スペシャリストが理想じゃない。普通で

めちゃめちゃ仕事ができる、とか、何事も完ぺきにこなす、とか、自分自身はそんな人間、キャラクターになりたいと思っていない。

なれるとも思っていない。

勘違い、聞き間違い、思い違い、記憶違い、読み間違い、書き間違い・・・

日常で仕事のそれぞれの時間が想定を上回ったり、交通事情や第三者の仕事の遅れから、自分へ影響を受けて進捗が遅れたり。

まぁ、記憶力がめちゃめちゃ良い人とか、頭の回転がめちゃめちゃ早い人とか、交通網の把握と運転技術がめちゃめちゃ良い人とか、PC操作がめちゃめちゃ早い人とかなら、仕事ができて、ミスもないスペシャリストになれると思う。

自分は違う。

もとより、自分はそんなスペシャリストになりたいとは思っていない。

まあ、「使えねー」と言われまくるのはちょっと嫌かなぁ。

ほどほどに仕事ができるようになれれば御の字だ。

遅くとも、仕事が完遂されれば、最低限はOK。

まずはそこを目指すために、不慣れな仕事は予防線を張っていく。

「すいません!最初に謝っておきます」

「え?何か間違ってるの?」

最後の最後でお客さんに謝ったら、お客さんが疑問顔で聞いてきた。

「いえいえ。このタブレットを使った手続きは、実は日が浅くて、もしかしたら、あとで手続きが追加で必要になる、か、も、しれません」

「ああ、そういうこと」

「もし、その時には私が動きますので、万が一、またお邪魔した際にはよろしくお願いします」

「うん、わかったわ」

先に謝ってしまう。

もしかしたら、謝る必要なく、無事に手続きを終えるかもしれない。

それはそれで、実はおいしい。

「もしもし!農協の江藤です。この間の手続き、だいじょうぶでした!無事にすべて完了しました!ありがとうございます」

と、喜びながらお礼の電話をできる、その口実になる。

そして、案の定、追加のサインや追加の書類確認や、最悪中の最悪のお金の追加徴収が生じてしまっても、言ってない時より心の負担がうんと軽い。

それに、追加の手続きは1日でも1時間でも早いに越したことはない。

遅れると、他の仕事が手についてしまう。さらに遅れる、仕事が完了せず、連絡や訪問の気持ちの負担も大きくなって足が遠のき、大クレームに繋がる。

私は完璧人間ではありません。ミスや漏れがある人間です。

そもそもそういった、レベルを下げた人物像・キャラクターで訪問する。

お客さんにも、完璧な人はほとんどいないから、皆、共感して受け入れてくれる。

(たまーにいらっしゃるんだけどね、完璧な人。)

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