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【映画感想】心に入り込んでくる映画 映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
かなり有名なアニメーション映画なので前から気になっていたんですが、追加場面が入ったバージョンをたまたま見つけたので観ることにしました。
映画『この世界の片隅に』は観ていないので、「追加されたシーンがここでこういうことが分かるようになった」という解説はできないです;;
この記事は映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』、『この世界の片隅に』のネタバレを含みます。ご注意下さい。
あらすじ
1944年、すずは結婚して広島県の呉に行き、夫の周作やその両親たちと新しい生活を始める。次第に戦況は悪化し生活にも影響が出始めるが、彼女は日々知恵を絞って生きようとする。ある日、道に迷ったすずは遊郭でリンという女性と出会い、嫁いで来て初めて知り合った同年代の彼女と打ち解ける。そして1945年3月以降、呉はたびたび空襲を受けるようになる。
短編が紡ぐすず
かなり頻繁に場面が転換し、それぞれの場面が短編集のように構成されていました。
戦争や家族関係など、全体を通して進んでいく大きな話はあるんですが、序盤から中盤にかけてはすずの日常を少しずつ切り取って、それぞれが観客の感情を引き出すように作られています。
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しかも方言のおかげなのかセリフの読み方のおかげなのか、登場人物の言葉が自然と心に入ってきます;;
変にひねった言葉ではない、飾らない言葉がそのキャラクターを身近に感じさせてくれました。
特に再序盤、海のウサギを描く場面で水原がすずに言った
「こがいな絵じゃ、海を嫌いになれんじゃろうが」
というセリフは、すずの絵の綺麗さも合わさって思わずスタンディングオベーションしてしまいました。(誇張なしで)
この場面だけでももっと早く観ていたかったです…
戦争
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中盤までは、能天気で周りを笑顔にするすずの姿が描かれていきます。
しかし、常に戦争の影がちらつき続けるため、いつその姿が変わってしまうのかずっと不安なまま観なければならないです…
画面も優しく淡い色づかいで描かれるので、余計危ういバランスで成り立っているように感じました。
すずは何者だったのか?
すずが変わってしまったことを自覚して泣き崩れるシーンは、悲しさも勿論ですがかなり驚きました。
私が鈍感だっただけかもしれませんが、このシーンを観るまで自然体で過ごしているだけの人だと思っていましたし、明確にすずが変わったと気づけるシーンは無かったと思います。
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この泣き崩れるシーンで自分の芯を大切に生きてきた、強い人間だったということが初めて分かりました。
すずというキャラクターを誤解していた自分が恥ずかしいです…
本当の彼女を知ったうえでもう一度観るのも面白そうです。
変わらないことの難しさ、人を変えてしまう社会の無情さと、変わっても受け入れてくれる世界の広さを、心の片隅に置いておきたいです。
最後に
各エピソードのつながりは分かりやすいものばかりですし、すずの得意な絵でもって心の内を分かりやすく、楽しく観せてくれます。
本当はもっと書きたいエピソードがあるんですが、細かいところまで書いているとキリがないのでざっくり書きました。
戦争というテーマの重さや一部ショッキングな場面もありますが、多くの人が素直に観られる映画だったと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
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