【映画感想】歳をとるごとに若返る主人公を通して、丁寧に生き方を学ぶ 映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
老いた姿で生まれ、歳をとるごとに若返る主人公という、なかなかインパクトの強い設定でした。
どこかで観た予告編を今でも覚えています。
自分の生き方や周りとの関わり方を考えながら観るとかなり楽しめました。
逆に疲れた時に観るのには向いていないかもしれないです。
注:元となった短編小説があるそうですが、そちらは未読です。
あらすじ
80代の年老いた姿で生まれ、歳をとるごとに若返っていき、0歳で生涯を終えたベンジャミン・バトンの奇妙な人生を、数々の出会いと別れを通して描く。
様々な人の生き方
主人公のベンジャミンはかなり特徴的ですが、本作は彼中心の物語であると同時に彼中心の物語ではありません。これは断言したいです。
老人期?はベンジャミンの見た目にそぐわない言動で少し笑えたり、何かの発端になったりする場面があります。
ただ、基本的には様々な人の生き方をベンジャミンと一緒に学んでいく作品でした。
信心深い母や自分の道を行く船乗り、諦めない人や過去を悔いている人など、たくさんの人が出てきてそれぞれに特徴があります。
生き方の多様性(仰々しい言葉なんですが)を感じるのは勿論、誰が観ても一人以上の登場人物に共感し、影響されると思います。
私は我が道を行くタトゥーアーティストの船乗りが一番好きです。
個人的に本作の中で一番難しい生き方をしている気がするからです。
「人の目を気にせず自分の道を突き進む」というのは、こうやって書いたり口に出すのは簡単ですが実行するのは難しいことだと思います。
だからこそ憧れますし、自分の生き方に取り入れたいです。
人の”道”とその辿り方
本作ではベンジャミンが生まれた瞬間から観ていきます。
序盤は見た目こそ老人なんですが、先に書いたような様々な人との出会いを通して学び、アイデンティティーを獲得していきます。
中盤、終盤の彼の行動はこれらの経験からきているはずです。
そして中盤は他の人と同じように人生を謳歌し、終盤にはだんだんと死へ向かっていきます。
他の人とは明らかに違う数奇な”道”を辿った彼でさえ、周りから学び、成長し、逃れられない死に向かうわけですから、このプロセスは人にとってやっぱり不偏なんでしょう。
「そんなことわざわざまとめる必要ないだろ!!」
と思うかもしれませんが、私はこれが映画(元は小説)による人生の証明であるように感じました。
少しだけ難解な表現
恐らく元が小説というのも関係しているのかもしれませんが、分かりづらい表現がところどころありました。
台風やハチドリの羽ばたき、日記など。
台風はデイジーの病状に、ハチドリの羽ばたきは転生?に、日記はベンジャミンに対応しているような気もすれば、していない気もします。
人の多様性を感じさせてくれる映画でもあるので、人によって解釈が異なるようにわざと分かりづらくしたんじゃないでしょうか。
最後に
二つ目の見出しの終盤は自分が書きたいように書いたので独りよがりな文章になっちゃったかもしれないです;;
でも、書いてて楽しかったですし、人は皆違うので許して下さい。(^-^;
最後の反対に進む時計が映るシーンは何を考えましたか?
水が流れてきたということは、時計が壊れるということ?
それならベンジャミンや彼を愛したデイジーですら、”道”を戻ることはできなかったということになるんでしょうか?
いろんな意見を聞いてみたいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
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