふきをまとめた箱を持つと、マスターの車に乗せられてメイン通りへと出荷されます。ドナドナ。

●スピード感についていけない

「おーいおばちゃん、この子!さくらこちゃん!よろしく!」「ほな頑張ってな!」マスターはつむじ風となりました。

メイン通りのお店は、裏よりキビキビしています。
おばちゃんもハキハキきびきび、女の子もせかせかしていて、空気が違います。あわあわ。

準備して玄関に座ると、その瞬間に
「はぁ!?それ化粧してんのか?あかんあかん!」
とおばちゃんに裏に引き戻されました。ずるずる。

「薄いわ。つけまつげ持ってへんのか?口紅はそんなんやなくて真っ赤!持ってないの?ほなこれ使い!唇よりひと回り大きくたっぷり塗りや」
渡されたのはDiorの試供品で、おばちゃんすらこんな高級品を使ってるのかと驚きました。西成のシンデレラの魔法使いです。

チークもCHANEL。ピンクでガッツリ入れられて、おてもやんみたいになりました。
(えっこれブスやない?)
お母さんの化粧品でイタズラをした子どもの仮装みたいです。しかしおばちゃん曰く「ライトで白飛びするからこれくらいがいいねん」とのこと。プロが言うならそうなのだろう…と思いつつも、(玄関で可愛いと思っても2階に上がったらおてもやんというのはアリなのか??)と不安になりました。

「姿勢も悪いわ。足はこう組んでみ」
座ってるだけで筋肉がぷるぷるする姿勢で短い足を長く見せます。

その甲斐あってポツポツと上がりましたが、この日の上がりは、裏での上がりに毛が生えた程度でした。(高級化粧品だから美人になるわけではないという好例)

このときの体感としては、裏通りでは20人通れば1人上がっていたのに、メイン通りでは80人通れば1人上がる。でもメインの人通りは裏の5倍なので結果的に同じくらいになる、という感じでした。(数えたわけじゃないので適当な体感です。)

メイン通りの方が人通りは多いですが、女の子も多いためお客さんも目移りするのです。

圧倒的美人なら人通りの多いメイン通りの方が上がるのでしょう。逆に能力が伴わなければ、裏通りの方が上がる。おてもやんはちょうどその釣り合いの真ん中に位置したようでした。

●客層が全然違う

裏通りでは、一人歩きの手慣れたおじさんが品定めしている感じで、こちらも(どうですか〜よろしく〜)ってなもんです。
しかし、メイン通りでは、修学旅行みたいなキッズや観光出張サラリーマン集団が、動物園にでもいるかのようにワイワイ歩いています。上がる気のない様子で「お前あの子いったれやww」とか「いやぁこれが飛田新地ですかぁ。もう少し若ければいやーはっは」などと無料で話の種になるのは見せ物感が強く、今度動物園に行ったときは気をつけようと反省しました。

客層が違うということは、2階でのプレイも変わってきます。
これは面白いと思っていることなのですが、若者は騎乗位、おじさまは正常位、という傾向があります。

初めは騎乗位をするたびに(これがゆとり世代ってやつか…団塊の世代は自ら動くのに日本はこれから大丈夫だろうか)とか思っていたのですが、そのうち法則の例外にも気がつきました。

経験の少ない人はおじさんでも騎乗位。
半グレや刺青は若くても正常位。

つまり、年齢ではなく経験値による変化だったのです。
「はじめは騎乗位で自分が肉体的に気持ち良くなるのが楽しいが、経験を積むと自分だけでなく相手が反応するのが楽しくなる。」
セックスの楽しみ方が単なる性欲から変化していくのは興味深いなと思うのでした。

●やはりスピード感についていけない

そんなこんなでCHANELをふんだんに使ったおてもやんの冴えない初日が終わり、おばちゃんに次回のシフトの相談をすると

「あー後で調整して送るって言いたいけど、今うち携帯止められてんねん。ほんまかなわんで、あいつらすぐ止めよん。せやから連絡あったら店電かけるかマスターに伝えといてぇな。さくらこちゃん余ってる携帯とかない?あったら今度持ってきて」

会話のスピード感についていけません。分かるのは、滞納してるのにCHANELカスタマーということだけです。
「余ってる携帯…はないですね。ええっと、化粧品ありがとうございました。お疲れ様です」と店を出てから(結局次のシフトは??)と思ったのでした。


こんな日記、誰か読んでる人いますか…?という気持ちで書いているので、右下の♡を押していただけたら次回を書くモチベになり有難いです🙇‍♀️ログインとか不要なので「読んだよー」って感じで押していただけるととても嬉しいです。

お正月の飛田新地に出勤した話 につづく

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