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ラップで主張する政治家 映画『ハミルトン』


 

『イン・ザ・ハイツ』の監督が主演まで務める、伝記ものなのにラップまで出てくるユニークなミュージカル映画です(映画というよりはミュージカルをそのまま映像に収めたという感じですが)。

アメリカ独立の中心となったアレクサンダー・ハミルトンの生涯を題材としているので、前知識をある程度入れて観ないと100%楽しめないと思います;;高校以来2年間ほど世界史に触れてこなかった私は、雰囲気と断片的な知識で半分ぐらいしか理解できませんでした(^-^;

観る前にアレクサンダー・ハミルトンのWikiをサラッと読むだけでも大分違うと思うので、これから観る人にはおすすめです。

作品概要

リン=マニュエル・ミランダが主演のほか製作・脚本・音楽・作詞も担当し、トニー賞11部門受賞をはじめ、グラミー賞、ローレンス・オリビエ賞、ピュリッツァー賞など数々の受賞を果たしたブロードウェイミュージカル「ハミルトン」を映像化。「アメリカ建国の父」と呼ばれた人物のひとりで、10ドル札の肖像になっているアレクサンダー・ハミルトンの生涯を、ヒップホップやジャズ、R&Bと融合させて描いた歴史ミュージカル。

ミュージカル映画× ミュージカル〇

 

ほとんど観客席からミュージカルを観ているような感覚で楽しめました。
そのうえで、ここぞという場面ではステージ内の特殊アングルも使ってミュージカルでは感じられない、映像作品ならではの良さも感じさせてくれます。

カメラアングルだけでなく、公演開始前のアナウンスや観客の笑い声、拍手も含めて徹底して劇場に入り込んだようなつくりになっていました。観終わった後ミュージカルに限らず劇場に足を運びたくなると思います。

歴史×ラップ

 

最初にも書いた通り歴史を知っていることでさらに刺さるセリフ、メッセージはありますが、詳しくなくても現代的な音楽と歴史もののミュージカルという珍しい組み合わせに驚き、楽しめます^^
閣議の場面でラップバトルが観られるとは思いませんでした(^-^;
ラップも含め『イン・ザ・ハイツ』に似たジャンルの曲、ノリで構成されているので、あの雰囲気が好きな人には絶対刺さります。

演出の面では、時間の操作(これは実際に観てほしいです…)やコンプラ的にアウトな言葉を隠すための規制音などもありました。ある意味映画的な演出が取り入れられている今作は、ミュージカル好きも新鮮な気持ちで楽しめると思います。

ここから映画『ハミルトン』のネタバレに入ります。ご注意下さい。

 

「歴史は常にあなたを見ている」

 

ラストにかけてはハミルトンの生涯を追うだけに留まらず、今を生きる私達へのメッセージも盛り込まれていました。
「歴史は常にあなたを見ている」というセリフやアメリカ建国の父から観客側にバトンを渡すような歌は、アメリカ国民が観たら湧くだろうと簡単に想像できます。アメリカにほぼ縁のない私が観ても、向上心をもって、正直に生きようと思いました…

最後に

誰が歴史を語り継ぐのか?という問いかけがされていましたが、この『ハミルトン』がその答えの一つになっていた気がします。歴史を新しい形で振り返るミュージカルとして、一度は観てみてほしいです。

曲ではジョージ3世の"You'll Be Back"が皮肉たっぷりの底抜けに明るい曲でお気に入りです笑

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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