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2024.4.24 言葉の詰まりは私の個性

お互い話さずにシーン…となった時間が嫌である。


今日は私の会社で保管している物をお客様の元へ返却をするために盛岡へ向かっていた。

今回の仕事は物を返却するだけ。
だけど今日お会いする担当さんは別の案件にも関わっている。そのため、返却のついでにその案件の内容について聞かれる可能性がある。
聞かれた時に上手く対応できるように準備もしてきた。

駐車場に着き、お客様の会社に歩いて向かう。
建物の前の小道を歩いていると、散った桜の花びらを掃除している女性の方がいた。
周りにある桜は9割ほど散ったにも関わらず、小道には桜の花びらが小道を覆っていた。
この量の花びらを掃除するのも大変そうだな…と思いながら小道を歩いた。

「こんにちは!」 私は女性に挨拶をした。
私はその方に何かしてあげられることは無いけれど、せめて明るい挨拶をして元気をつけてあげたいと考えた。
「お疲れ様です」 女性も挨拶を返してくれた。
それだけで私もちょっと嬉しい気分になった。

会社についた。
外で担当さんを呼ぶ。返却する物はあまりにも重く私1人では持てないからだ。
担当の方が中から姿を現した。持ってきたものを代車に乗せる。これで今回の用事は終わりだ。
「そういえば…あの案件、今どうなってますかね?」
担当さんのこの言葉を待っていた。
私は準備していたことを話す……はずだった。
「この件は、あの………明日には回答します。」

「ヤバい… 上手く言葉が出てこない…」

準備をしてきたので緊張している訳でもない。
でも、何故か言葉が口から出てこない。
まるで、頭の中で言葉の引き出しをひたすらに開けて適した言葉を見つける。その言葉をパズルのように繋げるという感覚。
その時間が長すぎて会話に間ができてしまう。私はそれが凄く苦手だ。相手にこの間が変に思われていたらどうしよう…
しかも言葉を見つけたとしてもそれが担当さんに伝わっているのか不安で不安でしょうがなかった。

帰り道、運転しながら考えていた。
なんで自分は言葉がすんなり出てこないのだろう。
と何度も何度も思い返していた。
この言葉が出てこないのは今回だけでは無い。誰とでも会話をするときにはいつも言葉が詰まる。
直そうとしているもののなかなか直らない。

ふと、とある言葉を思い出した。

「上手く話すことができないのは、頭の回転が鈍いからじゃない。トビオくんみたいな子は、『思う』と『言う』の距離が近いだけなんだ」

さみしい夜にはペンを持て   古賀史健 著

「── 一方でおじさんやタコジローくんみたいなタイプは、言葉が渋滞することもある。これはどっちがいいとか悪いとかじゃなく、性格というか、個性の問題なんだ。」

さみしい夜にはペンを持て   古賀 史健 著

「言葉が渋滞することもある。」
「性格というか、個性の問題なんだ。」

私は今まですんなりと言葉が出ないことは「悪いこと」だと考えていた。でも、この本でヤドカリのおじさんは「個性の問題だから気にしなくていい」と言っていた。
この言葉のおかげで少し気が楽になった。
無理して言葉の詰まりを直そうとしなくていい。分かりやすく伝えるために考えているのだから。
個性も潰したくないしね。

これでも一生懸命分かりやすく伝えようとしているのだから。

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